中古車市場に変化あり!? いまねらい目のクルマはこれだ!
2020.10.30 デイリーコラムこの7モデルは外せない
2020年の3月か4月ごろは、いわゆるコロナ禍で虫の息状態だった中古車業界。だが筆者の取材によれば、5月になると早くも民草の中古車購買意欲は大復活。各販売店からはそのころ、「忙しすぎてツラいです!」というようなうれしい悲鳴が、実は上がっていた。
そうなってくると中古車の卸売価格というのは必然的に上昇してしまうもので、指名買いとなる場合が多い一部の旧車などは「直近の仕入価格は今年3月ごろの倍近くですよ(中古車販売店経営者談)」という状況にもなっている。
だが「すべての中古車の相場が上がっている」というわけではない。なかには「えっ? こんな値段で買えちゃうの?」と、やや引いてしまうぐらいの安値相場になっているモデルも多いものだ。
そういった「引くぐらい安くなったモデル」は主に2種類。ひとつは「人気は高いが、さすがに流通量が多すぎるモデル」で、もうひとつは「率直に言って、やや人気薄なモデル」。ここでは、それら2パターンのなかから「いま、いろいろな意味で注目すべき7車種」をピックアップしてみたい。
どういう順番でご紹介してもいいのだが、まぁわかりやすいように「価格順」でいってみようか。まずは「車両100万円級の部」である。
車両100万円級の部に「やや人気薄部門」からエントリーされたのが、現行型の「スズキ・スイフト」。言わずと知れたスズキの世界戦略車で、非常に高いシャシー性能を誇る1.2リッタークラスの小型ハッチバックだ。この新車を買おうとすると車両価格だけでも150万から208万円ほどになるのだが、「中古でもよし!」と開き直れば、走行1万km台までの「XGリミテッド」という特別仕様車が車両80万円程度から狙えてしまう。
スイフトにはさらに上級なグレードもあるのだが、こういったクルマは極力シンプルなグレードにサラッと乗るのが基本的には正解。その意味で、最廉価グレードのXGに「セーフティーパッケージ」と本革巻きステアリングホイールなどを程よくプラスしたXGリミテッドのお手ごろ中古車は、良い意味での「素晴らしいゲタ」となるだろう。
意外にベンツやビーエムも!
同じく車両100万円級の部では「三菱eKクロス」の「G」というグレードも捨てがたい。新車価格は約160万円だが、超低走行中古車がいま、おおむね車両110万円でイケる。電気ひげそりのようなオラオラ顔は賛否両論あるかと思うが、軽であるeKクロスの場合は「意外と悪くないかも!」というのが筆者の偽らざる印象だ。そして実は、走りがかなりいい軽自動車でもある。
車両価格で200万円プラスαの予算を用意できるなら、いま狙うべき中古車のひとつは現行型「メルセデス・ベンツCクラス」だろう。まあ現行型といっても、この予算で狙えるのは2018年8月に行われたビッグマイナーチェンジ前の世代になるが、車両200万円前後で走行2万km台までの「C180アバンギャルド(レーダーセーフティーパッケージ付き)」が普通に買えるので、一般的な使い方をする分には何の問題もない。いちいち「後期型のほうが!」などと言うのは一部のマニアだけだ。
また車両200万円プラスα級の予算では、ひとつ前の型にはなるが「メルセデス・ベンツC63 AMG」も、いま注目すべき一台といえよう。6.2リッターの自然吸気V8を搭載した超ハイパフォーマンスモデルだが、この種のエンジンは「いまのうち」に堪能しておくべきであり、中古車相場も思いのほか手ごろ。車両本体価格250万円ぐらいから、コレクターズアイテムである「パフォーマンスパッケージ」装着車(最高出力が30PS強化された仕様)が見つかるはずだ。自動車税は年額11万円といささか強烈だが、そこは「見なかったこと」にして突き進みたい。
拡大 |
拡大 |
拡大 |
新車にこだわるべからず
車両価格300万円台を用意するつもりがあるならば、新車価格538万円也の現行型「BMW 3シリーズ」も普通に射程圏内となる。3シリーズは「人気は高いのだが、さすがに数が多すぎる」という理由で安値となる中古車の典型で、とってもいいクルマなのだが、走行数千km程度の「320i」が新車価格より約35%OFFの350万円ぐらいから。色や仕様が選べないという難点はあるが、新車を買うのがためらわれるような相場状況なのだ。
車両300万円台級の部で「数が多すぎるから」という理由で安いのが現行3シリーズであるなら、「いまひとつ人気薄だから」という理由で安いのが「アルファ・ロメオ・ジュリア」。これは新車価格543万円だった「スーパー」の、走行1万kmぐらいの個体がおおむね330万円といったところ。「3シリーズはさすがに王道すぎてちょっと……」という人は、ジュリアのちょっと変わったボディー色の個体を探せば幸せになれるはずだ。
「600万円ぐらいは出せる」というお大尽はいま、現行型の「アウディA6」に注目するべきだろう。現行A6は、同クラスのライバルとなる「メルセデス・ベンツEクラス」や「BMW 5シリーズ」をも上回るとされる超絶シャシー性能が魅力の一台だが、新車は高くてそう簡単に買えるものでもない。具体的には、中古車市場でタマ数が多い「55 TFSIクワトロSライン」というグレードの新車価格は1035万円だ。
しかしこれが中古車になると一気に安くなり、走行数千kmレベルの物件でも車両価格は680万円前後となる。「いまのところ宇宙一」とも一部でいわれているシャシーを手に入れるための金額としては「ある意味安い」といえるはずだ。
このように、皆さんが大好きな「新車」というものから一度目線を外してみると、世の中には「おいしい中古車」がけっこうゴロゴロしていることがわかる。中古車アレルギーをお持ちの人もいるかもしれないが、近年の中古車は(ちゃんと選びさえすれば)壊れまくって困るなんてことはほとんどない。筆者なんぞはこれまで十数台買ったクルマのほとんどが中古車だったが、こうして大過なくごく普通に生きている。ということで皆さまも、よろしければぜひ。
(文=谷山 雪/写真=スズキ、メルセデス・ベンツ日本、花村英典、田村 弥、向後一宏、webCG/編集=関 顕也)
-
日本で売れるクルマはあるのか!? 最新の“アメリカ産ニホンシャ”を清水草一が検証する!NEW 2026.1.19 アメリカからの外圧による制度変更で、北米生産モデルの国内導入を決めたトヨタ。同様に、今後日本での販売が期待できる「海外生産の日本車」には、どんなものがあるだろうか? 清水草一が検証してみた。
-
新生ノートンがいよいよ始動! 名門の復活を担う次世代モーターサイクルの姿に迫る 2026.1.16 英国のモーターサイクル史にあまたの逸話を残してきた名門、ノートンが、いよいよ再始動! その数奇な歴史を振り返るとともに、ミラノで発表された4台の次世代モデルを通して、彼らが思い描く未来像に迫った。
-
市街地でハンズオフ運転が可能な市販車の登場まであと1年 日産の取り組みを再確認する 2026.1.15 日産自動車は2027年に発売する車両に、市街地でハンズフリー走行が行える次世代「ProPILOT(プロパイロット)」を搭載する。その発売まであと1年。革新的な新技術を搭載する市販車の登場は、われわれにどんなメリットをもたらすのか。あらためて考えてみた。
-
30年の取材歴で初めてのケースも 2025年の旧車イベントで出会った激レア車 2026.1.14 基本的に旧車イベントに展示されるのは希少なクルマばかりだが、取材を続けていると時折「これは!」という個体に遭遇する。30年超の取材歴を誇る沼田 亨が、2025年の後半に出会った特別なモデルを紹介する。
-
東京オートサロンでの新しい試み マツダのパーツメーカー見学ツアーに参加して 2026.1.13 マツダが「東京オートサロン2026」でFIJITSUBO、RAYS、Bremboの各ブースをめぐるコラボレーションツアーを開催。カスタムの間口を広める挑戦は、参加者にどう受け止められたのか? カスタムカー/チューニングカーの祭典で見つけた、新しい試みに密着した。
-
NEW
ベントレー・コンチネンタルGTアズール(4WD/8AT)【試乗記】
2026.1.19試乗記ベントレーのラグジュアリークーペ「コンチネンタルGT」のなかでも、ウェルビーイングにこだわったという「アズール」に試乗。控えめ(?)な680PSのハイブリッドがかなえる走りは、快適で満ち足りていて、ラグジュアリーカーの本分を感じさせるものだった。 -
NEW
第327回:髪もクルマもナイスファイト!
2026.1.19カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。日産の新型「ルークス」で夜の首都高に出撃した。しっかりしたシャシーとターボエンジンのパワフルな走りに感心していると、前方にスーパーカーの姿を発見。今夜の獲物は「フェラーリ・ローマ」だ! -
NEW
日本で売れるクルマはあるのか!? 最新の“アメリカ産ニホンシャ”を清水草一が検証する!
2026.1.19デイリーコラムアメリカからの外圧による制度変更で、北米生産モデルの国内導入を決めたトヨタ。同様に、今後日本での販売が期待できる「海外生産の日本車」には、どんなものがあるだろうか? 清水草一が検証してみた。 -
フェラーリ12チリンドリ(後編)
2026.1.18思考するドライバー 山野哲也の“目”レーシングドライバー山野哲也が「フェラーリ12チリンドリ」に試乗。前編では伝家の宝刀であるV12エンジンを絶賛した山野。後編ではコンビを組むシャシーの印象を余すところなく聞いてみた。 -
BYDシールAWD(4WD)【試乗記】
2026.1.17試乗記BYDのBEVサルーン「シール」の機能アップデートモデルが登場。強化のポイント自体はそれほど多くないが、4WDモデルの「シールAWD」は新たに電子制御式の可変ダンパーを装備したというから見逃せない。さまざまなシーンでの乗り心地をチェックした。 -
新生ノートンがいよいよ始動! 名門の復活を担う次世代モーターサイクルの姿に迫る
2026.1.16デイリーコラム英国のモーターサイクル史にあまたの逸話を残してきた名門、ノートンが、いよいよ再始動! その数奇な歴史を振り返るとともに、ミラノで発表された4台の次世代モデルを通して、彼らが思い描く未来像に迫った。







































