第35回:シトロエンC3

2019.05.29 カーデザイナー明照寺彰の直言
シトロエンC3
シトロエンC3拡大

ユニークなデザインで注目を集め、デビューとともに一躍人気モデルとなった現行型「シトロエンC3」。いまやすっかりブランドの屋台骨となっている同車のデザインは、現役のカーデザイナー明照寺彰の目にどう映るのか?

「C3」はBセグメントに属するシトロエンのコンパクトモデル。3代目となる現行型は2016年のパリモーターショーで世界初公開され、日本へは2017年7月に導入された。
「C3」はBセグメントに属するシトロエンのコンパクトモデル。3代目となる現行型は2016年のパリモーターショーで世界初公開され、日本へは2017年7月に導入された。拡大
現行型「C3」のインストゥルメントパネルまわり。「iコックピット」を採用する同門のプジョーほど奇抜ではないが、細部までつくり込まれたデザインをしている。
現行型「C3」のインストゥルメントパネルまわり。「iコックピット」を採用する同門のプジョーほど奇抜ではないが、細部までつくり込まれたデザインをしている。拡大
現行型「C3」の特徴である上下2分割のヘッドランプ。上がデイライトとウインカー、下が前照灯となる。
現行型「C3」の特徴である上下2分割のヘッドランプ。上がデイライトとウインカー、下が前照灯となる。拡大
2010年に登場した日産のコンパクトクロスオーバー「ジューク」。“スポーツカーとSUVの合体”をうたうスタイリングはもちろん、ユニークなフロントマスクも話題を呼んだ。
2010年に登場した日産のコンパクトクロスオーバー「ジューク」。“スポーツカーとSUVの合体”をうたうスタイリングはもちろん、ユニークなフロントマスクも話題を呼んだ。拡大
「C4ピカソ」は2018年9月に「C4スペースツアラー」に名称が変更され、同時に日本では、ラインナップが3列7人乗りの「グランドC4スペースツアラー」(写真)のみに集約された。
「C4ピカソ」は2018年9月に「C4スペースツアラー」に名称が変更され、同時に日本では、ラインナップが3列7人乗りの「グランドC4スペースツアラー」(写真)のみに集約された。拡大

オリジナルは「ジューク」じゃないの?

永福ランプ(以下、永福):シトロエンC3が非常によく売れてますよね。私は長年のシトロエンファンですが、シトロエンがこんなに一般層に受け入れられたのは初めてなのでビックリしています。

ほった:主に誰が買ってるんでしょう?

永福:大ざっぱに言えば、やっぱり都市部のオシャレ層なんだろうけど、実際に耳に入ってくるのは、クルマにそれほどこだわりのない中高年女性が「これ、かわいい!」って言って買ってったっていう話なんだよね。その最大の要因は、デザインと価格だろうと思うんですが、明照寺さんはC3のデザインをどう見ていますか?

明照寺彰(以下、明照寺):まずは顔まわりの話からさせてもらいますけど、ヘッドライトの機能を2つに分けてますよね。上側の細長いほうはデイライトなんですが、このデイライトをメインっぽいデザインに仕立てて、本物のヘッドライトをその下側に、いかにも「サブですよ」といった雰囲気で持ってきてる。昔のフォグランプ風に。これにはデザイナーとして「あ、こういう手があったんだ!」とうならされました。

永福:それは同感ですが、これの元祖は「日産ジューク」じゃないですか?

明照寺:そうです。もともとはジュークが始めた手法ですよね。ただ、C3はBセグメントコンパクトっていう非常にポピュラーなモデルで、決してデビュー当時のジュークみたいに特殊な存在じゃない。そういうポジションのクルマに、こういう本流から外れた、どっちがヘッドライトなのかいまひとつわからないようなデザインを持ち込んだことがスゴいんです。

永福:そうかなぁ。私はこれを見た瞬間に、「うわ、あのシトロエンが日産をパクった!」って、非常に誇らしい気持ちになったんですけど(笑)。

ほった:誇らしいって(笑)。

明照寺:(笑)シトロエンがこれを最初にやったのは「C4ピカソ」ですけどね。

ほった:C4ピカソ、今は「C4スペースツアラー」って名前になってますね。

明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

さまざまな自動車のデザインにおいて辣腕を振るう、現役のカーデザイナー。理想のデザインのクルマは「ポルシェ911(901型)」。

永福ランプ(えいふく らんぷ)
大乗フェラーリ教の教祖にして、今日の自動車デザインに心を痛める憂国の士。その美を最も愛するクルマは「フェラーリ328」。

webCGほった(うぇぶしーじー ほった)
当連載の茶々入れ&編集担当。デザインに関してはとんと疎いが、とりあえず憧れのクルマは「シェルビー・コブラ デイトナクーペ」。

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