日産GT-R 50th Anniversary(4WD/6AT)
ありがたき存在 2019.08.29 試乗記 日本を代表するハイパフォーマンスカー「日産GT-R」が2020年モデルに進化。2007年のデビュー以来、間断なく続けられてきた改良は、このクルマにどのような価値をもたらしたのか? “GT-R”の誕生50周年を祝う記念モデルの試乗を通して確かめた。今や“歴史”を語れるクルマに
2007年にデビューした日産GT-Rに初めて乗ったのは、大磯プリンスホテルを起点に行われた試乗会だった。西湘バイパスで、路面のつなぎ目を乗り越えるたびにビシビシ襲ってくる突き上げに耐えていたことをはっきりと覚えている。一方箱根ターンパイクでは、正確なハンドリングや無敵のブレーキ性能、巌(いわお)のような安定感に舌を巻いた。
この時、とてつもないクルマであることは理解できたけれど、好きにはなれなかった。それは、飛ばさないと楽しくないと感じたからだ。タイムを競うわけではないので、速いクルマよりも青山通りを30km/hで流すだけでも楽しいクルマに乗りたい。この思いは12年間、ずっと変わらなかったけれど、2020年モデルに乗ったら印象は一変した。GT-Rを好きになるなんて、自分が一番びっくりしている。
試乗したのは日産GT-R 50th Anniversary。そう、1969年に「スカイライン2000GT-R」(PGC10型)が発表されてから、今年で50周年なのだ。試乗車のボディーカラーは「ワンガンブルー」という新色で、2002年まで生産されたR34型の「スカイラインGT-R」に似た色があったことを思い出す。GT-Rというモデルは確実に歴史を重ねており、それをアセットとして活用できるようになったのだ。
歴史といえば、2007年に登場したR35型のGT-Rにも12年の歴史がある。2014年には「GT-R NISMO」が加わり、また複数回にわたり、内外装のデザインをはじめ、エンジン、足まわりに至るまで大がかりな変更を受けた。今回試乗した50th Anniversaryは最新の2020年モデルをベースに仕立てられており、2020年3月末までの期間限定モデルとなる。「ミディアムグレー」の内装は専用のもので、メーターパネル、サイドシルのキックプレート、センターコンソールなどに、「50th」あるいは「50th Anniversary」の文字が輝く。
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