ルノー・トゥインゴEDCキャンバストップ(前編)

2021.05.02 思考するドライバー 山野哲也の“目” 山野 哲也 レーシングドライバー山野哲也が「ルノー・トゥインゴ」に試乗。これまで「ポルシェ911」や「ホンダNSX」などを相手にしてきた山野にとっては、初めての「フツーのクルマ」である。果たしてどんな評価を下すのだろうか。
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僕のとはまるで違う

ルノー・トゥインゴから飛び出すように降りてきた山野哲也は、「メッチャメチャいい! これはいいですよ!! すごく楽しい!!!」といきなりの大絶賛。「もう、戻ってきたくないほどでした」と破顔する。

そんなテスターのうれしい反応を、しかし『webCG』取材陣は思いがけない気持ちで見守った。

ウン百PS、ウン百N・mを超えるアウトプットを誇るハイパフォーマンスカーや、スポーツに“全振り”したようなクルマを扱うことが多いこの企画。今回の試乗車は、エンジンの最高出力が92PSと、100PSにも満たない実用ハッチであり、897ccの直列3気筒は過給器の助けを得てトルクを太らせてはいるが、それでも最大トルクは135N・mと突出した数値ではない。組み合わされるトランスミッションは「EDC」ことデュアルクラッチ式の6スピード。オートマ免許で乗れるフレンチコンパクトだ。

試乗と撮影に使っているアネスト岩田ターンパイク箱根、通称:箱根ターンパイクのような厳しい登り坂が続くコースでは、ルノー・トゥインゴ、いささか不利なのではないか。

そんな懸念を抱いて、「何がそんなにいいのでしょうか?」と漠然とした質問を投げると、「ちょっと待ってください」と自らを落ち着かせるように答えてから、山野はドアを広く開けた。「僕のBRABUSとはまるで違いますね」と、トゥインゴの室内を示す。

山野哲也は、プライベートカーの1台として、「スマートBRABUSフォーツー エクスクルーシブ」を愛用している。言うまでもなくスマート・フォーツーは、トゥインゴとコンポーネンツを共用して3ドアに仕立てたモデルで、同じスロベニア工場で生産される。サブブランドのBRABUSを冠するエクスクルーシブは、109PSにまでチューンされたエンジンと固められた足まわりを持つ、最もスポーティーなスマートだ。

 
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