第27回:メルセデス・ベンツAクラス

2019.03.20 カーデザイナー明照寺彰の直言
メルセデス・ベンツAクラス
メルセデス・ベンツAクラス拡大

これまでのデザインから一転して、シンプル路線へと舵を切ったメルセデス・ベンツ。新しくなった「Aクラス」も、そうした流れをくむ一台だ。“スリーポインテッドスターのこれから”を具現したコンパクトハッチバックに、現役のカーデザイナー明照寺彰は何を思う?

2018年2月にオランダ・アムステルダムで世界初公開された新型「Aクラス」。「CLS」から導入が進められている、メルセデス・ベンツの新しいデザインコンセプトが取り入れられている。
2018年2月にオランダ・アムステルダムで世界初公開された新型「Aクラス」。「CLS」から導入が進められている、メルセデス・ベンツの新しいデザインコンセプトが取り入れられている。拡大
新型「Aクラス」のサイドビュー。一筆書きのショルダーラインはもちろん、“長さ”と“ノーズの低さ”を強調したボンネットまわりの意匠にも注目。
新型「Aクラス」のサイドビュー。一筆書きのショルダーラインはもちろん、“長さ”と“ノーズの低さ”を強調したボンネットまわりの意匠にも注目。拡大
先代「Aクラス」のサイドビュー。ドアハンドルの位置とは無関係に下降線を描く上部のラインと、車体中央部で唐突に向きを変える下部のラインとが、リアドアでぶつかっている。
先代「Aクラス」のサイドビュー。ドアハンドルの位置とは無関係に下降線を描く上部のラインと、車体中央部で唐突に向きを変える下部のラインとが、リアドアでぶつかっている。拡大
新型「Aクラス」のデザインスケッチ。フロントマスクからボディーサイドを通ってリアへと向かう流れがよくわかる。
新型「Aクラス」のデザインスケッチ。フロントマスクからボディーサイドを通ってリアへと向かう流れがよくわかる。拡大

煩雑だったサイドビューとはお別れ

明照寺彰(以下、明照寺):「CLS」のときにもお話ししましたが、最近メルセデスはキャラクターラインをなくしたり、整理したりして、極力シンプルに見せようとしてるんですよ。

永福ランプ(以下、永福):期せずしてBMWやマツダとともに、ですね。

明照寺:(画像を見せながら)これがAクラスの旧型と新型です。旧型と比べると、新型Aクラスは結構ボンネットが下がっていて、前から後ろまでズバーンと行く勢いがあって、カタマリ感も出ていると思います。逆に、こうして久しぶりに旧型Aクラスのサイドビューを見ると、プロポーションは悪くないんですが、ドア面が結構煩雑だったと思いますね。いまさらですが。

永福:新型と比べると、旧型はキャラクターラインだらけで、ずいぶんこれ見よがしに感じるなー。出たときは全然自然に思えたんですけど。

ほった:この頃はキャラクターライン全盛期で、どのメーカーもこんな感じでしたからねぇ。

明照寺:いま旧型Aクラスのサイドを見ると、何の脈絡もない感じがするんですよ。どのラインも起点と終点にあまり説得力が感じられない。この頃のメルセデスはみんなこんな感じでした。CLSだって、前型はまさしくこんな感じで。

永福:あの頃はこれがトレンドだったんですね。

明照寺:それに比べると新型Aクラスは、逆スラント的なグリルから始まった形がズバーンとそのまま後ろに流れてて、ボディーサイドもその流れに沿った感じがするわけです。

明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

さまざまな自動車のデザインにおいて辣腕を振るう、現役のカーデザイナー。理想のデザインのクルマは「ポルシェ911(901型)」。

永福ランプ(えいふく らんぷ)
大乗フェラーリ教の教祖にして、今日の自動車デザインに心を痛める憂国の士。その美を最も愛するクルマは「フェラーリ328」。

webCGほった(うぇぶしーじー ほった)
当連載の茶々入れ&編集担当。デザインに関してはとんと疎いが、とりあえず憧れのクルマは「シェルビー・コブラ デイトナクーペ」。

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