メルセデスAMG EQS53 4MATIC+<その2>(後編)

2023.05.18 あの多田哲哉の自動車放談 多田 哲哉 メルセデスの「EQS」は、単なる電気自動車(BEV)でもなければ、ただの高級サルーンでもない。車両開発の専門家だからこそ感じられるその“本質”について、多田哲哉が語る。
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自動運転時代への“本気”

多田さんによると、反応速度の速いモーターならではのトルク配分と四輪操舵によって獲得したEQSの高い操縦安定性は、来るべき自動運転でこそ本当に生きるという。

「自動運転のレベルはいろいろありますが、もはや技術的には完全自動運転は可能になっています。あとはインフラや法整備、社会的な認知をどうするかという段階です」

「いかに技術が進化しても安全性が100%になることはありませんから、その事故回避率が98%なのか99%なのか、あるいは97%なのか。その1%の差が、クルマとしての商品力の差として認識される時代がくると思います」

「EQSでは、そういう高度な制御を『いったいどれだけの人間が体感できるんだ?』という領域までつくり込んでいます。そして、結果として、加速の時も減速の時も、そしてステアリングを切った時の応答性のすべてにおいて限界性能が非常に高い」

「メルセデスは、BEVの延長線上には必ず自動運転があると考えているのでしょう。その自動運転で他社の一歩先を行って、自動運転時代が到来した時のスタンダードとなるために、今はさまざまな技術的なトライをしています。EQSに乗っていると、それがひしひしと感じられます」

「メルセデスはそうやって未来を見据えた付加価値のある商品で、利益を上げてきた会社です。以前調べたことがあるのですが、メルセデスは販売台数はトヨタの5分の1くらいなのに、売上高がそう遠くはない額であることに驚きました。トヨタと同じとは言いませんが、ケタが違うわけでもない」

 
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