メルセデスAMG GT63 S 4MATIC+(4WD/9AT)
ドリフトもショッピングも望みのまま 2018.10.13 試乗記 2018年3月のジュネーブショーで、メルセデスAMG初となる独自開発の4ドアクーペ「AMG GT」がデビューした。「2ドアのAMG GT譲りのパフォーマンスに高い実用性を加えた」という注目のモデルに、サーキットと公道で島下泰久が試乗。ファーストインプレッションを報告する。「E63 S」とは違う次元
正直に言うと、実際にステアリングを握るまで、今回の主役である「メルセデスAMG GT63 S 4MATIC+」(4ドアクーペ)のことを見くびっていた。というのも、アルミボディーにトランスアクスルレイアウトの「GT」に対して、スチール主体のモノコックに「メルセデスAMG E63 S」などとほぼ共通のパワートレインを載せるという構成とされた4ドア クーペは、それこそE63 Sのデザイン違いプラスアルファくらいじゃないかと想像させたからだ。
それが、もしかすると間違いかもしれないと思い始めたのは、試乗会場となったアメリカはテキサス州にあるサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)のパドックに置かれていたホワイトボディーを見た時のことだった。各部にアルミ製、カーボン製含めた当て板、支え棒がこれでもかと入れられて、徹底的に強化されていたソレからは、言いようのない気迫のようなものが漂っていたのである。
実際、その恩恵は一般道の走りでも十分に感じられる。そう、ボディーの剛性感が尋常じゃないのだ。特にフロントまわりのガッチリ感は市販車ではそうそう体験できないレベルにあり、ステアリングの生々しいほどの操舵感は、それこそE63 Sなどとはまったく違う次元にあるとすら言える。リアまわりの剛体感もまったく負けていない。大きく、大面積のガラスをはめ込んだテールゲートを持つクルマであることを忘れてしまうほどだ。
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