【ジュネーブショー2018】EV攻勢をかけるフォルクスワーゲングループ
2018.03.11 自動車ニュース![]() |
ニューモデルラッシュにわく今年のジュネーブモーターショー。その勢いをけん引しているのがドイツメーカーである。フォルクスワーゲン(VW)、アウディ、ポルシェのブースをリポートする。
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EVだけでなく交通そのものを提案したVW
VWのメインステージに並んだのは4台のI.D.コンセプト。コンパクトハッチバックの「I.D.」、SUVの「I.D. CROZZ」、MPVの「I.D. BUZZ」と、そして今回のショーでデビューした「I.D. VIZZION」だ。
真っ赤なボディーのI.D. VIZZIONは、全長5.1mの大型4ドアセダン。フロントに75kW、リアに150kWのモーターが搭載され、2つのモーターが生み出すシステム最高出力は225kW。111kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、最大665kmの航続距離を備える。さらに人工知能を搭載してレベル5の自動運転をこなす。つまり、自動運転としては最高レベルで、無人走行も可能というのだ。そのため室内にはステアリングに相当するものがない。VWはレベル4(走行エリアが限定的な完全なる運転自動化)、およびレベル5(どこでも走れる完全なる運転自動化)が完成するのは2025年ごろだと考えているという。つまり、このI.D. VIZZIONが現実化するのは、わずか7年後なのだ。
ちなみに、VWのプレスカンファレンスでI.D. VIZZIONの前に登場したのは、個人用のマイクロモビリティーである「コンセプト シティースケーター」であった。これは折り畳みが可能で車載できる、自宅からクルマ、クルマから目的地までの、最初と最後の短い距離をカバーする乗り物というわけだ。
また、イタルデザインのブースには、アウディのマークをつけたコンセプトである「Pop.Up Next」が展示されていた。昨2017年のジュネーブショーに登場した空飛ぶクルマの進化版である。プロペラ部だけでなく、ホイールなどの車体下側を切り離すことができ、陸上も空も自動で移動可能。クルマの範疇(はんちゅう)を超えた、次世代の移動手段が提案されていた。
アウディとポルシェもEVコンセプトを披露
EV攻勢をかけるVWは、グループのメンバーとなるアウディとポルシェからもEVコンセプトを出品していた。
アウディのフルEVコンセプトは、「e-tronプロトタイプ」。スポーティーなSUVだ。150kWの出力を持つ急速充電ステーションを利用すれば30分以下でフル充電が可能。駆動方式はアウディお得意の4WD。2018年中には欧州市場に投入されるというから驚く。ただし、ショー会場では、ほとんどの時間、ベールがかけられたまま。1日に数回ある新型「A6」の説明イベントのときに、わずか数分間だけ露出するという演出であった。ちなみに新型A6はフルモデルチェンジした、まったくの新型で、今回のショーがワールドプレミア。新型A6が置かれたアウディのメインステージ前には、まるで映画館のような100席のシートが設置されており、説明イベントでは新型A6を題材にした1分ほどのショートフィルムが何本も放映されていた。
ポルシェのEVは、「ミッションEクロスツーリスモ」。ポルシェ初となるクロスオーバー・ユーティリティー・ビークル(CUV)だ。もちろんポルシェらしく、最高出力は600ps。それでいて航続距離は500km以上。さらに15分の充電で400kmの走行を可能とする。よほど高性能な電池が搭載されるのだろう。一方、ポルシェは通常のエンジン車のハイパフォーマンスカーも発表した。「ポルシェ911 GT3 RS」だ。最高出力520psの4リッター水平対向エンジンを搭載。自然吸気エンジンの公道仕様としては歴代ポルシェ最高値となる。
(文と写真=鈴木ケンイチ)
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