ロータスが新型EV「エメヤ」を発表 最高出力905HPの高性能4ドアGT
2023.09.08 自動車ニュース![]() |
英ロータスは2023年9月7日(現地時間)、米ニューヨークにおいて、電動の高性能グランドツアラー「Emeya(エメヤ)」を発表した。
ロータス製EV製品群のフラッグシップモデル
エメヤはSUVの「エレトレ」に続くロータスの電気自動車(EV)製品群の第2弾に当たる。ロータスは同車を「高級パフォーマンス電気自動車のラインナップのフラッグシップモデル」(報道資料より)に据える予定で、また自社初の「4ドア・ハイパーGT」とも紹介している。
駆動システムは自社製の2基のモーターを用いた電動4WDで、最高出力は905HP(675kW)、最大トルクは985N・mを発生。リアの2段オートマチックトランスミッションとの組み合わせで、最高速は256km/h、0-100km/h加速は2.78秒を実現するという。またバッテリー容量は102kWhで、エレトレ(仕様に応じて490~600km)とほぼ同等の一充電走行可能距離を想定。出力350kWのDC急速充電器に対応しており、それを使えば約5分の充電で93マイル(150km)の航続距離を追加できるほか、15分以内に航続距離を80%まで回復することも可能としている。
先進的なアクティブエアロダイナミクス機能も同車の特徴で、エレトレにも採用されるアクティブフロントグリルとアクティブエアリップを採用。前者はオープン/クローズすることで走行時の空気抵抗を減らしたり、バッテリーとブレーキシステムの冷却効率を高めたりする機構で、後者は高速走行時のダウンフォースを増加させ、ハンドリングと安定性を向上させるものとなっている。これらに加え、リアにはモータースポーツに着想を得たというアクティブリアディフューザーや、アクティブデュアルレイヤーリアスポイラーを装備。同スポイラーの幅は280mmとエレトレのものより100mmも広くなっており、215kg以上のネットダウンフォースを提供するという。
また、ロータスが「ハイパースタンス」と呼ぶ低重心設計の車体は、「エヴァイヤ」やエレトレなどと同じく「ポロシティー(多孔性)」をキーワードとした意匠となっており、ブレーキやモーター、バッテリーの冷却性能を高めると同時に、空力効率を最適化し、動力性能と航続距離を向上させるために、スムーズな空気の流れを確保する8つの通気孔が設けられている。
一方、足まわりには前方の道路状況を1秒間に1000回の早さで読み取り、減衰特性を最適化する電子制御エアサスペンションシステムを採用。高い動力性能に対応するべく、レース車両に比肩するスペックのブレーキシステムを装備しているという。
充実した先進装備にも注目
機能・装備も先進的で、55インチ相当のAR(拡張現実)ヘッドアップディスプレイを搭載。リアルタイムの道路情報とナビゲーション、先進運転支援システムなどのデータを組み合わせ、障害物警告や車線逸脱警告、前方衝突警告、ブラインドスポットモニターなどを表示するという。
またオーディオには、同じイギリスの音響機器メーカーであるKEFのシステムを採用。受賞歴のある「Uni-Q」テクノロジーを用いたスピーカーと「Uni-Core」省スペースサブウーファーエンクロージャー、ドルビーアトモス対応の3Dサラウンドサウンドシステムを組み合わせることで、没入感のある音響空間を実現しているという。さらに、内蔵されるロードノイズキャンセレーションが、タイヤとサスペンションの動きを検知して逆位相の音響信号を生成。外界の音に邪魔されることなく、静かな環境で音楽を楽しむことができるとしている。
環境負荷に配慮したインテリアの素材選びも同車の特徴で、PVDアルミニウムやアルカンターラ、ナッパレザーなどに加え、ファッションや衣服産業から出される綿くずを再利用した、新しい高級糸を採用。この繊維は、素材のカーボンフットプリントを削減しながらレザーより軽量化が図れるものとされており、エメヤではキャビンの内張りに使用されるという。
【主要諸元】
- パワートレイン:インテリジェントトルク配分によるフルタイム全輪駆動
- モーター:永久磁石同期電動機(フロント/リア)
- トランスミッション:1段(フロント)/2段(リア)
- 最高出力:905HP(675kW)
- 最大トルク:985N・m
- 最高速:256km/h
- 0-100km/h加速:2.78秒
- 80-120km/h加速:2.0秒
- バッテリー容量:102kWh
ロータス・エメヤの生産開始は2024年の予定で、2023年第4四半期には、より詳細な情報が発表されるという。
(webCG)