トヨタbZ4X Z(後編)

2022.09.22 谷口信輝の新車試乗 トヨタの次世代EV戦略の先駆けとして登場した「bZ4X」。その走りに対するプロの評価は……? これまで多くのEVに触れてきたレーシングドライバー谷口信輝が、ステアリングを握った。

“動きが速い”クルマ

「オオタニさん、EVってEV特有の乗り味があると思いませんか?」

谷口信輝が突然、そう問いかけてきたのは、彼がトヨタbZ4Xを操って箱根のワインディングロードを走っているときのことだった。同様のことは私も常々感じていたが、これまで自分自身の言葉では説明できなかったので、思い切って「それって、どんな乗り味ですか?」と尋ねたところ、こんな答えが返ってきた。
「サスペンションが縮むときのことをバンプ、反対に伸びることをリバウンドといいますが、EVはリバウンド側の動きが少し抑制されているように感じるんです。ボディーが沈んでから上がるときに、サスペンションがすっと伸びるのではなく、ちょっと跳ねるような感じになるっていうか。テスラの『モデル3』はこの動きが顕著で、おかげで足まわりが硬く感じられるような気がしているくらいです」

谷口は、さらにこう続けた。
「bZ4Xも、そういう傾向がまったくないとは言わないけれど、かなり軽い部類なので、試乗会のとき(前編でも記したとおり、今年から日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考委員となった谷口はbZ4Xの試乗会に参加したという)にメーカーの方に聞いてみたんです。そうしたら『バッテリーという重量物をボディーの低いところに搭載するのは運動性能の点では好ましいけれど、この場合、レーシングカーと同じでボディーの動きが素早くなることがある』という説明を受けました。つまり、EVはボディー中央部のいいところに重量物が集まっているおかげで、普通のクルマよりもクルマの動きがシャープになるんですって。言い換えれば、EVはレーシングカーに近いってことですよね」

こうした影響でEVはボディーの上下動が速くなりがちだが、そうした素早い動きを抑えるためにダンパーの伸び側減衰力を高めているというのだ。なるほどと、うなずける話ではある。

 
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