第4回:スズキ・ジムニー/ジムニーシエラ(後編)
2018.09.19 カーデザイナー明照寺彰の直言![]() |
「スズキ・ジムニー/ジムニーシエラ」のデザインを“完成している”と評した、現役カーデザイナーの明照寺氏。スズキが誇るもう1台の「デザイン的傑作」の話題も交えつつ、軽自動車のデザインの難しさ、ジムニーの造形の“すごさ”を語った。
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今日のスズキを代表するもう1台の“傑作”
プロも絶賛の新型ジムニーのデザインだが、その裏には「ハスラー」の成功もあると聞く。つまり、ハスラーで新しい軽SUV像を打ち出せたからこそ、ジムニーは思い切って原点回帰できたと、スズキの開発陣は語っていたのだが……。
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明照寺彰(以下、明照寺):僕も、スズキといえば個人的にはハスラーです。ハスラーのデザインは、軽自動車の中でも一番かなと思っています。
永福ランプ(以下、永福):同感です。新しいのに奇をてらってない。シンプルでかわいくて力強い。
明照寺:ハスラーの何がすごいかというと、軽自動車はドア断面とかフェンダー部分に、寸法の余裕がまったくないわけですよ。その中で、わずかな寸法をうまく使って、結構丸みや厚みを感じさせているんです。
永福:そういうところですか!
明照寺:フェンダー部を見ると、上側のブリスターがしっかり付いて、その下に黒のクラッディング(樹脂部分)をこう回しているじゃないですか。だから、断面でいくと、1回出て引っ込んで、また出てって感じで、2段になっている。こういうことは、普通のクルマではしないです。「軽自動車を知りつくしてるな」って思いますね。
永福:実際には、オーバーフェンダーは出っ張ってないけど、出っ張っているように見せているということですか?
明照寺:そうです。

明照寺 彰(めいしょうじ あきら)
さまざまな自動車のデザインにおいて辣腕を振るう、現役のカーデザイナー。理想のデザインのクルマは「ポルシェ911(901型)」。
永福ランプ(えいふく らんぷ)
大乗フェラーリ教の教祖にして、今日の自動車デザインに心を痛める憂国の士。その美を最も愛するクルマは「フェラーリ328」。
webCGほった(うぇぶしーじー ほった)
当連載の茶々入れ&編集担当。デザインに関してはとんと疎いが、とりあえず憧れのクルマは「シェルビー・コブラ デイトナクーペ」。
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