オールシーズンタイヤがこれから主流に? コンチネンタルタイヤが日本で本腰
2024.04.11 デイリーコラム冬用として選ぶタイヤではない
輸入ブランドを中心に、オールシーズンタイヤのラインナップが充実しつつある。オールシーズンタイヤと聞くと、どんなタイヤを想像するだろう。きっと愛車に履きっぱなしで春から冬まで、梅雨も真夏の炎天下も、そして雪道も走れるタイヤが思い浮かぶのではないか。季節や天候も関係なく、冬用タイヤとの交換も必要ないオールマイティーさや多用途性がオールシーズンタイヤのセリングポイントである。
2024年のタイヤ市場を見渡すと、輸入ブランドを中心に、オールシーズンタイヤのラインナップが充実しつつあることがわかる。1977年に北米で初めてオールシーズンタイヤを発売したパイオニアといわれるグッドイヤーをはじめ、ミシュランやダンロップ、ピレリといった欧米ブランドはもちろんのこと、クムホやネクセンといったアジアのブランドも日本市場に参入。もちろん、日本ブランドも製品やラインナップの拡充に余念がない。
コンチネンタルタイヤ・ジャパンは2024年3月にオールシーズンタイヤの新商品「コンチネンタル・オールシーズンコンタクト2」を報道関係者にお披露目するとともに、オールシーズンタイヤの市場展望についてのプレゼンテーションを行った。オールシーズンコンタクト2は同年2月から販売が開始された最新ラインナップで、全天候下で優れた安全性とドライビングプレジャーを提供するとうたうプレミアムオールシーズンタイヤである。
これまでの感覚からいえば、オールシーズンタイヤの新製品発表はウインターシーズンに向けて、つまり夏の終わりや秋口に行われるのが相場であり、春商戦をターゲットにするのならサマータイヤの新製品発表がセオリーなのでは? と考えてしまう。しかし、そもそもその固定観念がいまどきのオールシーズンタイヤにはマッチしないということなのであろう。
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市場で気を吐くオールシーズンタイヤ
コンチネンタルタイヤ・ジャパンのマネージングダイレクター、ニコラオス・キリアゾプロス氏は「乗用車用タイヤの販売において、オールシーズンタイヤをサマータイヤ、スタッドレスタイヤに続く3つ目の大きな柱として本格導入します。コンチネンタルタイヤのグローバル戦略もこれは同じです」と、発表イベントでコメントした。
これまでのタイヤ市況を分析すれば、日本市場はサマータイヤとウインタータイヤの2つの大きなカテゴリーで構成されていると理解できる。後者の主役はもちろんスタッドレスタイヤで、その分野においては日本ブランドが氷上のブレーキ性能や雪上の走破性を競い合っている。
オールシーズンタイヤは、非降雪地における冬用タイヤの代替アイテムとして近年注目されており、コンチネンタルタイヤ・ジャパンのヘッドオブマーケティングのフォンローロン・シュ氏によれば「(オールシーズンタイヤの)購入層は主に冬道性能を重視しています」という。また、「2023年にはオールシーズンタイヤの販売数量が伸び、2019年比で1.4倍に達しました。製品の価格上昇や消費マインドの低下で市場全体の販売本数が7%減となっているなかで、2022年からは25%増となったのです」と紹介した。
市場が縮小傾向にあるなかでオールシーズンタイヤが注目される理由をシュ氏は、「コストの削減と保管スペースが節約でき、交換の手間がかからず、そして季節や天候にかかわらずいつでも同じように同じところに行ける安心感にあるのではないか」と分析。今後も年平均8%の成長路線をたどるとの見解を示した。
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標準タイヤの履き替え用として候補に
「日本では夏には夏タイヤ、冬には冬タイヤの切り替えに悩むユーザーが多くいます。コストの削減や保管スペースが要らないなど訴求点はいくつもありますが、そもそもオールシーズンタイヤは“性能が中途半端”と思われており、“安全性に欠ける・摩耗が早いんじゃないか・うるさいんじゃないか”といったネガなイメージもありました。オールシーズンコンタクト2では、安全・環境への配慮・コスト・便利さをバランスよく取り入れ、そうした心配を解消できる質の高いソリューションを提供します」とシュ氏。「具体的には燃費重視のユーザーにも注目してもらえる転がり抵抗の削減と、対摩耗性やウエットブレーキ性能の向上、静粛性への配慮などです。つまり夏タイヤとしてのパフォーマンスに対する認知向上が次の課題です」と、続けた。
従来モデルの「オールシーズンコンタクト」と比べ、転がり抵抗では+6%、耐摩耗性では+15%の性能向上を実現し、ウエットブレーキ性能はEUラベルにおいてグレード「B」(JATMAラベルで「b」相当)、転がり抵抗性能は同「B」(同「AA」相当)、静粛性においても同「B」グレード(同「低車外音タイヤ」相当)を獲得しているオールシーズンコンタクト2。サイドウォールにはもちろん雪道走行も行える「3ピークマウンテン・スノーフレーク」マークが刻まれている。
コンチネンタルタイヤ・ジャパンの技術サービス&トレーニングマネジャーの小川直人氏は、「天候は変えられないが、オールシーズンタイヤという選択はできる」という同社のタグラインを紹介。これまでは、冬便りの前にオールシーズンタイヤを含めて“冬用タイヤ”への履き替えや購入を検討したものだが、これからはマイレージが進んだ標準タイヤの履き替えアイテムとして、季節を問わず、文字どおりオールシーズンで候補に入れてみてもいいかもしれない。
(文=櫻井健一/写真=webCG、佐藤靖彦/編集=櫻井健一)
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櫻井 健一
webCG編集。漫画『サーキットの狼』が巻き起こしたスーパーカーブームをリアルタイムで体験。『湾岸ミッドナイト』で愛車のカスタマイズにのめり込み、『頭文字D』で走りに目覚める。当時愛読していたチューニングカー雑誌の編集者を志すが、なぜか輸入車専門誌の編集者を経て、2018年よりwebCG編集部に在籍。
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