BMW XM(後編)
2023.11.16 谷口信輝の新車試乗 ハイスペックでこわもての「BMW XM」だが、実際に走らせてみた印象はどうか? プラグインハイブリッドモデルならではのEV走行での使い勝手を含め、谷口信輝が語る。デザイナーの主張が伝わる
「M1」以来の、久々のM専用モデルであるBMW XMを雨の箱根で試乗した谷口信輝。前編では、スポーティーな設定の足まわりが意外とよくストロークするいっぽうで、バネ下荷重が重いことやサスペンションが伸びきった状態での減衰力がやや物足りなく感じられることなどを指摘した。
ここで雨脚が一層強くなり、制限速度内で走っていてもハイドロプレーニング現象が起きそうなコンディションとなったため、試乗をいったん中断し、駐車場に止めた状態でインテリアなどを観察してもらうことにした。
「それにしても、この内装の色使いはかなり斬新ですね。アンビエントライトもなかなかの存在感を主張していて、これまでのクルマとは大きく異なるデザインです」
巨大なキドニーグリルが強烈な印象を与えるXMのエクステリアデザインも、かなり個性的といって間違いないだろう。
「そうですね。はっきり言って、好みが分かれそうなデザインで、『いや別に、好きな人にだけ乗ってもらえればいいんだから』というデザイナーの明確な主張が感じられます」
では、そんなXMのデザインを、谷口自身はどう受け止めているのだろうか?
「正直、これを見て『うわ、ときめく!』ということはありませんし、とりたてて好みなわけでもありません。それでも、このデザインをいったん受け止めたいという気持ちにはなりますね」
その理由を、谷口はこんなふうに語ってくれた。
「なんかね、このデザインを受け入れないと『ああ、つまりガラケーの人なのね』って思われちゃいそうなのがイヤですね。少し頑固な人っていうか。それよりも僕はスマホを積極的に使いたいと思っているタイプなので、取りあえず、いったん受け入れてみたいですね。もっと言えば、クルマと僕が決闘みたいに対峙(たいじ)するんじゃなくて、一歩下がるっていうか、冷静に俯瞰(ふかん)して一回り見てみようかなっていう気持ちです」
谷口のこうした柔軟な姿勢には、いつも頭が下がる思いだ。
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