クルマ好きなら毎日みてる webCG 新車情報・新型情報・カーグラフィック
【スペック】全長×全幅×全高=4740×1775×1660mm/ホイールベース=2750mm/車重=1590kg/駆動方式=4WD/2リッター水平対向4 DOHC16バルブ(150ps/6000rpm、19.5kgm/3200rpm)/価格=231万円(テスト車=303万4500円/カメリアレッドパール(有料塗装色)=3万1500円/パノラミックガラスルーフ+リヤビューカメラ付音声認識HDDナビゲーションシステム+SRSサイドエアバッグ+SRSカーテンエアバッグ=69万3000円)

スバル・エクシーガ2.0i-L(4WD/CVT)【試乗記】

エクシーガよ、どこを目指す? 2009.11.12 試乗記 島下 泰久 スバル・エクシーガ2.0i-L(4WD/CVT)
……303万4500円

「レガシィ」の血を引く、スバルの7シーターモデル「エクシーガ」が小変更を受けた。新開発のCVTを搭載する、2リッターNAモデルの走りを試す。
【webCG】クルマを高く手軽に売りたいですか? 車一括査定サービスのおすすめランキングを紹介!

CVTの悪癖が目立つ

デビューからもうじき1年半となる「エクシーガ」は最近、今まで以上に「レガシィ」の血縁であることを強くアピールしている。単なる7シーターではなく、スバルらしく走りを重視していることを謳いたいのだろう。もっともレガシィがモデルチェンジでデザインも走りもテイストを大きく変えてしまっただけに、一見して共通のDNAを感じ取るのはむしろ難しくなったとさえ言えるかもしれない。しかし現金なもので、レガシィよりクリーンなそのデザインが、今になって案外悪くなく見えてきた感は正直言ってある。

そんなエクシーガに、レガシィに続いて新開発のCVT「リニアトロニック」が搭載された。採用されたのは、水平対向2リッター自然吸気(NA)エンジンを搭載した「2.0i-L」「2.0i-S」の2モデル。以前の4段ATからの置き換えである。それに伴って、エンジンの最高出力が148psから150psへと増大しているが、基本的には同じものと見ていいだろう。ちなみにレガシィでは、CVTは2.5リッターNAエンジンとの組み合わせである。

では、それで走りはどう変わったか? 結論から言えば、残念ながら個人的にはあまり満足のいく仕上がりとは思えなかった。

まず発進して徐々に加速していく時には、CVT特有の悪癖であるエンジン回転が先行する感じが強い。欲しいだけのレスポンスが得られないから、感覚としては常に加速以上にアクセルを踏み込んでいるよう。実際の加速以上にもどかしく感じられてしまう。
さらに加速をという時にも、やはり軽く踏み込んでも即座に反応してくれないから、ついつい多めにドンッと踏み、速度が乗ってきたらアクセルをパカッと離して、みたいな運転になりがちだ。しかもアクセルを離しても加速感がまだ残っているから速度コントロールもしにくい。こんな具合で繊細に運転しても応えてくれないと、そのうち適当な運転になってしまう。

スバル エクシーガ の中古車webCG中古車検索

コーナーでは楽しめるが……

たしかにドライバーの意思に関係無くエンジンの美味しいところを使おうとするから、効率は悪くないのだろう。実際、今回も燃費はリッター当たり10km近辺を上下していて、サイズを考えれば上々と言えるとは思う。しかし走りの気持ち良さという面では響くところは薄い。せっかく心地良い吹け上がりをもつボクサーユニットなのに、回転をひとりで上下させようとしてウーウー唸っているだけである。

そもそもCVTは、特に効率性を高めようとすればするほど、レスポンスの面では人間の感性とかけ離れていきがちだ。残念ながらその悪癖が、このエクシーガではモロに出ている。せめて低速トルクのある2.5リッターなら、ドライバビリティは随分良くなっていただろうし、燃費だってきっとそうだったはずだ。

乗り心地は、とても当たりが柔らかい。しかし高速道路をそれなりのペースで走っていると、グラッとした動きで特にボディ後半部の重心の高さが感じられて、直進時でも強い風に煽られると進路が乱れがちだ。もう少しビシッと走ってくれたほうが、快適に感じられるのではないだろうか? 運転席だけの話ではない。こういう動きは席が後ろになるほど大きくなるものである。

それでもコーナーでは、一旦曲がり始めてしまえば、安定した姿勢で気持ち良く駆け抜けることができる。このあたりはまさにDNAのなせるワザ。操舵初期のヨッコイショという動きにさえ慣れれば、ワインディングロードでも結構楽しむことができるのだ。


スバル・エクシーガ2.0i-L(4WD/CVT)【試乗記】の画像 拡大
2列目シート。左右独立して前後にスライドが可能。
2列目シート。左右独立して前後にスライドが可能。 拡大
3列目シート。
3列目シート。 拡大

スバル・エクシーガ2.0i-L(4WD/CVT)【短評】

もっと自身に自信を

このクルマの目指した境地は一体どこだったのだろうか? それこそレガシィにも通じる味わいを期待すると、緩慢なレスポンス、歯切れの良くないフットワークに裏切られる。別にCVTだからダメだと言うつもりはない。世の中には、CVTでも良くできたクルマはある。アシを硬くしろと言っているわけでもない。しかし現状は、せっかくのスバルらしい走りのDNAを生かし切れていないと思わざるを得ない。

水平対向エンジンやシンメトリカルAWDなど、メカニズムについては一本筋の通ったところを見せるスバルだが、デザインや走りのテイスト等々の部分は、どうも統一感に乏しいというのが正直なところである。スバルは自らのブランドの価値、揺らいではいけないものはなにかということを、再度見直すべきなのでは?

クリックするとシートアレンジによる荷室の変化が見られます。
スバル・エクシーガ2.0i-L(4WD/CVT)【短評】

ついレガシィを引き合いに出してしまうのは、自身の魅力、本当の持ち味を自分でわかっていないからだ。見たいのは、もっと自らの素性を生かした、そして自信に満ちあふれたエクシーガである。進化に期待したい。

(文=島下泰久/写真=高橋信宏)

島下 泰久

島下 泰久

モータージャーナリスト。乗って、書いて、最近ではしゃべる機会も激増中。『間違いだらけのクルマ選び』(草思社)、『クルマの未来で日本はどう戦うのか?』(星海社)など著書多数。YouTubeチャンネル『RIDE NOW』主宰。所有(する不動)車は「ホンダ・ビート」「スバル・サンバー」など。

試乗記の新着記事
  • 日産リーフB7 G(FWD)【試乗記】 2026.3.20 民生用電気自動車のパイオニアである「日産リーフ」が3代目へとフルモデルチェンジ。シャシーや電池、モーターなどすべての要素を刷新し、もはやスペック上は何の不安もない水準にまで進化している。360km余りのドライブで実際のところを確かめた。
  • モト・グッツィV7スポルト(6MT)【レビュー】 2026.3.18 イタリアの名門、モト・グッツィのマシンのなかでも、特に歴史を感じさせるのがロードスポーツの「V7」だ。ファンに支持される味わい深さはそのままに、よりスポーティーにも楽しめるようになった最新型の実力を、上級グレード「V7スポルト」に試乗して確かめた。
  • トヨタRAV4 Z(4WD/CVT)/RAV4アドベンチャー(4WD/CVT)【試乗記】 2026.3.17 「トヨタRAV4」が6代目へと進化。パワートレインやシャシーの進化を図ったほか、新たな開発環境を採用してクルマづくりのあり方から変えようとした意欲作である。ハイブリッドの「Z」と「アドベンチャー」を試す。
  • アストンマーティン・ヴァンキッシュ ヴォランテ(FR/8AT)【試乗記】 2026.3.14 英国の名門、アストンマーティンの旗艦車種「ヴァンキッシュ」に、待望の「ヴォランテ」が登場。5.2リッターV12エンジンを搭載した最上級コンバーチブルは、妥協のないパフォーマンスと爽快なオープンエアのドライブ体験を、完璧に両立した一台となっていた。
  • プジョーE-3008 GTアルカンターラパッケージ(FWD)【試乗記】 2026.3.11 「プジョー3008」の電気自動車版、その名も「E-3008」が日本に上陸。新しいプラットフォームに未来感あふれるボディーをかぶせた意欲作だが、その乗り味はこれまでのプジョーとは明らかに違う。ステランティスのような大所帯で個性を発揮するのは大変だ。
試乗記の記事をもっとみる
スバル エクシーガ の中古車webCG中古車検索
関連キーワード
新着記事
新着記事をもっとみる

メルマガでしか読めないコラムや更新情報、次週の予告などを受け取る。

ご登録いただいた情報は、メールマガジン配信のほか、『webCG』のサービス向上やプロモーション活動などに使い、その他の利用は行いません。

ご登録ありがとうございました。

webCGの最新記事の通知を受け取りませんか?

詳しくはこちら

表示されたお知らせの「許可」または「はい」ボタンを押してください。