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第417回:コレは新手のケータイか電気の馬車か?
 わが家にEVがやってきた Yah! Yah! Yah!

2010.11.26 小沢コージの勢いまかせ! 小沢 コージ
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第417回:コレは新手のケータイか電気の馬車か? わが家にEVがやってきた Yah! Yah! Yah!

帰るなり充電……そこに感じる未来

「『この味がいいね』と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」って懐かしさすら覚えるフレーズだけど、今回はそれを思いっきりパクリたくなるキブンでしたわ。「この存在新しいね」と僕が思ったから今日はEV記念日!! なんてな〜(笑)。つくづく時代の変化、もとい自分も年を取ったことを実感した次第です。

で、わが家に来たのは「プリウス プラグインハイブリッド(PHV)」! 厳密には純粋な電気自動車(EV)ではないけれど、その気になれば23.4km(カタログ値)を電気のみで走れる、よりEVに近い「プリウス」だ。現在は少量がリース販売されてるだけなんだけど、たまたま仕事で1週間ほど借りることになって、意外なる衝撃を受けたのだ。

どこにシビれたかっていうと、それは充電作業。それも作業そのものではなく、おのれの生活様式というか、意識変化にビックリした。

実際この1週間、家に帰ってまずやることってなんだったと思います? そう、充電ですよ充電、それも3つの。まずはプリウスPHVを狭い駐車場に止めたら、おもむろにラゲッジから電源コードを取り出し左前フェンダーにあるソケットにつなぐ。するとプリウスは充電インジケーター点灯と同時に、「ブーン」と電動ファンが回り出す。「命を与えられた」って感じなのよ。

で、お次は部屋に入って携帯電話を充電スタンドに差し込み、続きカバンから愛用のMacBookを取り出しACアダプターをつなぐ。これまたモニターで充電インジケーターを確認。さらに、最近買ったiPhone用スピーカーも車内から机に移して、そこでやっとひと息「ふ〜」ってな具合。

今までも帰宅するなり携帯とパソコンに電源をつなぐ流れだったけど、さらにもう1アイテム増えた。いわば“ケータイ&パソコンの一種”としてのクルマの登場。それか昔のウエスタン映画で、カウボーイが馬で帰ってきたとたん、飼い葉と水をやってるのを見たもんだけど、それに近い感じ? ……って別に馬飼ったことないですけどね(笑)。

ほとんどビョーキな充電場所探し

でもとにかく移動の多い売れっ子(?)ジャーナリストの俺だけに、常に充電が必要な携帯とパソコンの充電場所探しは習慣というか、強迫観念にすらなっている。特に今はバッテリーの減りやすいiPhoneなんで、なにかと「ここ電源ない?」って聞いている。

今後普及し始めるであろうEVも当初は航続距離が短いに決まってるから、同様の悩みというかストレスは増えるはずなのだ。もちろんPHVは充電がなくなってもガソリンで走れるから怖さはないけど、EV状態での燃費の良さはかなり魅力的。特に最近はガソリン代が不安定なだけでなく、ときおり本当に高くなるからフル充電してれば、都内なら大抵のところまで行けちゃう能力は魅力がある。
今回も東京都大田区の自分の事務所から文京区のトヨタまで(約20km)ガソリンを全く使わず走れたし、試乗会に行く時には東名高速の用賀インターを過ぎるまで(約12km)完全EV状態で行けた。値段でいえばガソリン代で200円ぐらいのところが、電気代で数10円ってとこなんだろうけど、気分的には電気代はタダみたいなところがあってそのお得感は侮りがたい。なので、わりとビンボー症な俺としてはスキあらば充電したいとか思ってしまう(笑)。
それはなんというか、どうせなら1円でも安い野菜を買うためにスーパーをハシゴする主婦みたいなキブンで、EVはハイブリッド以上に日本人のマジメさというか倹約精神をあおる存在になりうるのだ!

一方、そこにはある種のお遊び感覚もあって、今、ハイブリッドカーでエコのバロメーターである燃費メーターを見るのがはやってるように、EVがフル充電でどこまで行けるか! はある種のゲームでもある。オオゲサに言うと、たった3分でパワーが切れるウルトラマンのよう(笑)。動ける範囲でなにができるか? どこで充電できるか? は常に考えるところで、そこがEVユーザーの醍醐味(だいごみ)なんだと思う。

とにもかくにも未来とは、予想外のカタチで現れるもの。今回プリウスPHVで感じた“EVのある生活”の醍醐味は、まるでゴルフ用電動カートのようにスーッと進む、しかもその状態が100km/h近くまで続く新鮮な走りもさることながら、実はその今までにない充電マインドにあった。

翌朝、メータ上の「充電を完了しました」のインジケーターを確認後、電源ケーブルを抜いて走り出す。その瞬間、俺は「ああ、これが未来のカーライフなのか!」とかみしめた。

そういえば最近近所のオバサンは俺がいくら高いクルマに乗ってきても驚かなくなっていたけど、プリウスに電源をつなぐのを見ていたら「え、これが電気自動車なの!?」と驚いていたなぁ。
未来は突然現れる。生活はいつの間にか変わっていく。本当にそう実感した。

(文と写真=小沢コージ)

小沢 コージ

小沢 コージ

神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』

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