DSブランドのフラッグシップSUV「DS 7クロスバック」上陸

2018.07.17 自動車ニュース 鈴木 真人
「DS 7クロスバック」
「DS 7クロスバック」拡大

プジョー・シトロエン・ジャポンは2018年7月17日、新型SUV「DS 7クロスバック」を国内で発表。同日、販売を開始した。

立体的なキャラクターラインが与えられたサイドビュー。グレードにより、20インチまたは18インチのアルミホイールが組み合わされる。
立体的なキャラクターラインが与えられたサイドビュー。グレードにより、20インチまたは18インチのアルミホイールが組み合わされる。拡大
リアコンビランプは、かつてコンセプトカー「DS E-TENSE」で示されたデザインが採用されている。
リアコンビランプは、かつてコンセプトカー「DS E-TENSE」で示されたデザインが採用されている。拡大
1.6リッター直4ターボエンジン。最高出力225ps、最大トルク300Nmを発生する。
1.6リッター直4ターボエンジン。最高出力225ps、最大トルク300Nmを発生する。拡大
メーターパネルは12.3インチの液晶タイプ。
メーターパネルは12.3インチの液晶タイプ。拡大

DSブランドの未来を象徴

2017年3月のジュネーブモーターショーでワールドプレミアを果たし、同年の東京モーターショーにも出展されたDS 7クロスバックは、DSブランドの新たなフラッグシップとなるSUV。DSがパリ発信のラグジュアリーブランドであることを強調し、そのフィロソフィーと未来のビジョンを象徴するとされる。

テーマとして語られるのは、「オートクチュールを連想させるような細部にわたるパリらしいこだわりのあつらえと最新テクノロジーの融合」。フロントには立体的にデザインされた「DSウインググリル」を配し、リアコンビネーションランプはコンセプトカー「DS E-TENSE」に見られた斜め格子模様に3Dエフェクトを与えた造形。インテリアはDSブランドのコンセプト“SPIRIT OF AVANT-GARDE”を表現したという。

パワートレインは、ディーゼルとガソリンの2種類。ディーゼルエンジンは2016年後半から「DS 4」と「DS 5」に採用されている2リッター4気筒ターボの「BlueHDi 180」で、最高出力177ps、最大トルク400Nmを発生する。ガソリンエンジンは新開発の1.6リッター4気筒ターボ「ピュアテック225」。「DS 3パフォーマンス」に搭載した208psバージョンを改良し225psにまでパワーアップさせたもので(最大トルクは300Nm)、微粒子フィルターを備え、欧州排ガス浄化基準6.2をクリアしている。トランスミッションは全車、PSAグループでは初となる8段AT「EAT8PSA」を採用。これはアイシン・エィ・ダブリュとの共同開発によるもので、軽量化を実現するとともに、ケースの全長も6段ATと同等レベルに抑えられている。

「オペラ」と名付けられた最上級仕様のインテリア。上級グレード「グランシック」のオプションとして選択できる。
「オペラ」と名付けられた最上級仕様のインテリア。上級グレード「グランシック」のオプションとして選択できる。拡大
フランスのモダニズムを表現した「リヴォリ」仕様のインテリア。上級グレード「グランシック」の標準内装となる。
フランスのモダニズムを表現した「リヴォリ」仕様のインテリア。上級グレード「グランシック」の標準内装となる。拡大
ベーシックグレード「ソーシック」用の「バスティーユ」インテリア。シート地にはファブリックが採用されている。
ベーシックグレード「ソーシック」用の「バスティーユ」インテリア。シート地にはファブリックが採用されている。拡大

室内はパリの名所がモチーフ

センターコンソールのトグルスイッチ枠や12.3インチの液晶メーターを特徴とするインテリアには、3つのバリエーションが用意されている。いずれもDSブランドの生誕地であるパリの名所からインスピレーションを得たものだ。最上級仕様は「オペラ」。シャルル・ガルニエが設計したオペラ座からインスパイアされている。センターコンソールのクローム部分には腕時計の文字盤に見られる伝統的装飾技法のクル・ド・パリ加工を施し、芸術性とアルチザンの技へのオマージュを込めた。

フランスのモダニズムを表現したレザー仕様が「リヴォリ」。ルーブル宮殿の近くに位置する、片側が新古典様式のアーケードになっているリヴォリ通りからとられた名称だ。ダッシュボードやドアトリムには斜めに交差する格子模様のステッチをあしらい、パリのラグジュアリー&ハイファッションの発信地というイメージを重ねている。

ファブリック仕様は「バスティーユ」。革命の原点であり、近代フランス文化の起点となったバスティーユ広場をモチーフにした。シート地にはブロンズ色を織り交ぜてあり、テップレザーのダッシュボード&ドアトリムと組み合わせている。

ナッパレザーで仕立てられた「オペラ」インテリアのシート。
ナッパレザーで仕立てられた「オペラ」インテリアのシート。拡大
上級グレード「グランシック」のダッシュボードに配されるB.R.Mアナログクロック。エンジン始動とともに180度回転して文字盤が現れる。
上級グレード「グランシック」のダッシュボードに配されるB.R.Mアナログクロック。エンジン始動とともに180度回転して文字盤が現れる。拡大
国際共通規格Qi(チー)のワイヤレス充電機能も、標準装備またはオプションとして用意される。
国際共通規格Qi(チー)のワイヤレス充電機能も、標準装備またはオプションとして用意される。拡大
LEDを制御し走行状況に最適な配光を実現する「DSアクティブLEDビジョン」。
LEDを制御し走行状況に最適な配光を実現する「DSアクティブLEDビジョン」。拡大
ラゲッジスペースは、後席の背もたれを倒すことで拡大できる。
ラゲッジスペースは、後席の背もたれを倒すことで拡大できる。拡大
「DS 7クロスバック」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4590×1895×1635mm。ホイールベースは2730mmとなっている。
「DS 7クロスバック」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4590×1895×1635mm。ホイールベースは2730mmとなっている。拡大

往年の「DS」から受け継がれた機能も

芸術性とテクノロジーの融合をうたっているとおり、運転支援システムには最新のテクノロジーが用いられている。アダプティブクルーズコントロール(ACC)の「DSコネクテッドパイロット」は、前車がいったん停止しても3秒以内であれば自動的に再発進が可能。センサーには、マルチファンクションカメラとミリ波レーダーが使われている。

“新世代のDSサスペンション”とうたわれる装備が「DSアクティブスキャンサスペンション」だ。車両前方5~25mの路面状況を常時高速スキャンして路面の凹凸を検知。フィードフォワード制御による4輪のショックアブソーバーの減衰力を最適化し、浮遊したまま移動するかのような快適な乗り心地を実現するという。「ノーマル」「スポーツ」「エコ」「コンフォート」という4つのドライブモードのうち、コンフォートを選択すると、このDSアクティブスキャンサスペンションが作動する。

夜間の視界をサポートするのが「DSナイトビジョン」。前方を赤外線カメラで監視し、映像をインストゥルメントパネルに表示する。危険を察知すると赤色でハイライトして注意を喚起する機能を備えている。

「DSアクティブLEDビジョン」は、1955年に登場した「シトロエンDS」のヘリテージとされる機能。当時としては画期的だったステアリング連動ヘッドライトを現代化したもので、左右3個ずつ内蔵されたLEDヘッドライトユニットを細かく制御することにより、車速や天候などに応じた6つの配光モードで最適な視界を提供する。

DS 7クロスバックの価格は、上級グレード「グランシック」のディーゼルモデルが562万円で、ガソリンモデルが542万円。ベーシックグレード「ソーシック」はディーゼルモデルのみで469万円。

(文=鈴木真人)

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