運転を忘れてほしい?

勘のいい読者はすでにお気づきかもしれないが、MX-30は走りに関しての発信が非常に少ない。シャシー技術「スカイアクティブビークルアーキテクチャー」へのこだわりとか、「G-ベクタリングコントロールプラス」によるニュートラルなコーナリング性能とか、4WDシステム「i-アクティブAWD」の高効率性などはほとんどアピールされていない。もちろん、これらのテクノロジーはすべてMX-30にも採用されているのだが、「速いとか広いとかではなく、心地よさを感じてほしい」という理由であえて抑えているのだという。このあたりも既存のマツダ車とは大きく異なる部分だ。

というのも、MX-30ではこれまでマツダが追い求めてきた「運転」が主張することを避けたいという考えがあるようだ。居心地のいい空間たるMX-30では、運転=操作を意識することなく、なるべくゆるりと過ごしてほしい……。こうした考えが基本にあるため、MX-30にはマニュアルトランスミッションが設定されていない(3列SUVの「CX-8」にもあるのに)。また、マツダ3とCX-30では火花点火制御圧縮着火エンジンの「スカイアクティブX 2.0」に24Vのマイルドハイブリッドを組み合わせていたが、MX-30は「スカイアクティブG 2.0」とマイルドハイブリッドの組み合わせとなっている。この点についても竹内主査は「Xだと走りの主張が強すぎるので」と教えてくれた。冒頭に書いた通りMX-30には既存のマツダファン以外を取り込みたいという狙いがあるので、価格抑制の意味合いもあるだろう。

竹内主査と同じく「ロジカルに考えるのではなく感じてほしい」と松田チーフデザイナーも口をそろえるMX-30。マツダ側から「ここがこうなっているからよく曲がる」という具合に押し付けるのではなく、走りのよさもユーザーが自由に感じ取ってほしいということなのかもしれない。また、ウワサによると2021年1月に発売される電気自動車バージョンの走りは“モノスゴイ”らしいので、走りのアピールはそっちで! ということかもしれない。いずれにしても楽しみな新型クロスオーバーSUVがデビューした。

(文と写真と編集=藤沢 勝)

4WD車には「オフロードトラクションアシスト」などの装備が付いているが、あえてアピールが控えられている。
4WD車には「オフロードトラクションアシスト」などの装備が付いているが、あえてアピールが控えられている。拡大
センターコンソールまわりにはコルクが多用されている。カップホルダーのふたは、起こすとコンソールボックスのカバーになる。
センターコンソールまわりにはコルクが多用されている。カップホルダーのふたは、起こすとコンソールボックスのカバーになる。拡大
「ロジカルに考えずに感じてほしい」と、ブルース・リーのように語った松田チーフデザイナー。「MX-30」は「街に出たら何よりも目立つはずです」と胸を張った。
「ロジカルに考えずに感じてほしい」と、ブルース・リーのように語った松田チーフデザイナー。「MX-30」は「街に出たら何よりも目立つはずです」と胸を張った。拡大
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