ホンダN-ONE e:L(後編)

2026.03.19 あの多田哲哉の自動車放談 多田 哲哉 ホンダらしい軽EVと、ちまたで評判の「N-ONE e:」。初めてステアリングを握った元トヨタの多田哲哉さんが、その良かった点と気になった点について、エンジニアの視点で熱く語る。
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意思のこもったデザイン

自身が所有する「RAV4 PHV」の充電口がボディーの横にあることで「自宅でのケーブルの取り回しが面倒で、最近はあまり充電しなくなった」と笑う多田さんは、「充電口はN-ONE e:のようにフロントにあったほうが便利」と語る。

そんなN-ONE e:のフロントパネルには「N-VAN e:」と同じく、バンパーリサイクル材が使われている。表面に見えるキラキラとした細かい粒子は元のバンパー塗装のカケラで、それをあえて除去しないことで、リサイクル素材であることを主張する。今のところは普通の樹脂よりコストが高いそうだが、エコイメージのためにあえて採用しているそうだ。

「その気持ちは痛いほどわかりますよ(笑)。私がチーフエンジニア(CE)をつとめた初代『トヨタ86』でも、ベーシックな「RC」に採用した塗装レスのバンパーは、数が少ないこともあって普通の同色バンパーより逆に高価だったんです。でも、競技ベース車両というイメージもあって、コストが高い塗装レスバンパーを無理やり使いました」

こうしてN-ONE e:が専用のリサイクル素材フェイスを採用するのは、充電口の追加と衝突安全といった理由で、「N-ONE」のフロントデザインを変更する必要があったからでもある。N-ONE e:ではそんなフロントエンドに加えて、リアウィンドウやリアゲート、リアバンパーまで湾曲した専用デザインとなっている。

聞けば、N-ONE e:の試作車に乗ってインスピレーションを得たデザイナーが「この走りの軽快さを表現したい」と希望したからという。

「トヨタでも、デザイナーのイメージを喚起するために、クルマに試乗してもらうことはあります。実際、『スープラ』のときには、デザイナーもドイツのニュルブルクリンクのコースに連れていって、テストドライバーの横に乗ってもらったりもしました」

 
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