第784回:【ボルボEX30買いました】Appleユーザーは門前払い!? Googleインフォテインメントの真実
2024.04.16 エディターから一言EX30はAppleユーザーに冷たい!?
日ごろの行いがいいのか(!?)、納車当日は晴天に恵まれました。ボルボ・カー江戸川で「EX30」を受け取った私は、ピカピカの新車の写真を撮ろうと、ナビで目的地を検索。インフォテインメントシステムに「GoogleオートモーティブOS」を搭載しているEX30は、Googleマップで簡単に目的地が探せますし、「OK,Google」で音声での指示も可能。スマートフォンアプリの「ボルボ・カーズ・アプリ」が使える状況であれば、スマートフォンのGoogleマップで検索した結果を車両に飛ばすこともできるなど、使い勝手のよさがうれしいところです。
目的地が設定できたところで、走りだす前に音楽を再生しようとしたところ、思わぬ事態が! 私はいつも「Apple CarPlay」を使って「iPhone 15」をクルマのインフォテインメントシステムに接続し、「Apple Music」の音楽を聴いています。EX30には現時点で「ワイヤレスCarPlay」が搭載されておらず、近くソフトウエアアップデートで追加されるという話を聞いていました。「だったら取りあえずUSB接続で」と思い、ケーブルを使ってiPhone 15をクルマにつないだのですが、何の反応もありません。それもそのはず、EX30のUSB-C端子は充電用で、データ通信機能はないというのです。「ワイヤレスCarPlayはなくても、有線接続はできる」というのは私の勝手な思い込みでした。
ならばと、EX30のインフォテインメントシステムに音楽アプリをダウンロードして使おうとしましたが、「Spotify」「Amazon Music」「AWA」などはあるものの、いつも使っているApple Musicは見当たりません。さすがGoogle、Appleユーザーに冷たい。ウェブブラウザの「Vivaldi」をダウンロードしたらウェブ用の「Apple Musicプレーヤー」が使えたのですが、走行中は再生が停止。プリインストールされている「ラジオ」アプリも受信できません(その後に受信できるようになりました)。
結局、プリインストールの「BTメディア」を使ってBluetooth接続で音楽を聴いていますが、インフォテインメント側では再生/停止、早送り、巻き戻しの操作しかできず、プレイリストを変更するにはスマートフォンを操作する必要があるなどとても不便。音質もいまひとつで、一日も早くワイヤレスCarPlayが追加されることを願うばかりです。
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
センタースクリーンにはすぐ慣れたものの……
他のクルマから乗り換えると、「どう操作するんだろう?」と戸惑ってしまいそうなEX30のコックピット。「キータグ」と呼ばれるボタンのないリモコンキーを携帯していれば、ドアは自動で施錠/解錠してくれて、運転席に座ってブレーキを踏み、シフトレバーを操作すればこれで発進の準備が完了します。シフトレバーはセンターコンソールではなく、ステアリングコラムの右側にありますが、もう一台の愛車である「フォルクスワーゲンID.4」もほぼ近い位置にあるので、これはすんなり受け入れられました。
一方、ID.4とは異なり、EX30にはいわゆるメーターパネルがありません。速度やシフトポジション、バッテリー残量、運転に必要なエネルギーの出入りを示すパワーメーターなどは、センタースクリーン上部の「ドライバーインフォメーションエリア」に表示されます。これも思いのほかすぐに慣れました。
ドアミラーの調節やエアコンの温度設定、ハザードランプの操作などは、ほとんどセンタースクリーンのタッチパネルを使います。ミラーは車両設定のメニューから選び、実際の調節はステアリングホイールの右スポークにあるタッチスイッチを使うという難易度の高さ。ただ、一度シートポジションが決まってしまえば、あとはほとんど操作することはないので、面倒さは気になりません。
センタースクリーンを使った他の操作も、慣れると難しくはありません。ただ、使っていくうちに、いくつか改善してほしいところも出てきました。例えば、走行時に自動的に速度や車間距離を調整してくれる「パイロットアシスト」では、車間距離の設定がクルマを始動するたびに「長め」にリセットされてしまいます。私は「短め」が好みなので、クルマに乗り込むたびにセンタースクリーンで「車両」→「設定」→「運転」のメニューをたどって、車間距離の設定を変更しなければならないのが面倒です。ほかにも、ウインカーを操作するだけで車線変更が可能な「レーンチェンジアシスト」の設定が毎回リセットされてしまうのが不便です。
個人的には、急速充電中に何kW出力で充電されているのかを確認できないのが心細いところです。このあたりも、今後のソフトウエアアップデートで改善されたらいいのですが……。しかし、細かい不満はあっても、EX30の総合点は非常に高く、早くも「選んで正解!」と思い始めています。
(続く)
(文と写真=生方 聡/編集=藤沢 勝)

生方 聡
モータージャーナリスト。1964年生まれ。大学卒業後、外資系IT企業に就職したが、クルマに携わる仕事に就く夢が諦めきれず、1992年から『CAR GRAPHIC』記者として、あたらしいキャリアをスタート。現在はフリーのライターとして試乗記やレースリポートなどを寄稿。愛車は「フォルクスワーゲンID.4」。
-
第858回:レースの技術を市販車に! 日産が「オーラNISMO RSコンセプト」で見せた本気 2026.1.15 日産が「東京オートサロン2026」で発表した「オーラNISMO RSコンセプト」。このクルマはただのコンセプトカーではなく、実際のレースで得た技術を市販車にフィードバックするための“検証車”だった! 新しい挑戦に込めた気概を、NISMOの開発責任者が語る。
-
第857回:ドイツの自動車業界は大丈夫? エンジニア多田哲哉が、現地再訪で大いにショックを受けたこと 2026.1.14 かつてトヨタの技術者としてさまざまな車両を開発してきた多田哲哉さん。現役時代の思い出が詰まったドイツに再び足を運んでみると、そこには予想もしなかった変化が……。自動車先進国の今をリポートする。
-
第856回:「断トツ」の氷上性能が進化 冬の北海道でブリヂストンの最新スタッドレスタイヤ「ブリザックWZ-1」を試す 2025.12.19 2025年7月に登場したブリヂストンの「ブリザックWZ-1」は、降雪地域で圧倒的な支持を得てきた「VRX3」の後継となるプレミアムスタッドレスタイヤ。「エンライトン」と呼ばれる新たな設計基盤技術を用いて進化したその実力を確かめるべく、冬の北海道・旭川に飛んだ。
-
第855回:タフ&ラグジュアリーを体現 「ディフェンダー」が集う“非日常”の週末 2025.11.26 「ディフェンダー」のオーナーとファンが集う祭典「DESTINATION DEFENDER」。非日常的なオフロード走行体験や、オーナー同士の絆を深めるアクティビティーなど、ブランドの哲学「タフ&ラグジュアリー」を体現したイベントを報告する。
-
第854回:ハーレーダビッドソンでライディングを学べ! 「スキルライダートレーニング」体験記 2025.11.21 アメリカの名門バイクメーカー、ハーレーダビッドソンが、日本でライディングレッスンを開講! その体験取材を通し、ハーレーに特化したプログラムと少人数による講習のありがたみを実感した。これでアナタも、アメリカンクルーザーを自由自在に操れる!?
-
NEW
“走行性能がいいクルマ”と“運転しやすいクルマ”は違うのか?
2026.1.27あの多田哲哉のクルマQ&Aクルマの「走行性能の高さ」と「運転のしやすさ」は本来、両立できるものなのか? 相反するようにも思える2つ特性の関係について、車両開発のプロである多田哲哉が語る。 -
NEW
スバル・ソルテラET-HS(4WD)【試乗記】
2026.1.27試乗記“マイナーチェンジ”と呼ぶにはいささか大きすぎる改良を受けた、スバルの電気自動車(BEV)「ソルテラ」。試乗を通して、劇的に改善した“BEVとしての性能”に触れていると、あまりに速いクルマの進化がもたらす、さまざまな弊害にも気づかされるのだった。 -
NEW
【番外編】バイパー、磐越を駆ける
2026.1.27バイパーほったの ヘビの毒にやられましてwebCG編集部員が、排気量8リッターの怪物「ダッジ・バイパー」で福島・新潟を縦走! 雄大な吾妻連峰や朋友との酒席で思った、自動車&自動車評論へのふとしたギモンとは。下手の考え休むに似たり? 自動車メディアの悩める子羊が、深秋の磐越を駆ける。 -
ホンダ・シビック タイプR/ヴェゼルe:HEV RS 純正アクセサリー装着車【試乗記】
2026.1.26試乗記ホンダアクセスが手がける純正パーツを装着した最新ラインナップのなかから、「シビック タイプR」と「ヴェゼルe:HEV RS」に試乗。独自のコンセプトとマニアックなこだわりでつくられたカスタマイズパーツの特徴と、その印象を報告する。 -
春は反則金祭り!? 2026年4月に始まる「自転車の青切符導入」を考える
2026.1.26デイリーコラム2026年4月から、自転車を対象とした交通反則通告制度(青切符)が導入され、違反者には反則金が科されるようになる。なぜこうした事態になったのか、実情について自動車ライターの工藤貴宏が語る。 -
アウディS5アバント(前編)
2026.1.25ミスター・スバル 辰己英治の目利きアウディの手になる高性能スポーツセダン「S5アバント」に、“ミスタースバル”こと辰己英治が試乗! ここのところ電気自動車にご執心なアウディだが、エンジン車づくりは片手間になってはいまいか? 気になるその実力をリポートする。








































