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第562回:ホンダアクセスのクルマづくりを体感!
ステップワゴン モデューロXで雪道を走る

2019.03.16 エディターから一言 スーザン史子
従来のガソリンモデルに加え、新たにハイブリッドモデルにも「モデューロX」が設定されたのを機に、北海道での雪上試乗会が行われた。
従来のガソリンモデルに加え、新たにハイブリッドモデルにも「モデューロX」が設定されたのを機に、北海道での雪上試乗会が行われた。拡大

マイナーチェンジを受けた「ホンダ・ステップワゴン モデューロX」に試乗。ホンダアクセスが同社のノウハウを結集して世に送り出すコンプリートカー、その走りに込められた思いとは? 北海道・旭川で行われた雪上試乗会の様子をリポート。

「モデューロX」シリーズの立ち上げから関わってきた、ホンダアクセス開発部 主任研究員の福田正剛さん。
「モデューロX」シリーズの立ち上げから関わってきた、ホンダアクセス開発部 主任研究員の福田正剛さん。拡大
インテリアには、専用の本革巻きステアリングホイールや専用のインテリアパネルミドルパッドを採用し、スポーティーかつ上質な空間を演出。
インテリアには、専用の本革巻きステアリングホイールや専用のインテリアパネルミドルパッドを採用し、スポーティーかつ上質な空間を演出。拡大
足元には「モデューロ」のロゴがあしらわれたオリジナルのホイールキャップが備わる。
足元には「モデューロ」のロゴがあしらわれたオリジナルのホイールキャップが備わる。拡大

モデューロXの走りとは?

「モデューロXってサーキットをバリバリ攻めるために、足を硬くしてスポーティーに仕上げたコンプリートカーなんですよね?」

北海道・旭川で開催された雪上試乗会。モデューロ・モデルの開発統括を務める福田正剛さんに、こんな質問を投げかけると、

「そう思っている方も多いんですが、実は違うんですよ」とひと言。そして、次のように説明してくれました。

「モデューロの走りは、クルマをコントロールしやすくすることで、誰もが日常のさまざまな走行シーンで、より快適な走りを楽しめることを目的としているんです。一般道や高速道路、もちろん雪道でも快適に走れるようにつくっているんですよ」。

なんと、日常での快適さ重視だったとは!

さらに、コンプリートカーとなるモデューロXでは、パーツ単体だけでは実現することのできないレベルで、車両一台をトータルでセッティング。操縦性やデザイン、乗り味にまで上質さを追求しているとのこと。

つまり、戦闘力を高めるというよりは、むしろ上質さを追求したカスタマイズであるということなのです。

歴史をひもといてみると、ホンダの純正用品を手がけるホンダアクセスが、オリジナルのアルミホイールブランドとして「モデューロ」の名称を初めて採用したのは1994年。エアロパーツやスポーツサスペンションなど、ドレスアップ中心の開発を続けるなかで、パーツ開発で培った技術を結集させ、純正コンプリートカーとしてまとめ上げたのがモデューロXでした。

そして、その第1弾となる「N-BOX」が登場したのが2013年。それから「N-ONE」、「ステップワゴン」(ガソリン仕様)、「フリード」、そして「S660」と新型が世に送り出され、2018年12月には、最新モデルである「ステップワゴン」のマイナーチェンジモデルが発表されることになったのです。

そこで、最新のステップワゴン モデューロXを北海道の雪上で走らせてみることにしました。

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雪上でのモデューロX体験

試乗したのは、マイナーチェンジ後の車両をベースに開発された「ステップワゴン モデューロX」。土屋圭市氏が開発アドバイザーを務め、約3年かけて開発したという渾身(こんしん)のモデルです。

取材日の天候は雪。通常、雪道を走行する際には、肩や腕につい力が入ってしまいがちですが、凍結路面に新雪が積もったところやシャーベット路面においても、まるでドライ路面を走っているかのように、ストレスフリーです。日陰のカーブでは、さすがに少し外側にはらんでしまうシーンもあったものの、ヨコハマの最新スタッドレスタイヤ「アイスガード6」との相性もあってか、スピードを加減しながら進むことで、不安なく走ることができました。

ひと言でいうなら、体幹の鍛えられた走り。人間なら体脂肪6%、腹筋ワレワレ。ムダな動きがなく、キビキビとした足さばきで力強く走ってくれたのが印象的でした。

この頼もしさを実現するための手法を、福田さんはこう解説します。

「ボディーをマッスルにするのではなく、軸をしっかりさせる方向ですね。ジオメトリーや足まわりも関係しますが、空力も大事で、これが冗談でなく効くんですよ」

ボディーの軸をしっかりさせるためには、デザインも含めて、風を整えることも大切なのですね。

比較用に、「ステップワゴン スパーダ ハイブリッド」の標準車が用意された(写真左)。
比較用に、「ステップワゴン スパーダ ハイブリッド」の標準車が用意された(写真左)。拡大
新雪の上も、不安なく運転することができた。
新雪の上も、不安なく運転することができた。拡大
コーナーでの走りにも安定感が感じられた。
コーナーでの走りにも安定感が感じられた。拡大

ホンダアクセスのクルマづくり

ホンダ車のカタログモデル(標準車)をベースに、サスペンションやエアロパーツを使って、数値には表れない部分での神セッティングを施す。ホンダアクセスって、いったいどんな会社なんでしょう。

そもそも、標準車というのは、運転に不慣れな初心者から熟達者までユーザーの幅が広く、いわゆる万人向けのつくりになっています。多少腕に覚えのあるドライバーなら、もの足りない部分も当然でてくる。そこで、走りの良さにフォーカスして、標準車の潜在能力を引き出し、独自のアプローチをしているのがホンダアクセスです。

例えば、ステップワゴン モデューロXで採用された技のひとつとして、標準車に装着された「パフォーマンスダンパー」をあえて取り除くというものがあります。このパーツはもともとボディーのゆがみや微振動を減衰するという理由で採用されていますが、旋回しながらジャンプするようなシーンで不安定になるという理由から、モデューロXには採用されていません。求めるパフォーマンスに対して、不必要なものは取ってしまう。それだけ、走りに対して真摯(しんし)に取り組んでいるというわけです。

ちょっと見方を変えると、標準車というボディーの中で、眠った状態にある筋肉をほぐし、血の巡りを良くし、体の可動域を広げる。神の手を持つスーパー整体師のような会社ってことでしょうか。そして、走りの目的に合わせたボディーメンテナンスを行ううえで、モデューロXという選択肢を用意している。そう考えると、意外と身近に感じられてきませんか?

ファミリー層に人気のステップワゴンなら、運転席だけでなく、2列目、3列目の乗り心地にも配慮したいところ。実際に、2列目シートに座ったところ、イヤな突き上げもなく乗り心地は良好。乗り物酔いしがちな子どもたちのために、少しでも快適なクルマを選びたい、という需要にも応えられそうです。

ツウ向けに仕上げられているとはいえ、正しく鍛え直されたクルマなら誰にとっても扱いやすいはず。モデューロXは、それなりに値段は張るけれど、走りにこだわりのある人はもちろん、日常の移動でストレスをなくしたい人にもおすすめしたいセッティングになっていました。

そこで、こんなキャッチコピーはいかがでしょう。

「運転が疲れるというアナタ。もしかしたらクルマが合っていないのかもしれませんよ。モデューロXならスポーツ走行から日常の走行シーンまでストレスフリー。運転後もスッキリです」

なんてね。

(文=スーザン史子/写真=荒川正幸)

「モデューロX」専用シートにはロゴがデザインされている。
「モデューロX」専用シートにはロゴがデザインされている。拡大
テスト車には、10インチプレミアムインターナビが装備されていた。
テスト車には、10インチプレミアムインターナビが装備されていた。拡大
筆者が2列目シートに座った様子。不快な微振動などもなく快適に過ごすことができた。
筆者が2列目シートに座った様子。不快な微振動などもなく快適に過ごすことができた。拡大
ホンダ・ステップワゴン ハイブリッド モデューロX
ホンダ・ステップワゴン ハイブリッド モデューロX拡大
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