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BMW X2 M35i xDrive(4WD/7AT)【海外試乗記】

すべてが変わった! 2024.05.18 アウトビルトジャパン AUTO BILD 編集部 第2世代に進化した「BMW X2」。先に登場した「X1」譲りのシャシーやパワートレインと、SAC(スポーツアクティービティクーペ)を名乗るスタイリッシュでエモーショナルなフォルムが織りなすクーペSUVの走りを報告する。

※この記事は「AUTO BILD JAPAN Web」より転載したものです。
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技術的な基盤はX1にあり

好きなように分類してほしい。クーペSUVと呼ぼうが、ハッチバックSUVと呼ぼうが、SACと呼ぼうが、これはBMW X2の第2世代である。「U10」は、新型X2に与えられたBMWの内部名称だ。

技術的基盤に大きな変更はない。先代と同様にBMW X1をベースにしている。もちろん中身は最新世代のものだ。しかしエクステリアデザインは、一見して新しいX2であると誰もがわかるようなものでもない。今回初めて完全な電気自動車バージョンである「iX2」が登場したのも、最新世代におけるトピックである。

新型X2の価格は、1.5リッター直3ターボに48Vマイルドハイブリッドシステムを組み込んだシステム最高出力170PSの「sDrive20i」が4万6400ユーロ(約765万円)から。

最高出力150PSの2リッター直4ディーゼル「sDrive18d」はそれよりも450ユーロ(約8万円)高く、さらにBMWは同300PSの「M35i xDrive」に最低6万3800ユーロ(約1055万円)を要求している。

第2世代に進化した「BMW X2」。新型では従来型の特徴にもなっていたCピラーの「BMW」ロゴが廃止されている。
第2世代に進化した「BMW X2」。新型では従来型の特徴にもなっていたCピラーの「BMW」ロゴが廃止されている。拡大
「X2」のプラットフォームは前型と同様の「UKL2」をベースに、電動化を想定したモディファイが加えられた「FAAR」を採用している。
「X2」のプラットフォームは前型と同様の「UKL2」をベースに、電動化を想定したモディファイが加えられた「FAAR」を採用している。拡大
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ユニークなエクステリアデザイン

新型X2は、非常に個性的な外観をしている。フロントセクションには内部が矢印モチーフとなったヘッドランプとアルミニウム製ボンネット、独自のキドニーグリル(オプションで照明付きも選べる)が採用されている。また、角張ったX1よりもアップライトな印象はない。

ボディーサイドのフォルムが細長く見えるのは、目の錯覚ではない。4.55mというバイエルン製のクーペSUVは、先代モデルよりも20cmほど長く、現行X1よりも5.5cm長い。全高は先代のX1より6cm高くなっている。2.69mのホイールベースは、予想どおり最新のX1と変わらない。

オートマチックテールゲート、ナビゲーション、デュアルゾーンクライメートコントロール、パーキングアシスタント、レインセンサー、リバースカメラは標準装備となるアイテムだ。

ただし、新型では従来型の特徴にもなっていたCピラーの「BMW」ロゴが廃止されている。リアコンビランプは下側がギザギザで、見慣れたBMWのデザイン路線から大きく外れているようだ。顧客がこれを気に入るかどうかはまだわからない。

内部が矢印モチーフとなったヘッドランプと大型のフロントグリルが目を引く「X2 M35i xDrive」のフロントフェイス。キドニーグリルはオプションで照明付きも選べる。
内部が矢印モチーフとなったヘッドランプと大型のフロントグリルが目を引く「X2 M35i xDrive」のフロントフェイス。キドニーグリルはオプションで照明付きも選べる。拡大
「M35i xDrive」に備わる「Mスポーツシート」は、ドライバーと助手席乗員の腰を優しく確実にホールドする。
「M35i xDrive」に備わる「Mスポーツシート」は、ドライバーと助手席乗員の腰を優しく確実にホールドする。拡大

トップモデルの最高速度は250km/h

X2には現在4種類のエンジンが設定されている。前述のとおり、2リッター直4ディーゼルターボを搭載する前輪駆動のsDrive18dは最高出力が150PS。同エンジンの四輪駆動モデル「xDrive20d」は最高出力が163PSに引き上げられ、最大けん引能力が2tとなる。

その上に位置するのは、1.5リッター直3ガソリンエンジンに48Vマイルドハイブリッドを組み合わせたシステム最高出力170PSのsDrive20iだ。トップモデルは最高出力300PS、最大トルク400N・mの2リッター直4ガソリンターボを搭載する四輪駆動のM35i xDriveで、0-100km/h加速5.4秒、最高速250km/hという実力を誇る。

これらすべての内燃機関には、7段DCT(デュアルクラッチトランスミッション)が組み合わされる。2024年夏には、より小型のガソリンエンジンを搭載するエントリーモデルが登場する予定だ。

最高出力300PS、最大トルク400N・mの2リッター直4ガソリンターボを搭載する「M35i xDrive」は、0-100km/h加速5.4秒、最高速250km/hという実力を誇る。
最高出力300PS、最大トルク400N・mの2リッター直4ガソリンターボを搭載する「M35i xDrive」は、0-100km/h加速5.4秒、最高速250km/hという実力を誇る。拡大
「M35i xDrive」には、4本出しのテールパイプフィニッシャーが備わる。
「M35i xDrive」には、4本出しのテールパイプフィニッシャーが備わる。拡大

車内でゲームとストリーミングを楽しめる

インストゥルメントパネルは、10.25インチのメーターパネルと10.7インチのタッチ式センターディスプレイというおなじみの組み合わせだ。スイッチ類は最小限に抑えられ、従来の「iDriveコントローラー」は存在しない。

その代わり、AndroidベースのOS9によるボイスコントロールとタッチ機能が、各種操作を容易にするよう設計されている。新機能としてプレミアムサブスクリプション「BMWデジタルプレミアム」(月額約10ユーロ=邦貨換算で約1650円、途中解約可能)があり、車内ゲームやストリーミングサービス、サードパーティー製アプリ、決済機能などをデータ容量無制限でX2に統合できる。

ただし、ラップタイマーなどの「M」専用アプリは、“本物”のMモデルだけのもので、M35i xDriveでは利用できない。

X2の居住性は、兄弟車のX1とは異なる。X1に比べて若干低いシートポジションはX2の特徴だろう。後席は余裕の広さというわけではないが、身長1.73mの記者が座ってもまだ十分なスペースがある。

インストゥルメントパネルは、10.25インチのメーターパネルと10.7インチのタッチ式センターディスプレイというおなじみの組み合わせ。
インストゥルメントパネルは、10.25インチのメーターパネルと10.7インチのタッチ式センターディスプレイというおなじみの組み合わせ。拡大
後席は余裕の広さというわけではないが、身長1.73mの記者が座ってもまだ十分なスペースがある。
後席は余裕の広さというわけではないが、身長1.73mの記者が座ってもまだ十分なスペースがある。拡大

自信に満ちた価格

トップモデルであるM35i xDriveのステアリングを握った。まずは「スポーツ」モードに切り替える。7段DCTのギアチェンジは明らかに鋭くなっている。4本出しのテールパイプフィニッシャーが奏でるエキゾーストノートは、車内にいるとほとんど聞こえない。せいぜい、ドライバーがアクセルから足を離したときにアフターファイアが響く程度だ。

結論
X1ではスポーティーさに欠けるし、かといって「X4」では高価すぎる。X2の洗練された走りは魅力的だ。しかし、その自信に満ちたBMWの価格ポリシーに向き合うためには、われわれユーザーに財政的余裕がなければならない。

(Text=Peter R. Fischer and Jonas Uhlig/Photos=BMW AG)

記事提供:AUTO BILD JAPAN Web(アウトビルトジャパン)

新型「X2」の全長は4.55m、全幅は1.85m。2024年夏には、より小型のガソリンエンジンを搭載するエントリーモデルが登場する予定だ。
新型「X2」の全長は4.55m、全幅は1.85m。2024年夏には、より小型のガソリンエンジンを搭載するエントリーモデルが登場する予定だ。拡大
AUTO BILD 編集部

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