日産スカイラインクロスオーバー370GT プロトタイプ(FR/7AT)【試乗速報】
ゴージャスな末っ子 2009.06.12 試乗記 日産スカイラインクロスオーバー370GT プロトタイプ(FR/7AT)これが新時代の「スカイライン」か!? 間もなく日本市場に導入される「スカイラインクロスオーバー」のプロトタイプを、クローズドコースで試乗した。
クーペとSUVの“イイとこ取り”
顔はスカイライン、背を少し高くして、お尻はステーションワゴンっぽく。文字にすると、天狗というかユニコーンというか、想像上の得体の知れないクルマみたいだ。けれど、太陽光の下で見る「日産スカイラインクロスオーバー」は素直にカッコいい。特に、柔らかな曲線を描くルーフのラインがきれいだ。
この夏に日本での販売が始まるスカイラインクロスオーバーのプレス向け試乗会が、追浜の日産のテストコースで行われた。このクルマはまったくの新型車というわけではなく、欧米では「インフィニティEX」としてすでに発売されている。ただし今回試乗したのは日本市場向けのプロトモデルということで、実際に販売される仕様とは少し異なる可能性があることをお断りしておきたい。
日本市場に導入されるのは、3.7リッターV型6気筒エンジンと7ATを組み合わせた仕様。FRの「370GT」と四駆の「370GT FOUR 」がラインナップされ、さらにそれぞれの豪華装備充実仕様が用意される予定だという。今回試乗したのは、FRのモデルだ。
クロスオーバーというと、「SUV」と「ステーションワゴン」の“イイとこ取り”をしたクルマを指すケースが多い。けれどもスカイライン クロスオーバーは「SUV」と「クーペ」の融合とのことで、確かに外観からはゴツさを一切感じさせない。そして外観の優雅な印象は、走らせてみても同じだった。
パワートレーンは想定内、乗り心地は想定外
走り始めてすぐに気付くのは、その乗り心地のよさ。1周4kmのテストコースには、さまざまな一般道の路面が再現されていて、たとえば「足尾銅山近くにある、たくさんのトラックの通過で荒れた道」などもある。その中に、乗り心地の悪さで知られる首都高速3号線、4号線の繋ぎ目がある路面も設置されていた。
えー、遠くに一発目の繋ぎ目が見えてまいりました。そうです、見慣れたあの、「首都高の繋ぎ目」です。だんだん繋ぎ目が近づいてきます。「ガツン」とくるであろうショックに身構えましょう!!
ところが、スカイラインクロスオーバーはタンタンと軽やかに繋ぎ目を通過した。乗り越えた後のボディの揺れも、一発で収まる。
シャープ&パワフルなVQ37VHR型V6エンジンと7ATを組み合わせたパワートレーンのできがいいことは、「スカイライン」や「スカイランクーペ」から想像できた。けれど、この乗り心地のよさは想定の範囲外だった。しかもただソフトなだけでなく、テストコース内のタイトコーナーではFRらしい素直なハンドリングを楽しむことができた。
開発のまとめ役を務めた大澤辰夫CPS(チーフ・プロダクト・スペシャリスト)によれば、スカイランクロスオーバーは、スカイライン3兄弟のなかで最もラクシュリーな位置づけになるのだという。サスペンション形式はセダンやクーペと共通であるけれど、荷室を確保するためにリアのサスペンションには少し手を加えた。そして、ラクシュリーな性格に合わせて、やや乗り心地重視にセッティングを変更したとのことだ。
ライバルはオールロードクワトロ
正直、「スカイライン」の着せ替えオシャレ版ぐらいに思っていたけれど、大澤CPSによれば外装部品もほとんどオリジナルとの由。クルマを前にして、どの部品が共通ですか? と尋ねたところ、「うーん」と腕組みしてから「コレとコレぐらいかな」と言いながら、サイドマーカーとタイヤのバルブの2つを指さした(!)。
インテリアにも共通の部品はほとんどなく、言われてみれば「クロスオーバー」はレザーの使い方など、かなり洒落た演出が施されている。いくつかの仕様が並んでいたけれど、個人的にはブラウンの革内装がステキだと思った。
「荷室はそんなに広くないですね」と大澤CPSに振ると、「カッコ優先ですから」ときっぱり。その思い切りのよさ、いいと思います。
ほかに、駐車アシスト機能が備わる「アラウンドビューモニター」や、フラついて車線をまたぎそうになるとドライバーに警告する「レーン・デパーチャー・プリベンション」など、興味深い安全支援装置が装備されていた。これらは、まもなく正式な日本仕様で試すことができるはずだ。
大澤CPSが「アウディのオールロードクワトロなどと比べてほしい」と語るように、「スカイライン」や「スカイラインクーペ」とはまったく別の、新しいお客さんが付きそうなモデルだ。価格は未定とのことだけれど、上記の性格から考えて、スカイライン3兄弟で最も高価なモデルになることは間違いないだろう。
(文=サトータケシ/写真=高橋信宏)
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サトータケシ
ライター/エディター。2022年12月時点での愛車は2010年型の「シトロエンC6」。最近、ちょいちょいお金がかかるようになったのが悩みのタネ。いまほしいクルマは「スズキ・ジムニー」と「ルノー・トゥインゴS」。でも2台持ちする甲斐性はなし。残念……。
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