第21回:ダイハツ・ミラ トコット(前編)

2019.01.30 カーデザイナー明照寺彰の直言
ダイハツ・ミラ トコット
ダイハツ・ミラ トコット拡大

今も昔も、軽乗用車のメインターゲットといえば女性。ぬいぐるみのようにかわいい女性向けモデルもずいぶん登場してきたが、「ダイハツ・ミラ トコット」は女性向けでありながら、それらとはかなりデザインテイストが異なる。そのあたりを現役デザイナーはどう見たか。

2009年8月から2018年3月にかけて販売された「ミラココア」。クルマのデザインやカラーバリエーション、特別仕様車の設定を含めたマーケティングなど、全方位的に「カワイイ」を意識したプロダクトだった。
2009年8月から2018年3月にかけて販売された「ミラココア」。クルマのデザインやカラーバリエーション、特別仕様車の設定を含めたマーケティングなど、全方位的に「カワイイ」を意識したプロダクトだった。拡大
「ミラ トコット」は、それまでの“女性向けカー”とは一線を画す、シンプルで飾りっ気のないスタイリングが特徴。オフィシャルサイトやカタログなどで主役を張るボディーカラーも、ピンクやイエローではなく淡いグリーンとなっている。(写真=向後一宏)
「ミラ トコット」は、それまでの“女性向けカー”とは一線を画す、シンプルで飾りっ気のないスタイリングが特徴。オフィシャルサイトやカタログなどで主役を張るボディーカラーも、ピンクやイエローではなく淡いグリーンとなっている。(写真=向後一宏)拡大
エクステリアと同じく、比較的シンプルなデザインでまとめられた「ミラ トコット」のインテリア。上級グレードには、陶器を思わせる質感の装飾パネルが用いられている。
エクステリアと同じく、比較的シンプルなデザインでまとめられた「ミラ トコット」のインテリア。上級グレードには、陶器を思わせる質感の装飾パネルが用いられている。拡大
「ミラ トコット」のカタログに用いられていた写真。
明照寺:「頑張ってはいないけど、だらしなくも見せないというのが『エフォートレス』のキモです」
「ミラ トコット」のカタログに用いられていた写真。
	明照寺:「頑張ってはいないけど、だらしなくも見せないというのが『エフォートレス』のキモです」拡大

「エフォートレス」というよりは……

明照寺彰(以下、明照寺):ミラ トコットのデザインは「エフォートレス」(effortless)というのがキーワードなんですよ。

永福ランプ(以下、永福):エフォート(effort)って、つまり努力ですね。

ほった:それがレス(less)してるわけだから、この場合は「努力しない」って意味ですか?

明照寺:基本的にはファッション用語なんですけど、「頑張らない」とか「気負わない」とか、抜けた感じを指します。

永福:トコット以前にあった「ミラココア」は、いかにも“努力”して女の子っぽくしてました。

明照寺:ああいうコテコテに決めた感じではなくて、頑張らない感じ。だけど、決してだらしなくはないというようなところを狙っていて、それはすごく時流に乗っているなと感じます。自分もいつかそういうテーマに挑戦したいと思ってます。

永福:つまり、ユニクロや無印良品のセンでしょうか。

明照寺:いや、ユニクロってもっとベーシックじゃないですか。もう少しふわっとしてるというか、もう少しおしゃれな感じでしょう。

永福:それは無印良品(笑)?

明照寺:うーん、もうちょっとだけおしゃれ寄りかなぁと思います。最近、体にぴったりしているよりは、だぼっとしてるパンツとかがはやりですけど、そういうのをどれだけだらしなく見せずに着こなせるかというところですね。

永福:ミラ トコットのカタログ、モデルさんの衣装もそういう系ですね~。

明照寺:そんな訳で、エフォートレスはユニクロかっていうと、ちょっと違うと思うんです。でも、結論から先に言ってしまうと、ミラ トコットは結果的にユニクロっぽくなっちゃってるんですよ。

一同:ハハハハハハ。

明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

さまざまな自動車のデザインにおいて辣腕を振るう、現役のカーデザイナー。理想のデザインのクルマは「ポルシェ911(901型)」。

永福ランプ(えいふく らんぷ)
大乗フェラーリ教の教祖にして、今日の自動車デザインに心を痛める憂国の士。その美を最も愛するクルマは「フェラーリ328」。

webCGほった(うぇぶしーじー ほった)
当連載の茶々入れ&編集担当。デザインに関してはとんと疎いが、とりあえず憧れのクルマは「シェルビー・コブラ デイトナクーペ」。

ダイハツ ミラ トコット の中古車
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