ベントレー・フライングスパー(後編)

2020.06.04 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 フルモデルチェンジした「ベントレー・フライングスパー」に、レーシングドライバー谷口信輝が試乗。後編では、その走りに加え、ドライバーを包む室内の仕立てについてもリポートする。
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本当にすごいクルマ

前編ではベントレー・フライングスパーの動力性能とコーナリングを絶賛した谷口信輝。この贅(ぜい)を尽くしたブリティッシュサルーンにはどんな魅力が秘められているのか? 引き続き谷口に語ってもらおう。
「さっきも言いましたが、このクルマ、かなりのペースでもコーナーの進入でブレーキを使う必要がないんです。それくらい、強い安心感があるんですね。で、アウディもコーナリングの安心感が強いんですけど、ベントレーとアウディでは安心感は同じでもコーナリングフォームがちょっと違う。アウディって、ぐっと腰を落として路面に張り付いているみたいにコーナリングするじゃないですか。それに比べればフライングスパーのほうが腰高感はある。でも、不安感はまったくありません。サスペンションストロークもものすごく長そうなんですが、例えばストロークが10あったとしても、そのうちの6とか7とか8くらいしか使わない。絶対にフルボトムなんかさせないんですね。だから乗り心地もいいし、姿勢も安定している。本当にすごいクルマです」

私もフライングスパーのコーナリングは素晴らしいと思うが、不思議なのがホイールベースの短い「コンチネンタルGT」よりも、むしろフライングスパーのほうが機敏に走れるところにある。私がそんな疑問を口にすると、谷口はあっさりこう答えたのである。
「これ、4WSですよね?」

さすが谷口。実は新型フライングスパーはベントレーとして初めて4WSを搭載したモデルなのである。とはいえ、4WSらしさがほとんど感じられないところもフライングスパーのすごさではないか? そう聞くと「いや、変なクセはまったくありません」と谷口も太鼓判を押してくれたのである。

では、走りと並ぶベントレーのもうひとつの魅力であるインテリアについて語ってもらおう。
「このインテリア、めちゃかっこいいじゃないですか。運転席に座ってメーターパネルを見ているだけでシロメシ3杯はいけますよ」

レザーとウッドがふんだんに使われたキャビンの印象はどうか?
「いやあ、なんか高級クルーザーとかに乗っている感じですよね。2色のウッドの使い方とかオシャレだし、メッキもめちゃくちゃクオリティーが高そう。なんか、高級ガラスブランドのバカラとかが似合いそうですね」

谷口はきっと、ダイヤルなどに刻まれたダイヤモンドナーリングと呼ばれる繊細な機械加工がまるで宝飾品のように見えることからバカラの名を持ちだしたのだろう。

 
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