スズキ・スイフト ハイブリッドMZ(前編)

2024.07.04 あの多田哲哉の自動車放談 多田 哲哉 クルマ好きからも人気の高い、スズキのコンパクトカー「スイフト」。より幅広いユーザー層に向けて開発された新型を、元トヨタのエンジニアである多田哲哉さんはどう見るのか? 試乗のうえ評価してもらった。
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お手本になる一台

新型スイフトを前にした多田さんは、スイフトにまつわる自身の思い出から切り出した。

「ちょうど『86』の構想を練っているころ、当時のスイフトと『スイフトスポーツ』に乗って感銘を受けました」

初代86の開発時期を考えると、多田さんのいうスイフトとは、グローバル共通のスイフトとしての初代とその次の2代目(=先々々代と先々代)だろう。スイフトスポーツも現行の1.4リッターターボではなく、1.6リッター自然吸気モデルということになる。

「その時は『86はとどのつまり、FRのスイフトをつくればいいんだ』と思わせてくれました。エンジンパワーに頼らない走りの楽しさがあって、価格も手ごろ。よくできたMTもきちんと用意されています。あとは『FFではスポーティーに走れない』という、一部のマニアがこだわる“重箱の隅”だけです」

こうしてスポーツの存在がクローズアップされがちなスイフトだが、その実像はグローバルで最も大量に売れるスズキ車である。生産拠点はインドと日本。販売市場は(スズキ自体が撤退済みの)北米と中国をのぞく全世界。なかでも、インド、日本、欧州は、初期のコンセプトメイクの段階からチーフエンジニア(CE)の小堀昌雄さんが足を運んだ重点マーケットだ。

古典的なスポーツテイストを押し出していた先代から、ガラリとイメージチェンジした新型スイフトを見て、「このデザインは、日本より海外を見ている感じがします」と多田さん。

 
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