ポルシェ718ケイマンGT4(後編)

2020.08.27 谷口信輝の新車試乗 マニアックなハードコアモデルに見える「ポルシェ718ケイマンGT4」だが、「誰でも安心して楽しめる」とレーシングドライバー谷口信輝は絶賛する。その根拠となる、このクルマならではの長所とは?

不満の“フ”の字もありません

718ケイマンシリーズのフラッグシップモデルとしてデビューした“GT4”の心臓部は、新開発された自然吸気(NA)の水平対抗6気筒エンジン。そのボア・ストロークが「911 GT3」に積まれる4リッターNAエンジンと共通なことから「911 GT3エンジンのデチューン版?」との情報も一時は流れたが、どうやらタイプ992の「911カレラ」に積まれる排気量3リッターの水平対向6気筒ターボと同系列のエンジンというのが正解のようだ。では、この新しいNAユニットの感触はどうだったのか? あらためて谷口に聞いてみよう。
「低回転域からトルクに余裕があるので、適正なギアを選ばなくても滑らかに、そして素早く走れちゃいますね。だからメチャクチャ楽ですし、乗りやすい。不満の“フ”の字もありません。それにしてもポルシェの6気筒エンジンはいいですね。乗ると、すぐにそうと気づくくらい、気持ちよくていい感触です」

「それとこのクルマ、電子デバイスがものすごく優秀ですね」

谷口が付け加えるようにそう語った。
「今日は雨で結構路面もぬれているじゃないですか。でも、718ケイマンGT4が履いているタイヤって、ドライ重視なのか、こういうコンディションだとタイヤのグリップがちょっと物足りなくて、さっきUターンするときトラクションコントロールを切って強めにスロットルペダルを踏み込んだらタイヤが派手に空転してビックリしました。でも、電子デバイスを入れておけば、そんなことをまったく感じさせることなく、うまーく加速してくれる。きっと、それほどテクニックのない人が乗っても、718ケイマンだったらスムーズに走れそうな気がしますね」

電子デバイスとともに谷口が絶賛したのが、718ケイマンGT4に装備されていたヒルスタートアシスタントシステム(HSA)である。
「ここは上り坂だから、クラッチペダル踏んでブレーキペダルを離したら後ろに下がっていってもおかしくないのに、このクルマはHSAが付いているからそれが起きない。試しにどのくらいブレーキを保持しているのか計ってみたら、1秒間くらいブレーキが利いていました。しかもブレーキの解除の仕方も滑らかで発進の邪魔をしない。これだったら坂道発進が苦手な人にも安心ですね。よくできています」

 
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