マツダ3ハッチバック(FF/6MT)/マツダ3セダン(FF/6AT)
挑戦者の気概 2019.02.07 試乗記 マツダのCセグメントモデル「アクセラ/マツダ3」が4世代目に進化。斬新なエクステリアデザインに加え、刷新されたシャシーやパワートレインのラインナップなど、見どころに満ちた新型の出来栄えを、米ロサンゼルスでチェックした。世界と再び伍(ご)して戦うために
初代マツダ・アクセラ/マツダ3は「ファミリア」の後継として2003年にデビュー。代を追うごとに輸出が増え、世界戦略車としての色合いが濃くなっていったファミリアは、国内市場に気を配って全幅1700mm以下の5ナンバーサイズに収めていたが、ネーミングの変更でそれを吹っ切り、アクセラはひとまわり大きな欧州Cセグメントの標準的なサイズとなった。小さなサイズで室内空間をそれなりに取ろうとするとエクステリアデザインは平板なものになりがちで、実際ファミリアもそうだったが、堂々の3ナンバーサイズとなったアクセラは塊感のある立体的な造形で日本車離れしたスタイルに。走りも欧州車的で、マツダの評価を押し上げることになった。販売台数でもマツダ全体の3分の1ほどを占める大黒柱となり、ファミリアからアクセラへの転身は大成功を収めた。
当時は欧州Cセグメントの代表格である「フォルクスワーゲン・ゴルフ」の5代目が発表されたばかりで、モーターショーでこれをチェックした谷岡 彰主査は「アチラさんもさすがだと思うけれど、ウチのほうが勝っているところもあるんですよ」と和やかに語っていたのを思い出す。その後の十数年、欧州車は特にボディーやシャシーでの進化の度合いが大きく、相対的に日本車はちょっと停滞気味だったこともあって、現行の7代目ゴルフはかなりの高みに行ってしまった感がある。以前は背中に手がかかっていたのに、少し距離が離れてしまったのだ。
だが、間もなく北米や欧州で販売が開始される新型マツダ3は、再び世界の頂点に王手をかけるつもりだ。2012年の「CX-5」から「スカイアクティブテクノロジー」と「魂動デザイン」を採用した新世代商品群を展開し、それまで大衆的だったブランドイメージをプレミアム方向に押し上げたマツダだが、すべてのラインナップにそれが行きわたり(軽自動車や商用車は除く)、本格的な“2周目”に入る最初のモデルがこのマツダ3ということになる。