ホンダS2000タイプS(FR/6MT)【動画試乗記】
ホンダ発FRスポーツの現在進行形 2008.12.11 試乗記 ホンダS2000タイプS(FR/6MT)……399万円
ホンダが1999年に、創立50周年記念モデルとしてリリースしたFRスポーツカー「S2000」。追加グレードの「タイプS」は、派手な外観とはウラハラな繊細さをもつクルマだった。
■スポーツカーの楽しさを再発見
スポーツカーには、絶え間のない進化が求められる。デビューから時間が経過し、徐々に人気が下がっていったとしても、改良を重ね、育て続けていくことが、ブランド価値を生み出すのだ。ポルシェ911が好例だろう。45年という歴史のなかで、その高い認知度と評価を得、今のポジションにまで上りつめた。
ただし、ポルシェ911の成功例はレアケースともいえる。日本の自動車メーカーは、これまでに幾度となくスポーツカーを世に送り出しては、辛酸をなめてきた。それでもホンダ、ニッサン、マツダあたりは、いまなおスポーツカーを大切にしているメーカーである。ホンダの場合は1990年にNSXをデビューさせたあと、より手頃な価格で手に入れられる後輪駆動スポーツとして、1999年にS2000を発表。一時はFF、FR、ミドシップすべてのスポーツモデルを揃える充実ぶりを見せていた。
もっともNSXより手頃とはいっても、価格はおよそ400万円。決して安価とはいえない。とはいえ、専用の高剛性フレームや高回転エンジンを用意するなど、それに見合った内容を備えているのもまた事実だ。まもなく誕生から10年を迎えるが、その運動性能はいまだ第一級。スポーツカー専用に開発されたプラットフォームが、セダンベースのクルマとは一線を画すキレのある走りを実現している。
「タイプS」グレードは、そんなS2000の進化の過程において、ひとつの新しい方向性を提案するモデルだ。ホンダお得意の「タイプR」がサーキットのタイムを重視したカリカリチューンだとすれば、タイプSは、スポーツカーの楽しさを再発見させてくれるクルマ。そんなキャラクターを持っている。
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(リポーター=島下泰久)
