日産自動車が新たな長期成長戦略を発表 AIによる自動運転を次世代技術の柱に

2026.04.20 自動車ニュース 藤沢 勝
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日産が新たな長期ビジョン「モビリティの知能化で、毎日を新たな体験に」とともに初披露した新型「エクストレイル/ローグ」。
日産が新たな長期ビジョン「モビリティの知能化で、毎日を新たな体験に」とともに初披露した新型「エクストレイル/ローグ」。拡大

日産自動車が2026年4月14日に新たな長期ビジョンを発表した。ご存じのとおり日産は事業再生計画「Re:Nissan」に沿った建て直しの真っ最中だが、Re:Nissanは2026年度が最終年であり、計画どおりに進んでいるとのこと。今回の長期ビジョンはその後の成長戦略を示したものだ。

日本での現行型「エクストレイル」の発売は2022年7月だが、北米の「ローグ」は2020年発売。この新型はフルモデルチェンジだろうか。
日本での現行型「エクストレイル」の発売は2022年7月だが、北米の「ローグ」は2020年発売。この新型はフルモデルチェンジだろうか。拡大
「エクストレイル/ローグ」と同時に発表された「ジュークEV」。ポリゴンのようなボディーパネルが特徴だ。
「エクストレイル/ローグ」と同時に発表された「ジュークEV」。ポリゴンのようなボディーパネルが特徴だ。拡大
「ジュークEV」は欧州市場でのコアモデルとされている。日本への導入はアナウンスされていない。
「ジュークEV」は欧州市場でのコアモデルとされている。日本への導入はアナウンスされていない。拡大
ラダーフレームを使ったSUVの「エクステラ」はティーザー画像が公開された。
ラダーフレームを使ったSUVの「エクステラ」はティーザー画像が公開された。拡大
新型「スカイライン」のティーザー画像も公開された。テールランプは丸目2灯、車名バッジは筆記体になるようだ。
新型「スカイライン」のティーザー画像も公開された。テールランプは丸目2灯、車名バッジは筆記体になるようだ。拡大
「スカイライン」のティーザー画像はフロントも。ボンネットの先端にはファン感涙の「S」バッジが貼られている。
「スカイライン」のティーザー画像はフロントも。ボンネットの先端にはファン感涙の「S」バッジが貼られている。拡大

「モビリティの知能化で、毎日を新たな体験に」と銘打たれているように、長期ビジョンの柱となる次世代技術はAIを核とした知能化と電動化である。AIドライブ技術とAIパートナー技術を搭載した「AIディファインドビークル(AIDV)」と呼ばれる車両によって移動そのものを進化させ、移動の時間をより価値の高い体験に進化させるとのことである。AIドライブ技術とはAIを使った高度な自動運転を示しており、将来的にはモデルラインナップの9割に搭載予定。2026年夏の発売が予定されている新型「エルグランド」には、商品ライフサイクルの一環として、2027年度末までにエンドツーエンド(出発から到着まで)の自動運転を実現した「プロパイロット」を搭載するという。

一方のAIパートナー技術は、AIを使ったコンシェルジュ機能のようだ。ドライブ中に「行きつけのカフェに寄りますか?」などと提案し、イエスと伝えるとナビゲーションの目的地をセットしたり、ドライブ中の通話の内容を解析して目的地をセットしたりといったことができるらしい。

具体的な商品の戦略としては、まず低収益モデルから撤退し、モデル数を現在の56から45に絞り込むとのこと。それらのモデルを日産らしさを体現しブランドの情緒的価値と革新性を担う「ハートビートモデル」、規模と安定性で事業を支える「コアモデル」、新たな需要の拡大を担う「成長モデル」、協業を通じて市場カバレッジを広げる「パートナーモデル」の4つに分類し、モデルあたりの販売台数増加と事業基盤の強化を目指す。

「フェアレディZ」や大型SUVの「パトロール」、新型「リーフ」などが含まれるハートビートモデルには、新たにラダーフレームを使ったSUVの「エクステラ」(V6エンジンとV6ハイブリッドがあるらしい)を導入。これは北米向けのようだが、日本向けには新型「スカイライン」が用意されている。

コアモデルにはビジョン発表と同時に新型が発表された「エクストレイル/ローグ」や欧州での主力を担う「ジュークEV」などが代表的な存在だ。どちらも大胆なデザインを採用しており、日産の前向きさを感じさせるSUVである。

成長モデルには夏に登場予定の新型エルグランドに加えて、デザイン変更が予告された「サクラ」も含まれる。日産はホームマーケットの販売台数を2030年までに55万台に拡大するとのことなので、この2モデルにそのけん引役を期待しているということだろう。

パートナーモデルはルノーとの協業による「マイクラ」や鄭州日産との協業によるプラグインハイブリッドのピックアップトラック「フロンティア プロ」などが含まれる。「三菱アウトランダーPHEV」のOEMモデル「ローグ プラグインハイブリッド」も同様だ。

なお、高級ブランドのインフィニティはこれらとは別の扱いで、今後も商品戦略において重要な役割を担うとのこと。2026年に導入予定の新型「QX65」に加えて、走りを重視したV6エンジン搭載のセダンと2車種の大型ハイブリッドSUVの発売が予定されている。

パートナーモデルはともかくとして、これらの開発には新しいアプローチを取り入れる。「商品ファミリー」の考えのもとにプラットフォームやパワートレイン、上屋部品などの共通化を推し進める。つまり現在の「ノート」と「ノート オーラ」のような関係のクルマの部品をさらに共通化するばかりか、ここから派生するコンパクトSUVなども同様の手法で開発するという。これによって部品点数を20%、部品種類を70%削減。開発期間は40%短縮し、開発着手から市場投入までの期間は30カ月を目指す。ファミリーは全3種類と発表されているが、現時点で判明しているのはコンパクトとフレームのみ。残りの1つは後日発表予定という。

市場戦略の見直しも図っており、新たにリード市場に位置づけられたのは米国と中国、そして日本の3つ。北米では上記のようなモデルを導入し2030年度までに100万台を目指すとのこと。中国では新エネルギー車の販売を強化して同様に2030年までに100万台の販売を目指すほか、セダンの「N7」はラテンアメリカとアセアンに、フロンティア プロはラテンアメリカとアセアン、中東に向けた輸出を拡大するという。先に記したとおり日本では55万台の販売を目標に、2028年度以降には新たなコンパクトカーシリーズを導入。若年層へのアプローチを強化するという。

(webCG)

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