フェラーリ初のPHEV「SF90ストラダーレ」が日本デビュー システム合計出力1000PSのハイブリッドパワートレインを搭載
2019.10.09 自動車ニュース![]() |
伊フェラーリは2019年10月9日、東京・江東区のテレコムセンターにおいて、同社初の市販PHEV「SF90ストラダーレ」を日本で初披露した。
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SF90ストラダーレは同年5月29日(現地時間)、イタリア・マラネッロにあるフェラーリの「フィオラーノ」テストコースの特設会場で世界初公開された新型車両。それからわずか4カ月余りのスピードで日本上陸を果たしたことになる。
今回の発表会では、フェラーリ極東・中東エリア統括CEOのディーター・クネヒネル氏が登壇。冒頭で「SF90ストラダーレとは、フェラーリのルーツであるSF=スクーデリア・フェラーリの設立90周年を祝う、ストラダーレ=公道仕様車という意味を持っています。同時にフェラーリが創業時から欠かさず参戦してきたF1や、そのF1を頂点とするモータースポーツのイメージ、そして用いられている技術的な源流がサーキットにあることも想起させるものです」と、車新型車両のネーミングに関する説明を行った。
フェラーリの創始者であるエンツォ・フェラーリは1929年に“スクーデリア・フェラーリ”というレーシングチームを立ち上げ、当初、アルファ・ロメオのレーシングマシンでレースに参戦していた。同チームが後にエンジンやシャシー、ボディー開発はもちろんこと、チーム運営などもすべて自前で行うレーシングコンストラクターとなり、そして市販スポーツカーメーカーに成長していったという歴史はあまりにも有名だ。
「SF90ストラダーレをひとことで表現するなら、F1技術による史上最も革新的なフェラーリであるといえます。パフォーマンス主義であり、美を愛し、何よりも最高を求める生粋のフェラリスタのために開発しました」と、クネヒネル氏は車両の開発コンセプトを語った。
リアミドのかなり低い位置に搭載される最高出力780PSの4リッターV8ツインターボエンジンは、3基のモーターと外部充電が可能なバッテリーが組み合わされ、ハイブリッドパワートレインを構成している。モーターは左右の前輪駆動用にそれぞれ独立して設置されるほか、エンジンと新開発の8段DCTの間にも配置される。モーターの出力は220PSとなる。
パワートレインのシステム合計出力は1000PSとなり、最高速度は340km/h、0-100km/h加速は2.5秒、0-200km/h加速は6.7秒、100km/hからの完全停止距離は29.5mというパフォーマンスが発表されている。
そのほか「e-4WD」によるフル電動走行や「新デュアルクラッチ8段ギアシフト」、そして「マルチマテリアルシャシー」や「新世代ヒューマンマシンインターフェイス(HMI)」がSF90ストラダーレに採用された“革新”の一部として紹介された。同車に盛り込まれた革新=新技術や新機軸の数は、これまでのどの新型モデルよりも多いのだという。
e-4WDと呼ばれる駆動システムは、フロントの電動アクスルのみを用いる「eドライブ」モードにおいて最大25kmのゼロエミッション走行を可能とし、新8段デュアルクラッチは従来搭載していた同型トランスミッション比で35%迅速に作動。マルチマテリアルシャシーは、リアのバルクヘッドにカーボンファイバーが採用されたアルミニウムシャシーが“革新”といえる部分だ。新形状のステアリングホイールにはタッチパッドが備わり、コマンドの選択や実行をステアリングから手を放さずに行える。従来の機械式メーターに代わり搭載された16インチのフルデジタル曲面クラスターも、これまでのフェラーリ車にはなかった新しいデバイスである。
SF90ストラダーレでは標準仕様車とスポーツ仕様車「Assetto Fiorano(アセットフィオラーノ)」の2つのバージョンをラインナップしている。クネヒネル氏は「アセットフィオラーノには、垂直荷重を増加させる専用カーボンリアスポイラー、専用アルミ製ダンパーとチタン製スプリング、かのスペチアーレ『F40』を連想させるルーバー付きのレキサン製リアフード、専用カーボンインテリアパーツなどが含まれ、スポーティーな走りにさらに磨きをけています」と、スピーチの最後でアセットフィオラーノの特徴を紹介した。
SF90ストラダーレの価格は5340万円。前述のアセットフィオラーノはオプションとして用意され、価格は570万円ほどの設定が見込まれている。デリバリー開始時期などはアナウンスされていない。
(webCG)
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