メルセデス・ベンツGLC220d 4MATICクーペ(4WD/9AT)
つまりは軽妙洒脱 2020.01.22 試乗記 マイナーチェンジによって内外装やパワートレインがアップデートされた、メルセデスのDセグメントSUV「GLC」。最高出力194PS、最大トルク400N・mの2リッター直4ディーゼルターボを搭載する「GLC220d 4MATICクーペ」を連れ出し、その進化を確かめた。フォルムはまぎれもなく4ドアクーペ
最新のGLCおよびGLCクーペは、2019年10月に日本導入が発表されたマイナーチェンジモデル。GLCは4年ぶり、GLCクーペは3年ぶりの改良である。そのアップデートの内容は、基本的にGLCの両モデルに共通する。
エクステリアではGLC、GLCクーペとも前後のデザインが変更され、より洗練された印象だ。上底よりも下底のほうが短い逆台形のような形状だった従来モデルのフロントグリルは、下底のほうが長い安定感ある一般的な台形をモチーフとしたデザインに改められた。ヘッドライトはLEDのアイラインがくっきりとしたシャープなものとなり、テールランプは他のメルセデスSUVに共通するブロックデザインと呼ばれるユニット内に設けられたフレーム部分が光る新意匠である。
GLCクーペのボディーは、GLCと比べて70mm長く、全高が45mm低い。全幅は同じだ。GLCよりもグリーンハウスが狭く、低く設定されたルーフトップとそこからボディー後端に行くにしたがってなだらかに傾斜するリアウィンドウのラインが、サイズ以上のコンパクトさを印象付ける。SUVゆえの車高の高さを考えなければ、ボディーフォルムはまぎれもなく4ドアクーペのそれである。
2008年に登場した「BMW X6」がSUVクーペの端緒であるという意見に異論はなく、したがってSUVのクーペ化はBMWの発明だと思うが、いっぽうで1980年代に日本市場で流行した古くて新しい4ドアクーペというデザインに再度いち早くスポットライトを当て、そこに魅力があると知らしめたのが2004年に登場したメルセデスの「CLS」である。
したがってどちらが早いとか遅いではなく、BMWのSUVクーペ系モデルを見れば、そこには先駆者としてのプライドを感じ、4ドアクーペのバリエーション拡大というテーマを頭に浮かべながらメルセデスのSUVクーペ系モデルを見れば、そこにはスタイリッシュなSUVを生み出そうとした気概を感じるのである。
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