東京モーターショー2019

【FUTURE EXPOの歩き方】自動運転に欠かせない要素技術に注目

2019.10.24 自動車ニュース

いまや自動車メーカーだけでなく、さまざまな企業が実用化へ向け挑戦を続けている“自動運転”。FUTURE EXPOには、そんな未来のシステムに欠かせない要素技術も数多く展示されていた。その好例となる2つの展示を紹介しよう。

自動運転の進化を支える“認識”と“画像処理”の技術

FUTURE EXPOの会場では「これがクルマとどう関係するの?」と思う技術もあるが、それらの中にモビリティー社会のキーテクノロジーが隠れているかもしれないので、ぜひいろいろな展示に目を向けてほしい。

例えば、「e-Motorsports」コーナーの横にあるAIバスケットボールロボット「CUE 3(キュースリー)」。身長2m超の漆黒ボディーは武骨な印象だが、頭の横で折り曲げられた右手にボールを載せると、ヒジやヒザなどの関節を滑らかに動かし、手首のスナップをきかせてスマートにゴールを決める。

カギは胸部にあるカメラと頭脳となるAIだ。カメラでゴールを認識し、そこまでの距離を計算。さらに、どう動くとボールが入るかを計算してそれを再現する。ゴールまでの距離が変わっても何度かトライして計算を修正すれば、ほぼ100%の確率でシュートを決められるようになるという。ギネスの「ヒューマノイドロボットによる連続フリースロー最多成功数」にも認定された。

もともとはトヨタ技術会で生まれたプロジェクトで、現在のロボットは3代目。バスケットボールのプロチーム「アルバルク東京」に、選手番号93(CUE3)で登録されている。シュパッとゴールネットを揺らす音は実に爽快だ。

カミエンス・テクノロジー社の画像処理技術も興味深い。いまやスマートフォンでも高精細画像を撮影できるようになったが、画質が上がるとファイル容量も大きくなり、コンピューター処理や通信の負荷が増大する。同社は複数の画像合成と表示を同時に行う新しいアルゴリズムを開発。1兆ピクセル以上の高精細画像もタブレットでスムーズに扱うことができ、拡大しても画質劣化することなく細部まで再現できるようにした。

自動運転では画像認識が欠かせないが、処理速度の問題で、現状は低解像度の画像に頼っている。こうした技術の進展により、自動車がより進化することを期待したい。

(文=林 愛子/写真=林 愛子、webCG/編集=堀田剛資)

見事なフリースローを決めるAIバスケットボールロボット「CUE 3(キュースリー)」。
見事なフリースローを決めるAIバスケットボールロボット「CUE 3(キュースリー)」。拡大
パネルには「外す気がしない。」と書かれているものの、状況によってはボールを外しつつその都度修正し、ゴールに至ることもあるようだ。
パネルには「外す気がしない。」と書かれているものの、状況によってはボールを外しつつその都度修正し、ゴールに至ることもあるようだ。拡大
カミエンス・テクノロジー社のブース。超々高精細画像表示・加工システム「テラシンセ・ミュージアム」の技術展示が行われている。
カミエンス・テクノロジー社のブース。超々高精細画像表示・加工システム「テラシンセ・ミュージアム」の技術展示が行われている。拡大

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