「ハイオクとレギュラーを混ぜても大丈夫?」
2010.09.04 クルマ生活Q&A ガソリン・オイル「ハイオクとレギュラーを混ぜても大丈夫?」
日本で販売されている多くのヨーロッパ車は、ハイオクガソリンの使用が指定されています。これは日本のレギュラーに相当するヨーロッパのガソリンのオクタン価が95前後であるからだそうですね。いっぽう日本のハイオクタンガソリンは、オクタン価はおよそ100と聞いています。ということは、日本のレギュラーとハイオクを混合してオクタン価95にすれば、ヨーロッパ車のエンジンに悪影響を与えずに乗れるのではと考えたのですが、いかがでしょうか。
お答えします。たしかにご指摘のように考えられそうですが、実際にはそううまくはいきません。石油会社に聞いたところでは、ハイオクにはエンジン内部をきれいに保つための清浄剤が入っているなど、レギュラーとはガソリンの分子構造が異なるため、簡単には混ざらないそうです。
現在の多くのエンジンでは、ハイオク指定であっても、誤ってレギュラーを入れてしまった場合やレギュラーしか入手できない場合に備えて、コンピュータが燃料の噴射や点火のタイミングを変えるなどしてエンジンを傷めないような設計が施されています。
とはいえ、レギュラーでは所定の性能は発揮できませんし、燃費も低下します。本来ならしなくていい仕事をさせるわけですから、エンジンに負担がかかるのです。
また、いったんレギュラーを入れてしまうと、次の給油の際にハイオクを入れてもエンジンの状態はすぐには元の状態に戻りません。学習機能によってレギュラーに合わせてエンジンをコントロールしていたコンピュータが、再びハイオクと判断して元の調子に戻すまでに多少の時間を必要とするからです。
ということで、やはりハイオク仕様には素直にハイオクを入れることをおすすめします。

松本 英雄
自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。