ホンダeアドバンス(RWD)
脚光を浴びるバイプレイヤー 2020.09.19 試乗記 ホンダの新しい電気自動車「ホンダe」に試乗。すでに報じられている通り、その実態は航続距離や居住性をほどほどのところで割り切った都市型コミューターだ。市街地と高速道路主体にドライブした印象をリポートする。供給は海外市場を優先
2020年8月末に「10月30日に発売します」と発表されたばかりのホンダe。同社初の量産EVだ。しかし早速ホームページに「注文受付数が第一期の販売予定台数に達したため、ただいまご注文を一時停止させていただいております」と表示された。やがて落ち着くとは思うが、ホンダがターゲットとする、マーケティング用語で言うアーリーアダプターやもっと先を行くイノベーターと分類される人たちが面白がって予約を入れたのだろうか。
ただしそもそも計画販売台数が年間1000台と非常に控えめ。月間83.3台。さすがに消極的過ぎないか。そこにはさまざまな事情がある。まずもっと売りたくても、このクルマは海外市場におけるCAFE(企業別平均燃費基準)対策の意味合いをもつために海外への供給を優先しなくてはならない。あとバッテリーの供給体制にも限界がある。またこのクルマはすべてが専用設計のため、451万~495万円と高価であるにもかかわらず、おそらく利幅は少ない。つまりホンダとして、売れて万々歳というわけでもなさそうだ。ホンダのEVイメージを構築するため、市販しているという事実が重要な存在といえる。
いきなり講釈をたれてしまったが、乗る分には、ホンダeはめちゃくちゃ魅力的なクルマだった。コンパクトでファニーなルックスは見て楽しむことができ、後輪駆動がもたらすユニークな挙動を楽しむことができ、さらに走らせていない間も車内でいろいろな楽しみを味わうことができた。そのあたりを報告したい。
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