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第634回:こんなカーライフがあったのか! ホンダ車中泊用アクセサリーのすすめ

2020.11.13 エディターから一言 宮崎 正行
車中泊に役立つ純正アクセサリーをフル装備した「ホンダN-VAN」と。どんなアイテムが見られるかは、リポートを読んでのお楽しみ!
車中泊に役立つ純正アクセサリーをフル装備した「ホンダN-VAN」と。どんなアイテムが見られるかは、リポートを読んでのお楽しみ!拡大

クルマのオプション&アクセサリーといえば、カーナビ? それともエアロ? ホンダアクセスが開発したさまざまなアイテムは、「使って泊まれる道具」としてのクルマの魅力を飛躍的に高めるものだった。

助手席側のBピラーを持たない「ホンダN-VAN」。側方の大開口(幅1580mm×高さ1230mm)のおかげで荷物の積み下ろしが容易になっている。
助手席側のBピラーを持たない「ホンダN-VAN」。側方の大開口(幅1580mm×高さ1230mm)のおかげで荷物の積み下ろしが容易になっている。拡大
ソロキャンプで使う遊び道具を詰め込んだ「N-VAN」の車内。自転車はテールゲートからも助手席側ドアからも簡単に降ろすことができる。自転車を固定するタイダウンベルトは6050円の純正オプション。
ソロキャンプで使う遊び道具を詰め込んだ「N-VAN」の車内。自転車はテールゲートからも助手席側ドアからも簡単に降ろすことができる。自転車を固定するタイダウンベルトは6050円の純正オプション。拡大
幅74cm、耐荷重4kgの「テールゲートバー」(9900円)は、バックドアをはね上げた際にタオルやハンガーなどを掛けるのに適している。
幅74cm、耐荷重4kgの「テールゲートバー」(9900円)は、バックドアをはね上げた際にタオルやハンガーなどを掛けるのに適している。拡大
運転席だけを残し、広くフラットな床面がつくり出せる「N-VAN」。防汚性に優れる「ラゲッジマット」(オプション)を装着したまま、さまざまなシートアレンジができる。
運転席だけを残し、広くフラットな床面がつくり出せる「N-VAN」。防汚性に優れる「ラゲッジマット」(オプション)を装着したまま、さまざまなシートアレンジができる。拡大

「ひとりでいい」から「ひとりがいい」へ

世は“おひとりさま”ブームだが、旅する人のマインドとしてはとうの昔から「ひとり旅がいいよね」となっている。そのよさは、夜更けにレイトショーをひとりで見に行く感覚に近いのかも。見終わったあとに、無理して“いい感想”を口にする必要なんかないもんね……ひとりぼっちだから(笑)! もしそれが胸を熱くしてくれるようなアタリの映画(体験)だったら、なおさらおひとりさまがいいかもしれない。そう、沈黙というのはぜいたくなものなのだ。

そんなリッチな沈黙を、痛快なくらいに貫けるレジャーがいま注目を集めている。それはテント泊や車中泊を中心としたソロのキャンプステイだ。特にオートキャンプは、コロナ禍も要因となって話題に上ることが多く、高額なキャンピングカーの売れ行きもいいらしい。

クルマにキャンプ用品を積んでキャンプサイトを目指すオートキャンプ。それは家族や仲間と行ってももちろん楽しいが、ひとりで行ってもまたずいぶん愉快だという。いや、どちらかというと「ひとりで行ってこそ楽しめる!」の声が、最近の筆者には大きく聞こえてくる。たしかにソロキャンプがこんなにはやっていること自体、前代未聞だ。

そんな「ソロキャンプ楽しんでいます!」「ソロキャンプやってみたいな!」の両派にこそおすすめしたいクルマを、千葉の牧場で見つけてしまった。ホンダのスペシャルな外泊マシン、軽自動車「ホンダN-VAN」の車中泊仕様だ。

ホンダ の中古車

実演取材会でワクワク体験

千葉県北部にある成田ゆめ牧場・ファミリーオートキャンプ場で開催された「アウトドア取材会」は、車中泊のさまざまなシーンで活躍してくれるホンダの純正アクサセリーに触れられるイベントだ。たくさんのアイテムの使い勝手を実車のコンパクトミニバン「フリード+」やN-VANに装着した状態で体感できるという。車中泊かあ、楽しそうだなあ、とウズウズしていた自分にピッタリなイベント取材。これはうれしい。

会場に用意された体験車両は3タイプ。でも僕のキモチは最初からある一台のみに向けられていた。車中泊ひとり用仕様のN-VAN、ガーデングリーン・メタリックのかわいいアイツだ。“自分の部屋”にするならあれがいい。

見て、触って、動かす、試す。いろいろやってみた。果たして……N-VANはすごかった。助手席のスペースまで荷室として使えることは知っていたけれど、正直ここまでとは思わなかった。Bピラーのない左の助手席側はリアエンドまでほぼ完璧にフラットなまま地続きになっている。あるのは見晴台のように突出したドライバー席だけ。これには感動した。自転車を積むなんて余裕も余裕、バイクだって結構なサイズまでイケるだろう。助手席を段差なくフラットに収納する「ダイブダウン機構」。N-VANが与えてくれる“ワクワク光線”の70%はこの仕組みから発射されている。

そして、そんなN-VANでの車中泊・ソロキャンプをさらに便利に楽しくしてくれるのが、ホンダアクセスが開発したホンダ純正アクセサリーの数々というわけだ。

今回の取材会では、「ホンダN-VAN」を使った、2人での車中泊キャンプの例(写真)も見られた。大きく張り出したサンシェード(車体取り付け式)は、ホンダアクセスがホワイトハウスと共同開発したもの。
今回の取材会では、「ホンダN-VAN」を使った、2人での車中泊キャンプの例(写真)も見られた。大きく張り出したサンシェード(車体取り付け式)は、ホンダアクセスがホワイトハウスと共同開発したもの。拡大
「N-VAN」で2人が車中泊する場合は、「マルチボード」でフロアレベルを上げてマットを敷くことになる。フロア下のスペースには引き出し式の「収納ボックス」も装着可能。(写真=ホンダアクセス)
「N-VAN」で2人が車中泊する場合は、「マルチボード」でフロアレベルを上げてマットを敷くことになる。フロア下のスペースには引き出し式の「収納ボックス」も装着可能。(写真=ホンダアクセス)拡大
こちらは「ホンダ・フリード+」を使った車中泊(2人)の例。同モデルにも「ラゲッジネット」や「ラゲッジクッションマット」、「テールゲートカーテン」、「プライバシーシェード」など豊富なオプションが用意される。
こちらは「ホンダ・フリード+」を使った車中泊(2人)の例。同モデルにも「ラゲッジネット」や「ラゲッジクッションマット」、「テールゲートカーテン」、「プライバシーシェード」など豊富なオプションが用意される。拡大
夜のキャンプ場に、明かりをともす車中泊車が浮かび上がる。写真は小川キャンパルのカーサイドタープを取り付けた「フリード+」。(写真=ホンダアクセス)
夜のキャンプ場に、明かりをともす車中泊車が浮かび上がる。写真は小川キャンパルのカーサイドタープを取り付けた「フリード+」。(写真=ホンダアクセス)拡大

ぜいたくなN-VAN専用のアクセサリー

前置きがだ~いぶ長くなったが、目玉となっている純正アクセサリーをひとつひとつ試していこう。

まずは「ルーフインナーラック」。もともと天井がびっくりするほど高い(荷室高:1365mm)N-VANの上方スペースを生かせるよう、車外後方からアプローチしやすい位置に備わるこのラックは、キャパシティーの大きさもさることながらメッシュの網目の密度も粗すぎず細かすぎずで絶妙に使いやすい。自転車用ヘルメットやランプ類、ハンガーなどをつり下げるのも簡単で、単なるモノ入れ以上の価値がある。

そして、前述のルーフインナーラックを裏方として支えつつ、同じく荷室の上部に設置することで荷掛けなどに役立つのが「ルーフインナーサイドパイプ」、そして仲間の「有孔ボード」だ。ルーフインナーサイドパイプはショートタイプとロングタイプの2種類が選べ、後者の場合は、荷室から後席にかけてのキャビン上部をカバーしてくれる。これなら荷掛けだけでなくパッキングの支点にもなってくれるので、活躍の場も広そう。リアクオーターウィンドウにかぶせる有孔ボードも、フックやネットと併用するなどユーザーの工夫次第でたくさんのお気に入りアイテムをディスプレイできるようになる。

助手席前のダッシュボードに組み込むのは、「簡易ボード」という文字通りの“板”。組み込むというより挟み込むという感じなので、脱着もワンタッチでイージーだ。ササッとノートPCに向き合いたいときのために持っていると便利だろう。同じくダッシュに備わる「スチールインテリアパネル」はマグネットが取り付け可能。チケットやタグなどを整理するのにいい。見た目の質感も高いので、インテリアのワンポイントになるのもうれしい。

車内後部のスペースを有効活用できる「ルーフインナーラック」。サイズは幅×奥行き×高さ=約98×約32×約6cm。
車内後部のスペースを有効活用できる「ルーフインナーラック」。サイズは幅×奥行き×高さ=約98×約32×約6cm。拡大
「ルーフインナーラック」(写真上)は、クロームの「ルーフインナーサイドパイプ」(写真奥)とセットで使う。
「ルーフインナーラック」(写真上)は、クロームの「ルーフインナーサイドパイプ」(写真奥)とセットで使う。拡大
荷室の側面に装着する「有孔ボード」は、その名の通り、無数の孔(あな)が開いた機能的なボード。市販フックと併用するなど使い方はさまざま。左右別売りで、各1万1550円。
荷室の側面に装着する「有孔ボード」は、その名の通り、無数の孔(あな)が開いた機能的なボード。市販フックと併用するなど使い方はさまざま。左右別売りで、各1万1550円。拡大
弁当を広げたりPCでの作業をしたりするのに便利な脱着式の「簡易テーブル」(1万4300円)。5kgの荷重を許容する。
弁当を広げたりPCでの作業をしたりするのに便利な脱着式の「簡易テーブル」(1万4300円)。5kgの荷重を許容する。拡大

“囲まれての安らぎ”にビックリ

車中泊アイテムはまだまだある。

外からの明かりと視線をさえぎる「プライバシーシェード」はどうか。この効果、特に心理的効果はとてつもなく大きなものだった。車中泊ビギナーの僕は正直、ウィンドウ一枚一枚にマジックテープでシェードを張っていきながら「なんだかヤボったいなあ」と、それほど気が進まなかった。でもそれらの作業をひと通り終えてヨイショと車内の真ん中に腰を下ろしてみると……。そのありがたみに深く感じ入り、自分の浅はかさを反省したのである。これは欲しい! マスト!

いい生地を使ったタダの目隠しと言ってしまえばそれまでだが、実際にぐるりと張ってみて、これほどキモチが落ち着くとはまったく予想していなかった。いや増す“俺の部屋”感(笑)。

つぎは「テールゲートカーテン」だ。これははね上げたバックドアを天井として有効活用しつつ占有空間を広げるために役立つアイテム。上記のプライバシーシェードと同様にほどよい目隠し具合で、クルマのリアまわりに“前庭”をつくってくれる。ここにハイバックのアウトドアチェアを置いてくつろげば、発泡酒はプレミアムなビールに、魚肉ソーセージはドイツ製の高級なソーセージに変身することだろう。

そして、「N-VAN用クイックエアマット シングルベッドタイプ」。N-VAN専用にあつらえられたジャストサイズのエアマット。快適睡眠ツールだ。この商品は純正アクセサリーではなく、ホワイトハウスという社外のメーカーが製作しているので販売ルートもディーラーとは異なる。かなり厚手で頑健なつくりゆえ、車内フロアの凸凹を拾うことはまずない。

エアが充てんされている状態のデカくてハードなクイックエアマットを目の前にすると、「専用バッグ(実測65×35×15cm)に本当におさまるのだろうか?」と疑ってしまう。それほどタフな設計で、得られる安心感も高いのがうれしい。軽量コンパクトが売りのキャンプ用マットとはまったく次元の違う、クルマで運ぶことが前提のスペシャルマットだ。

車内のプライバシーを守る「プライバシーシェード」を装着した様子。部分的に切れ込みがあり、装着したままでも写真のように内外のやりとりは可能。ルーフに取り付けられている専用キャリア(前後長158cm×幅115cm、耐荷重15kg)は3万3000円のオプション。
車内のプライバシーを守る「プライバシーシェード」を装着した様子。部分的に切れ込みがあり、装着したままでも写真のように内外のやりとりは可能。ルーフに取り付けられている専用キャリア(前後長158cm×幅115cm、耐荷重15kg)は3万3000円のオプション。拡大
4方向の窓を覆う「プライバシーシェード」は一台分セットで3万1900円。写真のように吸盤を使ってウィンドウ部に張り付ける。
4方向の窓を覆う「プライバシーシェード」は一台分セットで3万1900円。写真のように吸盤を使ってウィンドウ部に張り付ける。拡大
はね上げたバックドアを使って部屋を増やせる「テールゲートカーテン」(2万4200円)。3方向のカーテンは分割式で、さまざまなアレンジが可能。
はね上げたバックドアを使って部屋を増やせる「テールゲートカーテン」(2万4200円)。3方向のカーテンは分割式で、さまざまなアレンジが可能。拡大
大きくて快適な「N-VAN用クイックエアマット シングルベッドタイプ」はホワイトハウスが販売するアイテム。長さは214cmで、身長172cmの筆者(写真)にとっては余裕たっぷり。写真右のバッグに収納する。
大きくて快適な「N-VAN用クイックエアマット シングルベッドタイプ」はホワイトハウスが販売するアイテム。長さは214cmで、身長172cmの筆者(写真)にとっては余裕たっぷり。写真右のバッグに収納する。拡大
クルマの世界では小さな軽も、シートアレンジと機能的なアクセサリーにより快適な宿泊施設となる。まさに、目からうろこ。
クルマの世界では小さな軽も、シートアレンジと機能的なアクセサリーにより快適な宿泊施設となる。まさに、目からうろこ。拡大

悩める父への福音かも

車中泊体験、めちゃくちゃ楽しかった。知らないことがたくさんあった。

筆者にももちろんひとり旅の経験はあるが、そのほとんどはバイクに乗ってのソロツーリングだ。それはそれでめっぽう楽しいが、クルマに比べて圧倒的に貧弱な積載能力をマキシマムに生かすために、持てる所持品をミニマムに抑えるという……まあまあ貧乏くさい、もとい至極ストイックなパッキングスキルが常に求められる。それがバイクツーリングの基本だ。長距離×テント連泊となれば、旅はますますシリアスになる。まるでホンダの「M・M思想」(人のためのスペースは最大に、メカニズムは最小にという、マン・マキシマム/メカ・ミニマムの思想)のような、ミニマリズムの極致だと自分では誇らしく思っているのだが、それはちょっと違うかもしれない。

そんな感じだから、バイクのソロキャンプは気軽じゃない。入念な準備と、ある種の気構えがいる。それらからたまには解放されたいよな~と思ったときに、車中泊スペシャルなN-VANが僕の前に現れた。

これは欲しい。本気で欲しい。子どもたちが大きくなるにつれて存在が危うくなっている父のホビー空間(6畳間)を外に逃すためにも、もうN-VANしか道はないのかもしれないな。

取りあえず、車中泊しながら将来のことでも考えようっと……。ビールおかわり!

(文=宮崎正行/写真=三浦孝明/編集=関 顕也)

前席の頭上に装着する「ルーフコンソール」。中央部分にティッシュボックスを逆さに取り付け、ティッシュが容易に引き出せるようになっている。
前席の頭上に装着する「ルーフコンソール」。中央部分にティッシュボックスを逆さに取り付け、ティッシュが容易に引き出せるようになっている。拡大
オートキャンプ場や店舗など、外部給電設備からの入力が可能になるキット(3万7400円)も用意される。付属するケーブルの長さは5m。
オートキャンプ場や店舗など、外部給電設備からの入力が可能になるキット(3万7400円)も用意される。付属するケーブルの長さは5m。拡大
「外部電源入力キット」を使えば、エンジン停止中でも電化製品が利用できるようになる。写真は車内左リアに備わるAC100V・1500Wのコンセント。
「外部電源入力キット」を使えば、エンジン停止中でも電化製品が利用できるようになる。写真は車内左リアに備わるAC100V・1500Wのコンセント。拡大
「N-VAN」には、車内の使い勝手を高める装備のほかに、ボンネット先端の車名ロゴエンブレムや、白でコーディネートされたグリルとホイールキャップなど、エクステリアのドレスアップオプションも多数用意されている。
「N-VAN」には、車内の使い勝手を高める装備のほかに、ボンネット先端の車名ロゴエンブレムや、白でコーディネートされたグリルとホイールキャップなど、エクステリアのドレスアップオプションも多数用意されている。拡大
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