30分前行動で快適ドライブ 「ホンダe」に乗れるカーシェアサービス「EveryGo」の使い方
2020.11.04 デイリーコラム会員登録はお早めに
記事内でも少し触れられているが、こちらの「ホンダe」の試乗記の作成にあたっては、ホンダのカーシェアリングサービス「EveryGo(エブリゴー)」でクルマを借りて、試乗と撮影を実施した。
ホンダeは一時的に売り切れ状態になっていることもあって、現時点ではディーラーに配備されている試乗車が少ないことだろうと思う。じっくり試してからオーダーしたい、またはかわいいクルマだからちょっと乗ってみたいという方々のために、借用から返却までの一連を報告したい。ちなみにエブリゴーはホンダe専用のサービスというわけではなく、「N-BOX」「N-WGN」「S660」「クラリティ フューエルセル」なども利用できる。
利用にあたって必要なのはスマートフォンと運転免許証、そしてクレジットカードの3点。まずは専用アプリを介して会員登録をする必要があるのだが、審査はなかなか厳重である(と思われる)。というのも私の場合、免許証の裏表の写真やクレジットカード情報などを送付して受付完了メールを受信してから、登録完了メールを受信するまでに1日半ほどを要したからだ。人が審査しているのかAIが審査しているのかは分からないが、さすが500万円級のクルマを貸し出すだけあって甘くはない。
登録が終われば、あとはアプリ内で借りたいクルマと日時を指定して、来るべき日に備えるだけである。ステーションと呼ばれる借受場所は全国に設置されているが、実はホンダeが利用できるステーションは極めて少ない。近くにないという方は旅行などと合わせて利用していただければ幸いである。
読むべきものは読んでおけ
私の場合は東京都西部にある、ホンダディーラーに併設されているステーションを利用した。当日、店舗を訪ねてみると玄関前の特等地にホンダeが置かれている。スタッフにカーシェアを利用しに来た旨を伝えると「あ、そうなんですね」とまるで人ごとのような対応だ。聞けばここのディーラーは駐車場所を提供しているだけであって運営には一切関与していないのだという。なので受付もなければお茶も出ない(頼めばくれるだろうけど)。
さらに私はカギの開け方が分からず、開店準備で忙しいスタッフの手を再び煩わせてしまったが、その時も「使い方は全部ネットで分かるようになっているはずです!」という(よく解釈すれば)アドバイスをもらっただけだった。急いで調べた私は、リアウィンドウに備わったカードリーダーに免許証をかざしてドアをアンロック=利用開始することを知った。
こうして車内にまではたどり着いたわけだが、今度はスターターボタンを押してもクルマが始動しない。免許証で何とかなるのはドアまでだ。おそらくここが一番分かりづらいところだと思う。実はグローブボックスの中にキーおよびキーシリンダーがあり、これをオン側に回すことでクルマが機能するようになっている。ちなみに駐車してクルマを離れる場合には、これをオフにしてキーを持っていけばいい。キーにはドアのロック/アンロックボタンが付いているので、普通のクルマと同じように使える。さも苦労したかのように書いてきたが、ちゃんと説明を読んでおけばなんということはない手順である。
神のみぞ知るバッテリー残量!?
これでいつでもホンダeを動かせるようになったわけだが、私はそうはしなかった。いや、できなかったというべきだろう。メーターに表示されたバッテリー残量30%、航続可能距離64kmという数字に震え上がっていたからである。何しろ、待ち合わせ場所の千葉県某所までは50kmほどの距離があるのだ。経験上、64km走れると表示されている電気自動車で50km走行に挑むのはあまりに楽天的な行為であり、仮にたどり着けたとしても現地で動けないのでは意味がない。腹をくくった私はライターとカメラマンに遅れることを連絡し、駐車場所に設置されている急速充電器に手を伸ばしたのである。充電器を使うためのカードはバイザーに挟んであって、使用料はエブリゴーの利用料金に含まれている。
20分ほどかけてバッテリー残量65%、航続可能距離130kmほどにまで充電したところで千葉に向かって出発。この20分は私の昼食時間を削ることで相殺した。しかしながらしょせんは満タンにはほど遠い65%。結果的にこの日の私は一日中電欠におびえながら過ごすことになったのである。
もちろん、これは私の作戦ミスである。クルマがディーラーに置かれているという状況から、借りる時は満充電に違いないという思い込みが招いた悲劇だ。エブリゴーはカーシェアサービスであり、ガソリン車も含めて燃料は、なくなりそうな時に使った人が補充するのが基本となっている。ディーラーの人が関知しないのも先に書いた通りだ。
ではホンダeの利用者は「バッテリー残量がありますように」と祈って突撃するしかないのかというとそんなことはなく、きちんとした仕組みが用意されている。実は予約の時に使ったスマートフォンのアプリで、自分が借りる予定のクルマのステータスを確認できるようになっているのである。ホンダeのバッテリー残量だけでなく、クラリティ フューエルセルの水素残量、各種ガソリン車の燃料残量も確認できる。事前にこれをチェックしておけばドライブプランが格段に立てやすくなることだろう。ホンダeの場合は最初の30分を充電に充てれば、少なくともバッテリー残量80%以上でスタートできる。
というわけで、ホンダのカーシェアサービスのエブリゴーは、事前にきちんと準備をしたうえで使えば、非常に便利なシステムである。この日は8時間利用して料金は6400円だった。他のモデルの場合は時間料金に17円/kmの距離料金が加算されるが、ホンダeの場合は時間料金のみの明朗会計である。
……このまま終わると失敗メモのようになってしまうので、役立つ情報を最後にひとつ。千葉に向かう時も戻る時もずっと渋滞気味だったのだが、ステーションに帰る途中の高速道路でふいにまわりにクルマがいなくなった。ここで制限速度の80km/hまで速度を上げてみると、バッテリー残量が面白いように減っていった。遠出を考えている人はご用心を。
(文=藤沢 勝/写真=荒川正幸/編集=藤沢 勝)

藤沢 勝
webCG編集部。会社員人生の振り出しはタバコの煙が立ち込める競馬専門紙の編集部。30代半ばにwebCG編集部へ。思い出の競走馬は2000年の皐月賞4着だったジョウテンブレーヴと、2011年、2012年と読売マイラーズカップを連覇したシルポート。
-
ついにハードウエアの更新も実現 進化した「スバルアップグレードサービス」の特徴を探るNEW 2026.3.5 スバルが車両の機能や性能の向上を目的とした「スバルアップグレードサービス」の第3弾を開始する。初めてハードウエアの更新も組み込まれた最新サービスの特徴や内容を、スバル車に乗る玉川ニコがオーナー目線で解説する。
-
始まりはジウジアーロデザイン、終着点は広島ベンツ? 二転三転した日本版「ルーチェ」の道のり 2026.3.4 フェラーリ初の電気自動車が「ルーチェ」と名乗ることが発表された。それはそれで楽しみな新型車だが、日本のファンにとってルーチェといえばマツダに決まっている。デザインが二転三転した孤高のフラッグシップモデルのストーリーをお届けする。
-
F1で絶体絶命!? アストンマーティン・ホンダになにが起きているのか? 2026.3.3 2026年のF1開催を前に、早くも苦戦が伝えられるアストンマーティン・ホンダ。プレシーズンテストでの大不振はなぜ起きたのか? ここから復活する可能性はあるのか? 栄光と挫折を繰り返してきたホンダが、ふたたびF1で輝くために必要なものを探った。
-
“エネマネ”時代に突入! 2026年のF1は「F1ではなくなる」のか? 2026.3.2 レギュレーションは大幅変更。ホンダがアストンマーティンと手を組み復帰を果たすF1の2026年シーズンは、どんな戦いになるのだろうか? 本番前のテストを経て開幕戦が近づいてきた今、その“見どころ”についてリポートする。
-
ホンダがBEV「スーパーONE」の情報を先行公開 「ブルドッグ」の再来といわれるその特徴は? 2026.2.26 ブリスターフェンダーが備わるアグレッシブなエクステリアデザインから、ファンが「シティ ターボII」の再来と色めき立ったホンダの新型電気自動車(BEV)「スーパーONE」。2026年中の発売がウワサされる最新BEVの特徴とホンダの狙いを解説する。
-
NEW
メルセデス・マイバッハSL680モノグラムシリーズ(4WD/9AT)【試乗記】
2026.3.4試乗記メルセデス・マイバッハから「SL680モノグラムシリーズ」が登場。ただでさえ目立つワイド&ローなボディーに、マイバッハならではのあしらいをたっぷりと加えたオープントップモデルだ。身も心もとろける「マイバッハ」モードの乗り味をリポートする。 -
NEW
始まりはジウジアーロデザイン、終着点は広島ベンツ? 二転三転した日本版「ルーチェ」の道のり
2026.3.4デイリーコラムフェラーリ初の電気自動車が「ルーチェ」と名乗ることが発表された。それはそれで楽しみな新型車だが、日本のファンにとってルーチェといえばマツダに決まっている。デザインが二転三転した孤高のフラッグシップモデルのストーリーをお届けする。 -
第863回:3モーター式4WDの実力やいかに!? 「ランボルギーニ・テメラリオ」で雪道を目指す
2026.3.3エディターから一言電動化に向けて大きく舵を切ったランボルギーニは、「ウラカン」の後継たる「テメラリオ」をプラグインハイブリッド車としてリリースした。前に2基、リアに1基のモーターを積む4WDシステムの実力を試すべく、北の大地へと向かったのだが……。 -
F1で絶体絶命!? アストンマーティン・ホンダになにが起きているのか?
2026.3.3デイリーコラム2026年のF1開催を前に、早くも苦戦が伝えられるアストンマーティン・ホンダ。プレシーズンテストでの大不振はなぜ起きたのか? ここから復活する可能性はあるのか? 栄光と挫折を繰り返してきたホンダが、ふたたびF1で輝くために必要なものを探った。 -
電動式と機械式のパーキングブレーキ、それぞれメリットは?
2026.3.3あの多田哲哉のクルマQ&A一般化された感のある電動パーキングブレーキだが、一方で、従来型の機械式パーキングブレーキを好む声もある。では、電動式にはどんなメリットがあって普及したのか? 車両開発者の多田哲哉さんに話を聞いた。 -
トヨタGRヤリスRZ“ハイパフォーマンス”+エアロパフォーマンスパッケージ【試乗記】
2026.3.3試乗記「GRヤリス」の新仕様として設定された「エアロパフォーマンスパッケージ」装着車に試乗。レースフィールドでの知見を交え開発したというエアロパーツの空力・冷却性能は、リアルワールドでも体感可能なのか。高速道路を経由し、郊外のワインディングロードを目指した。
































