トヨタが新たなBEV戦略を発表 2030年には年産350万台に
2021.12.14 自動車ニュース![]() |
トヨタ自動車は2021年12月14日、将来的な電気自動車(BEV)戦略についての説明会を開催した。
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30車種をリリース、レクサスはBEV100%に
今回の発表会場は、東京・江東区にある“クルマのテーマパーク”「MEGA WEB」。あいさつに立った豊田章男社長は、1999年のオープン以来延べ1億2700万人が来場し、2021年末での閉館が決まっているこの施設を、BEV戦略を語るにふさわしい“未来へのショールーム”だと力説した。
ショールームという言葉の通り、会のオープニングとともに、トヨタのBEV専用車である「bZ」シリーズが披露された。うち1台は、2021年10月に発表され、2022年年央の発売に向けて元町工場で生産準備中というシリーズ第1弾「bZ4X」。その横に、クーペライクなシルエットのSUV「bZ COMPACT SUV」、最もコンパクトな都市型SUV「bZ SMALL CROSSOVER」、セダンタイプの「bZ SDN」、3列7人乗りのラージサイズSUV「bZ LARGE SUV」という4台が並べられた。
これらをはじめ、同社は2030年までに、グローバルで30車種のBEVをリリース。フルラインナップでの展開とすることで、世のさまざまなニーズに応えつつ、BEVならではの走りとBEVのある暮らしを世界中の人に届けるという。
さらに豊田社長の合図でbZシリーズ後方の幕が下りると、11台のBEVが出現。総勢16モデルのBEVが並び、前述のBEVフルライン化が決して絵空事でないことがアピールされた。「(これらが実際に量産されるのは)そんな先の未来ではありません。ほとんどはここ数年で、世の中に出てきます」などと、豊田社長はその実現可能性の高さを強調した。
またトヨタは新たに、「2030年には、グローバルなBEVの年間販売台数を(全体の3割ほどにあたる)350万台にする」ことを宣言。今後はトヨタブランドだけでなく、SUVの「レクサスRZ」やBEVスポーツカーを販売するなど、レクサスブランドでもBEVのラインナップを強化。2030年までにはレクサスブランドの全カテゴリーにBEVを配置しグローバルで100万台を生産すること、さらに2035年には、レクサスの新車を100%BEVとすることがアナウンスされた。
これに伴う投資の強化についても説明された。トヨタは2022年から2030年までの9年間で、BEV関連の領域において4兆円の投資を行い、ハイブリッド車と燃料電池車(FCV)の4兆円と合わせて、計8兆円規模の投資を行う予定。併せて、電池関連の新規投資も2021年9月に発表した1.5兆円から、2兆円に増額。これまで以上に先進的で良品廉価な電池の開発を目指すという。
そうしたなかで、BEVの整理や集約を行わずフルラインナップ化を目指す理由について、豊田社長は「将来の不確実性があり、その未来を予測するよりも、変化にすぐ対応できることが大事だから」と説明。「正解への道筋がはっきりするまでは、ユーザーに対して幅広い選択肢を残し続け」、そうすることで「人と社会の幸せを量産する会社になりたい」と、会を締めくくった。
(webCG)
◆フォトギャラリー:トヨタとレクサスの新開発BEV