第592回:旅に出たくなるのがスバル
歴代「レガシィ」でグランドツーリングを体感(後編)

2019.10.04 エディターから一言
“スバルGTエクスペリエンス”の参加車両。歴代「レガシィ」と最新の「レヴォーグ」を乗り換えながら、東京・恵比寿のスバル本社~長野・阿智村の約700kmを往復した。
“スバルGTエクスペリエンス”の参加車両。歴代「レガシィ」と最新の「レヴォーグ」を乗り換えながら、東京・恵比寿のスバル本社~長野・阿智村の約700kmを往復した。拡大

平成とともに誕生し、世代を重ねてきた「レガシィ」。その進化の過程で培ったグランドツアラーという資質を受け継ぐ「レヴォーグ」。長野まで両モデルを走らせ、初代レガシィと最新レヴォーグの間に過ぎた歳月をあらためて考えてみた。

当時“スバル4WD車発売20周年記念モデル”として発売された特別仕様車「レガシィ ツーリングワゴンGTタイプS2」。15インチのBBSホイールやMOMOステアリングホイール、KENWOODオーディオなどを専用装備として採用。試乗車は、これらが当時のまま完璧にそろった個体だった。
当時“スバル4WD車発売20周年記念モデル”として発売された特別仕様車「レガシィ ツーリングワゴンGTタイプS2」。15インチのBBSホイールやMOMOステアリングホイール、KENWOODオーディオなどを専用装備として採用。試乗車は、これらが当時のまま完璧にそろった個体だった。拡大
初代「レガシィ」のインテリア。最新モデルにまで続く良好な視界は、スバルの伝統ともいえるもの。シートやドアトリムには、東レのスエード調人工皮革「エクセーヌ」が用いられていた。
初代「レガシィ」のインテリア。最新モデルにまで続く良好な視界は、スバルの伝統ともいえるもの。シートやドアトリムには、東レのスエード調人工皮革「エクセーヌ」が用いられていた。拡大
「GTタイプS2」は、最高出力220PSの2リッター水平対向4気筒ターボエンジンを搭載。ボディーカラーは試乗車のライトシルバーメタリックのほか、ダークレッドマイカ、ダークグリーンマイカ、ブラックマイカの計4色をラインナップしていた。
「GTタイプS2」は、最高出力220PSの2リッター水平対向4気筒ターボエンジンを搭載。ボディーカラーは試乗車のライトシルバーメタリックのほか、ダークレッドマイカ、ダークグリーンマイカ、ブラックマイカの計4色をラインナップしていた。拡大
1990年のWRC第10戦、ラリーサンレモ(イタリア)に参戦した「レガシィRS」。STIが現在も採用しているチェリーレッドのカラーリングをまとっていた。
1990年のWRC第10戦、ラリーサンレモ(イタリア)に参戦した「レガシィRS」。STIが現在も採用しているチェリーレッドのカラーリングをまとっていた。拡大

26年前のGTタイプS2

東京から“日本一の星空の村”として知られる長野県阿智村までのグランドツーリングで初日に乗ったレガシィの「ツーリングワゴンGTタイプS2」は、BBS製アルミホイールや専用サスペンションなどを備えたグレード。1992年に追加発売されたモデルだというが(平成5年式という)、残念ながら詳しくは覚えていない。現代の基準からすればさすがにボディーはいささかゆるい感じがするが、200PSを生み出すはずの2リッターフラット4ターボは十分に実用的で高速道路でも山道でもまったく不満を感じなかった。

ご存じのように、スバルはレガシィ発売の翌年1990年からレガシィをベースにしたグループAラリーカーでWRC(世界ラリー選手権)に本格参戦を始め、93年のニュージーランドで初優勝を遂げる。ちょうどその頃は自動車雑誌『カーグラフィック』のラリー担当として、年間数戦は現地で取材していたので、STI初代社長の久世さんや3代目レガシィの主管を務め、その後やはりSTI社長になった桂田さんには大変お世話になった記憶がある。

桂田さんは欧州ラウンドに出張する際は、いつもライバルメーカーのクルマに乗っており、ラリーのことだけでなく「ウチのと比べるとあそこが優れている」などとクルマ全般について率直な意見を語ってくれたものだ。

前述したようにレガシィは最初から海外志向というか、世界で評価されることを目指していたが、世界に追いつけ追い越せという当時のムードは、そんな挑戦的な先人たちの熱意が作り出したものだったように思う。

あの当時は後にワールドチャンピオンとなるコリン・マクレーもリチャード・バーンズもまだ若手で、プロドライブの本拠地(英国)を取材した時にはリチャードが専属運転手としてわれわれの取材に付き合ってくれた。スバルのマニュファクチュアラーズタイトル3連覇に貢献したそのふたりとも、30代の若さであっけなく亡くなってしまった。

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