No Garage, No Life! | クラシックカー・ラリーストの実践的ガレージ
旧車ラリーの“作戦本部” 夫婦で遊ぶクルマ趣味の城 2022.12.14 Gear Up! 2023 Winter ガレージはクルマを収めるための空間のみにあらず。クラシックカーラリーに足しげく参戦する小宮延雄さんのガレージは作業室も工具も充実しているが、何よりもここは妻との絆を深める空間だ。今日もまた週末のイベントに向けた“作戦会議”が繰り広げられる。まさに理想的なガレージだった。理想的というより筆者の思い描くガレージがそのままカタチになったように思えたのだ。シャッター扉を備えたガレージにはクルマを3台収めることができ、ガレージに隣接して、ガラス越しに愛車を眺めながらゆっくりくつろげる部屋があり、ツールのそろう工作室まで作られている。
しかも住居の1階がガレージなので外に出ることなく自分の部屋から気軽に行き来できるのもうれしい点だ。さらにガレージには工具はもちろんリフトやエアツールまで完備、排ガスを強制的に逃がすフィルター付きダクトまであるのだから、もうほかに何もいらないと断言できるほどである。
2008年に完成したガレージのオーナーは小宮延雄さん。1970年代から筑波のプロダクションカーレースを席巻し、パルサーを駆っては全戦全勝! ミラージュカップではシリーズチャンピオンにも輝いた。その後はスーパー耐久などでも活躍したツーリングカーレースの腕利きとして名をはせた人物である。
第一線から退いた現在の小宮さんの趣味はクラシックカーでラリーイベントに参加すること。しかも奥さまと参加することだ。
「レースをやってた頃はひとりで動いていたでしょ。だからこれからは女房と一緒に楽しめるのがいいと思ってね。けんかしてもその場で終わっちゃうし」確かに夫婦で楽しむには最適のイベントに違いないが、誰もがまねできないだろうし、なんともうらやましい。
ミッレミリアだのラフェスタだの、そんな名前も知らなかったのに、十数年前に初めて出たイベントですっかりクラシックカーラリーにハマってしまったという。もちろん人と競うのが大好きな小宮さんだから、単に参加するだけではない。一昨年のラフェスタ・プリマベーラでは見事優勝を飾る。トップコンテンダーの仲間入りだ。
「けっこう難しいもんですよ、クラシックカーラリーも。30mを6秒で走れとかね」100分の1秒の戦いになる“線踏み”をどう克服するのか、どうすれば勝てるのか。今晩もまた小宮さんと奥さまは週末のイベントを見据えて、ガレージの中のリビングルーム、いやいや、“作戦本部”でグラスを傾けながら(?)楽しい時間を過ごしているはずである。共通の趣味で会話が弾めば、夫婦の絆はいっそう深まる。温かで濃密な空気に満ちることで初めて、ガレージは理想の姿に近づくのだ。
(文=阪 和明/写真=加藤純也)
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阪 和明
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