第4回:アメリカンクルーザーならではの悠然とした走りに浸る
2018.05.09 JAIA輸入二輪車試乗会2018大排気量Vツインならではの悠然とした走りが身上のアメリカンクルーザー。今回は「ハーレーダビッドソン・ブレイクアウト」と「インディアン・スカウト ボバー」という、キャラクターの異なる2台の最新モデルを紹介する。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
“黒船”の威容を感じる
ハーレーダビッドソン・ブレイクアウト……273万4000円
大きさや力に物言わすというのは、良しあしはさておき圧倒的な手法だ。19世紀の東京湾に突如として現れたアメリカの軍艦が撃ち放った空砲に江戸の町民が腰を抜かして以来、僕らはアメリカに、少なくともアメリカンプロダクトに畏怖(いふ)の念を抱き続けている。などという大仰なことを、ハーレーの2018年モデルで採用された新しいユニット、ミルウォーキーエイトであらためて、かつ本気で思い知らされました。
このユニットで採用されている排気量は107と114。単位はキュービックインチ。慣れ親しんでいる数値に置き換えると1745ccと1868cc。今回初めて114に乗ったが、ハンパないっす。10mくらい先の地面を剛腕でつかまえて、鍛え上げた胸筋とともにグイッと手前に引き寄せるような、体ごと持っていかれる暴力的な加速。同じ2気筒でもレーサー的に速いエンジンは他にあるけれど、スピードの質が違う感じ。というか筋肉質。何より片方のシリンダーだけで900cc超って、今回の試乗会で乗ったドゥカティのスクランブラーが入っちゃうっつうの。いや、シリンダーにオートバイは入らないけれど、とにかく二輪では異次元的な大排気量をカタログモデルで成立させるハーレーの黒船的手法には恐れ入谷です。
さらにこのブレイクアウト、元はハーレーの特別仕様車CVO(カスタム・ヴィークル・オペレーション)で登場した出自を受け継ぎ、一見質素に見えつつ相当なカスタマイジングが施されている。フロントは自転車みたいな130mm幅の21インチタイヤ。リアは極薄40偏平で240mm幅の18インチタイヤを装着。光源を3分割したLEDヘッドライトに、ハンドルクランプに内蔵したデジタルメーターand more……。ここまでのカスタム要素を標準で盛り込むのもハーレーの真骨頂である。
圧倒的って英語でなんて言うんだ? ブレイクアウトか。違うね。Breakoutは「何かが起きる」だっけ。いずれにせよハーレーは事を起こし続けています。黒船以来ずっと。それも違うけれど、ニュアンスは伝わるでしょ?
-
ハーレーダビッドソン 2019年モデル合同試乗会【試乗記】 2018.11.12 試乗記 ハーレーダビッドソンがラインナップする33機種(!)もの現行モデルの中から、「フォーティーエイト」「スポーツグライド」「ロードグライドスペシャル」に試乗。サイズもライドフィールも異なる3台の走りに、新時代へ向けたハーレーの挑戦を感じた。
-
-
ハーレーダビッドソンFXDR 114(MR/6MT)【レビュー】 2018.11.3 試乗記 すごみの利いたロー&ロングなスタイリングと、1868cc(!)の特大Vツインエンジンが目を引く「ハーレーダビッドソンFXDR 114」。新世代の鉄馬の旗手は、これまでのモデルとは一味違う、積極的にライディングを楽しむためのバイクに仕上がっていた。
-
ホンダNSX(4WD/9AT)【試乗記】 2019.1.22 試乗記 3.5リッターV6ツインターボエンジン+トリプルモーターを搭載したホンダのスーパースポーツ「NSX」が、デビュー以来初のマイナーチェンジを受けた。新たに開発責任者に日本人を据えたことで、走りの味付けはどのように変化したのだろうか。
-
トヨタ・ハイラックスZ/ハイラックスZ“ブラックラリーエディション”【試乗記】 2019.1.24 試乗記 2017年9月、実に13年ぶりの販売再開となった「ハイラックス」を、オフロードコースで試すチャンスが訪れた。強靭なラダーフレームと最新の電子デバイスを得た4WDシステムの組み合わせは、いったいどんな走破性を披露してくれるのか。タフなコースに挑んでみた。
-
トライアンフ・ストリートスクランブラー(MR/5MT)【レビュー】 2019.2.16 試乗記 堅牢なオフロードスタイルとファッション性、そして多用途性を併せ持つ、トライアンフのネオクラシック「ストリートスクランブラー」。またがってむちを当てるや、ライダーは気軽にどこでも行きたくなる自由な気分に満たされるのだった。