マツダ3は年明け納車のグレードも

最近のマツダ車は納期が長い。生産と納車を伴う「発売」の数カ月前から予約受注を開始するためだ。マツダ3も同様で、販売店での予約受注は2019年3月に始まっていた。この時点では新型の車名が「アクセラ」を踏襲するのか、マツダ3に変わるのかさえ、販売店には知らされていなかった。

1.5リッターのガソリンモデルと1.8リッターのクリーンディーゼルターボモデルは5月24日に発売されたが、2リッターのガソリンモデルは7月下旬に発売、自己着火型ガソリンエンジン「SKYACTIV(スカイアクティブ)X」搭載モデルに至っては予約受注の開始が7月下旬で発売は10月だ。

販売店では「クルマを見たこともない段階で受注を開始した。スカイアクティブXは、5月の正式発表時点でも動力性能や燃費の数値が分かっていない。それでも購入を希望されるお客さまが多く、納車が来年以降になる可能性もある」と指摘する。

逆に1.5リッターのガソリンとクリーンディーゼルターボの納期は短く「2カ月程度に収まる」という。「2リッターのガソリンも発売が7月で、納期は9月頃の見込み」だというから、マツダ3という“車種自体”よりも、スカイアクティブXへの注目度が高いようだ。

マツダ3のように受注の開始時期を早め、しかも生産の立ち上がりがグレードごとにバラバラなのは、メーカーの生産効率を最優先しているからだ。早々に受注を開始すれば、人気の仕様などが早い段階で分かるから生産計画を立てやすい。受注をためておけば、生産開始後の納車も迅速に行える。その代わりに顧客が待たされてしまう。

顧客にとっては、いつ発売されたのか、すでに売っているのかも分からないので状況を把握できないという側面もある。『webCG』のサイト内で検索すると、マツダ3について10本以上の記事が出てくる。2019年1月の東京オートサロンへの出品からプロトタイプの試乗記までさまざまだから、これらを読めば、読者諸兄は即座に買えるクルマだと思うかもしれない。ところが実際には、メーカーが行った報道向けのイベントから購入可能な状態になるまで、3~10カ月も要するのだ。これではメーカーの信頼性も下がり、市場戦略として好ましくない。

販売店からも「われわれが試乗したことのない新型車を売るのは心苦しい。お客さまに自信を持って説明できず、通常のセールス活動を行えない。商談は試乗車が整ってから始めたい」という声が聞かれる。高額商品を販売する上で最低限度の条件が満たされていない。

自己着火型ガソリンエンジン「スカイアクティブX」搭載グレードの発売は2019年10月の予定。現時点で最高出力や最大トルク、モード燃費などの数値は明かされていない。
自己着火型ガソリンエンジン「スカイアクティブX」搭載グレードの発売は2019年10月の予定。現時点で最高出力や最大トルク、モード燃費などの数値は明かされていない。拡大
あなたにおすすめの記事
新着記事