日産エクストレイルG e-4ORCE(後編)
2023.02.09 谷口信輝の新車試乗 新開発の電動パワートレインに、最新のシャシー制御技術。日産自慢のメカニズムが詰め込まれた「エクストレイル」の走りを、レーシングドライバー谷口信輝はどう評価する?ただのファミリーカーにあらず
モーターがもたらすレスポンスの鋭い加速感に魅せられ、最新の日産エクストレイルがすっかり気に入った様子の谷口信輝。しかし、谷口はエクストレイルのシャシー性能にも大いに感心しているようだ。
「このクルマは、特別スポーティーとはいえない設定のSUVだから、足まわりは柔らかめで乗り心地も快適。だけれど、コーナリングも意外によくて、狙ったラインにイメージどおりの姿勢で入っていけますね」
それは、谷口の知る一般的なSUVとは大きく感触が異なるという。
「足が柔らかいSUVだと、コーナーでロールするのを見越して少し早いタイミングでステアリングを切り始めたりしますが、このクルマはそういうことをする必要があまりない。実際にはそれなりにロールしているのかもしれないけれど、ドライバーとしてはそこはあまり意識する必要がなくて、わりと普通の感覚でコーナーに入っていけます。しかも、タイヤの接地感もいいし、曲がっている途中でギャップに出くわしてもいなし方が上手で、すごく穏やかに走り抜けてくれる。なんか、『ただのファミリーカーじゃないぞ!』って、クルマ自身が強く主張してきているような感じがします」
谷口が感じ取ったコーナリングの印象について言えば、もちろん足まわりのセッティングのうまさも関係しているのだろうが、それとともに、いや、もしかしたらそれ以上に大きな効果をもたらしているのが、4WDのe-POWERとブレーキを駆使して姿勢を制御する「e-4ORCE」にあるとみられる。
e-4ORCEは、前後の車軸を個別に駆動する2基のモーターのパワーとブレーキの制動力をコントロールすることで、クルマのハンドリングや姿勢までを制御しようとする技術。ここまでの説明を聞いただけで、谷口はピンときたようである。
「バイクは前後のブレーキをライダーが個別に操作ができるから、これを使って姿勢を調整することができます。でも、e-4ORCEだったら、4輪の駆動力や制動力を個別に制御できるはずだから、二輪以上に緻密なコントロールができそうですね。しかも、いまこうやって普通に運転している範囲で言えば、そういう電子デバイスが介入していることさえ感じさせない。なかなか完成度が高いですね」
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