【F1 2019 続報】第9戦オーストリアGP「最年少1-2の意味」

2019.07.01 自動車ニュース
F1第9戦オーストリアGPを制したレッドブルのマックス・フェルスタッペン(写真右から2番目)、2位に入ったフェラーリのシャルル・ルクレール(同左端)、3位でレースを終えたメルセデスのバルテリ・ボッタス(同右端)。優勝したチームを代表して、田辺豊治ホンダF1テクニカルディレクター(同右から3番目)も表彰台にのぼった。(Photo=Red Bull Racing)
F1第9戦オーストリアGPを制したレッドブルのマックス・フェルスタッペン(写真右から2番目)、2位に入ったフェラーリのシャルル・ルクレール(同左端)、3位でレースを終えたメルセデスのバルテリ・ボッタス(同右端)。優勝したチームを代表して、田辺豊治ホンダF1テクニカルディレクター(同右から3番目)も表彰台にのぼった。(Photo=Red Bull Racing)拡大

2019年6月30日、オーストリアのレッドブル・リンク(4.318km)で行われたF1世界選手権第9戦オーストリアGP。メルセデス全勝、ルイス・ハミルトン4連勝で迎えた9戦目、ようやく他のドライバーたちにも出番が回ってきた。

昨年、チームの地元オーストリアで予選4位から優勝したフェルスタッペン(写真前)が今年も奮闘。予選ではフェラーリ、メルセデスに次ぐ3番手タイムを記録し、さらにルイス・ハミルトンの降格ペナルティーにより、ポールシッターのルクレールに次ぐ2番グリッドを獲得。ホンダとしては、2006年サンマリノGP以来となる13年ぶりのフロントローとなった。しかしスタートで大失敗、アンチストールが機能して一気に7位まで後退。これで2連覇もないかと思われたが、その後怒涛の追い上げでゴール目前にトップ奪取に成功、2年連続で劇的優勝を遂げた。表彰台では、胸のホンダのロゴを指し、パワーユニットメーカーに敬意を表していた。(Photo=Red Bull Racing)
昨年、チームの地元オーストリアで予選4位から優勝したフェルスタッペン(写真前)が今年も奮闘。予選ではフェラーリ、メルセデスに次ぐ3番手タイムを記録し、さらにルイス・ハミルトンの降格ペナルティーにより、ポールシッターのルクレールに次ぐ2番グリッドを獲得。ホンダとしては、2006年サンマリノGP以来となる13年ぶりのフロントローとなった。しかしスタートで大失敗、アンチストールが機能して一気に7位まで後退。これで2連覇もないかと思われたが、その後怒涛の追い上げでゴール目前にトップ奪取に成功、2年連続で劇的優勝を遂げた。表彰台では、胸のホンダのロゴを指し、パワーユニットメーカーに敬意を表していた。(Photo=Red Bull Racing)拡大
ホンダにとっては、2006年ハンガリーGP以来となる久々の優勝。エンジンサプライヤーとしては通算73勝目となる。2015年のF1復帰から、マクラーレンとの苦しい3年間、そしてその後のトロロッソ、レッドブルとのパートナーシップと激動の道を歩んできただけに、関係者やファンの喜びもひとしお。山本雅史ホンダF1マネージングディレクター(写真左)も抱擁で喜びを分かち合った。(Photo=Red Bull Racing)
ホンダにとっては、2006年ハンガリーGP以来となる久々の優勝。エンジンサプライヤーとしては通算73勝目となる。2015年のF1復帰から、マクラーレンとの苦しい3年間、そしてその後のトロロッソ、レッドブルとのパートナーシップと激動の道を歩んできただけに、関係者やファンの喜びもひとしお。山本雅史ホンダF1マネージングディレクター(写真左)も抱擁で喜びを分かち合った。(Photo=Red Bull Racing)拡大

今シーズンは終わったのか?

ルイス・ハミルトンが前戦フランスGPで圧勝し8戦6勝、チャンピオンシップでは36点リードと独走。おまけにメルセデスは今季これまで全勝。全21戦のシーズンはまだ折り返し前というところなのに、2019年のタイトル争いの先行きが心配される事態に陥っている。上昇気流に乗ったハイブリッド時代の雄を前に、一矢を報いるドライバー、チームの登場が切望されていた。

活躍が期待される筆頭は、メルセデスのもう1台をドライブするバルテリ・ボッタス。第4戦アゼルバイジャンGPまではハミルトンと2勝を分け合い、ポイントランキングでもチームメイトを1点上回る僅差の戦いを繰り広げていた。しかしその後の4戦でハミルトンに怒涛(どとう)の4連勝を許し、あっという間に36点も引き離されてしまった。2014年にカレンダーに復活したレッドブル・リンクでのオーストリアGPで、ボッタスは2017年に勝利を収めており、また過去5年で最も多いリードラップを記録している。得意のコースでまた一皮むけた“ボッタス2.0”の誕生こそ、終わってしまいそうな2019年シーズンに必要な特効薬となるはずだった。

まだか、まだかと待ち焦がれて9レース目、フェラーリの今季初優勝にも望みを託したいところだった。フランスGPでのマシンアップデートもパフォーマンス向上にはつながらず、シャルル・ルクレール3位、セバスチャン・ベッテルは5位だった。タイヤの使い方に難儀しているスクーデリアだが、バーレーンGPカナダGPなど、局所的に速くなることもある。パワーユニットの全開率が高いレッドブル・リンクで、強心臓の跳ね馬が疾風怒濤(どとう)のごとく駆け抜ければ、冷めかけたチャンピオンシップに熱が入るだろう、そう思われた。

もちろん、昨年チームの地元オーストリアで劇的優勝を遂げたレッドブルのマックス・フェルスタッペンの2連覇となれば、母国オランダの熱狂的なファンならずともその勝利に沸き立つことは間違いなかった。

2019年シーズンも、またメルセデスの独走が6年も続いたF1自体も、もうそろそろ「終わり」なんじゃないか ── そんな言葉が口を突くような状況に、オーストリアGPは鮮烈な衝撃を与えた。

パワーユニット全開率65%といわれるレッドブル・リンクに、強心臓のフェラーリがジャストフィット。中でもけん引役を務めたのがルクレール(写真)だった。もともとレッドブル・リンクを得意としており、2016年にジュニアカテゴリーのGP3で予選1位、翌年のF2レースでも同1位という戦績を残していた21歳のモナコ人ドライバーは、2回のフリー走行でトップ、予選でも自身2度目のポールポジション奪取に成功。レースではスタートからトップを守り、あと一歩のところで初優勝に手が届きそうだったが、フェルスタッペンの奇襲にあい、惜しくも2位。フェラーリは、2003年ミハエル・シューマッハー以来となるオーストリアでの勝利を逃した。(Photo=Ferrari)
パワーユニット全開率65%といわれるレッドブル・リンクに、強心臓のフェラーリがジャストフィット。中でもけん引役を務めたのがルクレール(写真)だった。もともとレッドブル・リンクを得意としており、2016年にジュニアカテゴリーのGP3で予選1位、翌年のF2レースでも同1位という戦績を残していた21歳のモナコ人ドライバーは、2回のフリー走行でトップ、予選でも自身2度目のポールポジション奪取に成功。レースではスタートからトップを守り、あと一歩のところで初優勝に手が届きそうだったが、フェルスタッペンの奇襲にあい、惜しくも2位。フェラーリは、2003年ミハエル・シューマッハー以来となるオーストリアでの勝利を逃した。(Photo=Ferrari)拡大
シーズン序盤はハミルトンと好勝負を繰り広げていたボッタス(写真)。しかしフランスGPまでチームメイトに4連勝を許し、ポイントでも36点差をつけられていた。得意のオーストリアで奮起が期待されたが、予選ではアタック中に前を走るルクレールとの間隔を詰め過ぎてしまい4番手タイム。ハミルトンの降格で3番グリッドからスタートしたレースでは、出遅れたフェルスタッペンのおかげで2位を走るも、その後フェルスタッペンの猛追に屈して3位フィニッシュ。「エンジンのオーバーヒートなどに対応する必要があった」とレース後に語っていた。ハミルトンが5位で終わったことで、ポイント差は31点にまで縮まった。(Photo=Mercedes)
シーズン序盤はハミルトンと好勝負を繰り広げていたボッタス(写真)。しかしフランスGPまでチームメイトに4連勝を許し、ポイントでも36点差をつけられていた。得意のオーストリアで奮起が期待されたが、予選ではアタック中に前を走るルクレールとの間隔を詰め過ぎてしまい4番手タイム。ハミルトンの降格で3番グリッドからスタートしたレースでは、出遅れたフェルスタッペンのおかげで2位を走るも、その後フェルスタッペンの猛追に屈して3位フィニッシュ。「エンジンのオーバーヒートなどに対応する必要があった」とレース後に語っていた。ハミルトンが5位で終わったことで、ポイント差は31点にまで縮まった。(Photo=Mercedes)拡大

ルクレールがキャリア2度目のポール、トップ3に3強が並ぶ混戦

丘の斜面にへばりつくように造られた1周4.3kmしかない短いサーキットに、GP最少の10のコーナーが配置されたレッドブル・リンク。ここで好発進を決めたのは、直線スピードにたけたフェラーリを駆るルクレールだった。フリー走行2回目、3回目を最速で終えると、予選でもそのハイペースを維持。トップ10グリッドを決めるQ3になると、2度のアタックの両方でトップタイムを記録し、バーレーンGPに次ぐ自身2度目のポールポジションを獲得した。

今回は各所でペナルティーによる降格が発生し、グリッド順も上下動が激しかった。0.259秒差で予選2位だったハミルトンは、Q1でキミ・ライコネンをブロックしたとして3グリッド降格。加えて、予選5番手のケビン・マグヌッセンもギアボックス交換で5つダウン。結果ハミルトンは4番グリッド、マグヌッセンは10番グリッドからスタートすることとなった。

ルクレールと並んでフロントローにつけたのは、3番手タイムを記録したフェルスタッペンで、レッドブルは地元2連覇が狙える好位置に。また4番手タイムと振るわなかったボッタスは3番グリッドに繰り上がり、トップ3に3強のマシンが並ぶ色鮮やかなグリッドとなった。

フランスに続き上り調子のマクラーレンは、ランド・ノリスが5番グリッド。キミ・ライコネン6番グリッド、アントニオ・ジョビナッツィ7番グリッドとアルファ・ロメオが並び、レッドブルのピエール・ガスリーは8番グリッドと後方に沈んだ。オーストリアで覚醒したフェラーリだったが、ベッテルのマシンにはQ2セッション後にトラブルが発生、Q3に出走できずノータイムで9番グリッドとなった。

チームメイトが好調に週末を過ごす一方、セバスチャン・ベッテル(写真)のオーストリアGPは対照的に苦しい戦いとなった。フリー走行2回目で大きなスピン。予選になると、エンジンのニュー マチックバルブに異常が発生しQ3出走ならず、9番グリッドと2戦連続で後方からの追い上げを余儀なくされた。オープニングラップで6位、その後3位まで駒を進めるも、フェルスタッペンの突き上げに屈し4位に後退。直後にピットに入りソフトタイヤに履き替え5位、残り2周でハミルトンを抜き4位フィニッシュとなった。(Photo=Ferrari)
チームメイトが好調に週末を過ごす一方、セバスチャン・ベッテル(写真)のオーストリアGPは対照的に苦しい戦いとなった。フリー走行2回目で大きなスピン。予選になると、エンジンのニュー マチックバルブに異常が発生しQ3出走ならず、9番グリッドと2戦連続で後方からの追い上げを余儀なくされた。オープニングラップで6位、その後3位まで駒を進めるも、フェルスタッペンの突き上げに屈し4位に後退。直後にピットに入りソフトタイヤに履き替え5位、残り2周でハミルトンを抜き4位フィニッシュとなった。(Photo=Ferrari)拡大
メルセデス陣営にとって、昨年2台そろってのリタイアを記録したオーストリアは鬼門となりつつあるのか。ストレートスピードを武器とするフェラーリにポールを奪われると、2番手タイムだったハミルトン(写真)は、Q1セッションでキミ・ライコネンをブロックしたとしてグリッド降格ペナルティーが科され、4番グリッド。スタートでフェルスタッペンが出遅れたことで3位となったが、その後は精彩を欠き、縁石に乗り上げてフロントウイングを壊すなどし、5位だった。(Photo=Mercedes)
メルセデス陣営にとって、昨年2台そろってのリタイアを記録したオーストリアは鬼門となりつつあるのか。ストレートスピードを武器とするフェラーリにポールを奪われると、2番手タイムだったハミルトン(写真)は、Q1セッションでキミ・ライコネンをブロックしたとしてグリッド降格ペナルティーが科され、4番グリッド。スタートでフェルスタッペンが出遅れたことで3位となったが、その後は精彩を欠き、縁石に乗り上げてフロントウイングを壊すなどし、5位だった。(Photo=Mercedes)拡大

トップを守ったルクレール、フェルスタッペン大きく後退

1週間前のフランス同様、オーストリアでも暑い日が続き、決勝日も気温33度、路面温度は51度に達した。タイヤマネジメントが大きな課題となる中、ポールシッターのルクレールは、速いがライフも短いソフト、続くフェルスタッペン、ボッタス、ハミルトンは長持ちするミディアムと、タイヤ選択が分かれた。

71周レースのスタート、今年亡くなったオーストリア人の元王者、ニキ・ラウダの名前を冠したターン1に真っ先に飛び込んだのはルクレール。フェルスタッペンはアンチストールが機能してすこぶる出だしが鈍く、瞬く間に7位に後退してしまった。フェルスタッペンの抜けた穴を埋めるように、2位ボッタス、3位ハミルトン、4位ライコネン、5位ノリス、6位ベッテルが続いた。

ベッテルが早々に5位、4位と上げる一方、出遅れたフェルスタッペンも10周して5位まで挽回。しかしこの時点で、まさかレッドブルが優勝争いまで順位を回復するなどとは誰も思っていなかったはずである。

先頭のルクレールは、ソフトタイヤを労わりながらも20周して4.5秒のリードタイムを築いていた。そんな折、22周目にメルセデスがまず動き、ボッタスがピットイン。後ろを走っていたベッテルも同時にピットに入りタイヤをハードに替えたのだが、フェラーリのピットは準備が整っておらず、無駄な時間がかかってしまった。

23周目に1位ルクレールもハードに換装。ハミルトンとフェルスタッペンはミディアムのまま走行を続けるも、暫定首位のハミルトンは「フロントウイングにダメージを負った」とチームに無線で通達。30周してピットに飛び込むと、タイヤとウイングを交換するため長めのストップを敢行した。この日のハミルトンは精彩を欠き、その後もペースは伸びず。残り2周でベッテルに抜かれ5位でレースを終えることとなった。

好調マクラーレンの若きホープ、ランド・ノリス(写真)が2戦連続で5番グリッドからスタートすることに。オープニングラップで5位をキープするも、後続のベッテルにはかわされてしまい6位でゴール。2戦連続、4度目のポイントを獲得した。マクラーレンは、ルノーのパワーユニット交換によるペナルティーで最後尾から出走したカルロス・サインツJr.も8位入賞。コンストラクターズランキングではルノーを20点も引き離し、52点で4位につけている。(Photo=McLaren)
好調マクラーレンの若きホープ、ランド・ノリス(写真)が2戦連続で5番グリッドからスタートすることに。オープニングラップで5位をキープするも、後続のベッテルにはかわされてしまい6位でゴール。2戦連続、4度目のポイントを獲得した。マクラーレンは、ルノーのパワーユニット交換によるペナルティーで最後尾から出走したカルロス・サインツJr.も8位入賞。コンストラクターズランキングではルノーを20点も引き離し、52点で4位につけている。(Photo=McLaren)拡大
今年からザウバー改め「アルファ・ロメオ」となったスイス系チームは、過去8戦で19点を獲得。コンストラクターズランキング6位のレーシングポイントから9位のハースまでたった3点しかない中団チーム勢の中で7位につけていた。オーストリアGPでは、今季2回目となる2台そろってのQ3進出を果たし、リードドライバーのライコネン(写真)6番グリッド、まだポイントがないアントニオ・ジョビナッツィ7番グリッドと好位置を獲得。レースでもライコネン9位、ジョビナッツィ10位とダブルでポイントを集め、22点でコンストラクターズランキング6位に上昇した。(Photo=Alfa Romeo)
今年からザウバー改め「アルファ・ロメオ」となったスイス系チームは、過去8戦で19点を獲得。コンストラクターズランキング6位のレーシングポイントから9位のハースまでたった3点しかない中団チーム勢の中で7位につけていた。オーストリアGPでは、今季2回目となる2台そろってのQ3進出を果たし、リードドライバーのライコネン(写真)6番グリッド、まだポイントがないアントニオ・ジョビナッツィ7番グリッドと好位置を獲得。レースでもライコネン9位、ジョビナッツィ10位とダブルでポイントを集め、22点でコンストラクターズランキング6位に上昇した。(Photo=Alfa Romeo)拡大
トロロッソはオーストリアで厳しい戦いを強いられた。アレクサンダー・アルボン(写真)は、ホンダの新しいパワーユニットに交換したことで18番グリッドからスタート。チームメイトのダニール・クビアトも16番グリッドと後方からの出走となった。レースでも入賞圏が遠く、アルボン15位、クビアトは17位だった。(Photo=Toro Rosso)
トロロッソはオーストリアで厳しい戦いを強いられた。アレクサンダー・アルボン(写真)は、ホンダの新しいパワーユニットに交換したことで18番グリッドからスタート。チームメイトのダニール・クビアトも16番グリッドと後方からの出走となった。レースでも入賞圏が遠く、アルボン15位、クビアトは17位だった。(Photo=Toro Rosso)拡大

フェルスタッペン、怒涛の追い上げで劇的優勝

32周目にフェルスタッペンがハードタイヤを装着し、トップランナーたちはタイヤ交換を完了。1位ルクレール、4.1秒差で2位ボッタス、その5.2秒後方に3位に上がったベッテル、3.5秒の間隔で4位フェルスタッペンという順位となった。

一番タイヤがフレッシュな4位フェルスタッペンが、ここから怒涛の追い上げを見せることになる。まずは3位ベッテルとの差をジワジワと縮め、47周目には1秒を切った。フェラーリのテールとレッドブルのノーズが近づき、フェルスタッペンが度々ストレートエンドで隙を突こうとするが、ベッテルもディフェンシブなラインで対抗。表彰台をかけたこの争いは、50周目にフェルスタッペンがオーバーテイクを成功させたことで決着した。

大観衆からの喝采を浴びるフェルスタッペンの、次なる獲物は2位ボッタス。1秒以上あった間隔は見る見る縮まり、56周目、レッドブルは鮮やかにメルセデスをぶち抜いたのだった。

ようやくスターティンググリッドと同じ2位に戻ったフェルスタッペンは、いよいよ5秒前方の1位ルクレールに照準を合わせた。レッドブル陣営は、ホンダのエンジンモードを変更し、パフォーマンスアップを指示。フェルスタッペンはファステストラップを更新しながら、ギャップを少しずつ、しかし確実に削っていった。

残り10周で3.2秒あった差は、6周を残した時点でいよいよ1秒以下に。残り4周、ターン3で勝負を仕掛けたフェルスタッペンにルクレールも応戦、フェラーリが辛くもポジションを守った。翌周の同じ場所、再び牙をむいたフェルスタッペンは、ルクレールのインにズバッと飛び込んだ。2台のタイヤは接触、アウト側のフェラーリはコース外に軽くはじき出され、勝負は決着。フェルスタッペンがついにトップを奪った。

2位に落ちたルクレールに余力は残っておらず、最終的に2.7秒のリードでフェルスタッペンがオーストリアGP2連覇を達成。メルセデスの、そしてハミルトンの連勝を止めたのは、次世代チャンピオン候補ナンバーワンのオランダ人ドライバーだった。

第2戦バーレーンGP同様、あと少しで初優勝を逃したルクレールは、フェルスタッペンの抜き方に納得がいかず、2位で表彰台に上がるも笑顔はなし。実はレース後、レーススチュワードはこのインシデントを審議しており、場合によっては、第7戦カナダGPのようにペナルティーで勝者が決まるという、あの後味の悪い結末の可能性もあったのだが、今回はそうはならなかった。

ともに21歳のフェルスタッペンとルクレールは、フロントローに並び、また1-2でレースを終えた最年少ペアとして記録されることとなった。このレースで3位に終わった29歳のボッタスとも、また34歳のハミルトン、間もなく32歳になるベッテルとも違う、若い世代の台頭が意味するものは何か?

今シーズンも、F1そのものも、まだまだ終わりなんかじゃない、ということだ。

次戦イギリスGP決勝は、7月14日に行われる。

(文=bg) 

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