第71回:ルマン 08 番外編 〜もうひとつのルマンウィーク
2008.07.01 エディターから一言第71回:ルマン 08 番外編 〜もうひとつのルマンウィーク
|
まだまだ見せたい
2008年6月14-15日、伝統のルマン24時間耐久レースが開催された。今年のルマンがアウディの3連覇で幕を閉じたことは、『webCG』のニュースでリポートしたとおり。あれから2週間。速報では伝えきれなかった、現地の表情を紹介します。
|
ホテルまでスペシャル
6月9日。この月曜日から週末のレースまでは、スペシャルな一週間。通称「ルマンウィーク」といいます。
市内の某ホテルにその前日宿泊すると、スペシャルなレートのタリフ(tariff:料金表)が扉に貼り付けられてました。ダブルベッドの部屋をシングルユースして45ユーロだったのが、翌日からはナント、210ユーロ! しかも満室状態。ビジネスホテルなのに……結局、予算オーバーで泊まれず(涙)。
|
レース開催時にコースの一部となる一般道路は、月曜午前の時点でまだ準備作業中。一方、常設のブガッティサーキットでも着々と準備が進む。こうして“兵ども”の戦いが幕を開けるわけです。
|
街なかも、なんとなくお祭りモードに。公開車検が行われるジャコバン広場にほど近い旧市街地のハイストリートは、ちょっとしたショッピングストリート。古本屋の店先には、ルマン24時間関連の書籍がずらりと並ぶ。
|
昼間っからビールを飲んでいい具合に出来上がってる人も多いです。なんだか風情があっていいなぁ、と思いますねぇ。これって、ルマンのレースが、日本でいうところの「祭り」だからなのかも。
|
お国柄が出る? ホスピタリティブース
さてと、ここからはレースウィーク本番。
去年はぜんぜん相手をしてもらえなかった、アウディのホスピタリティブースへのアクセスパス。今年は現地入りしてからSMS(ショートメッセージサービス)でOKの返事。頂いたものは有効活用せにゃならん!とばかり、足しげくアクセスしました。
|
が、いつ行っても大混雑で、食事にはありつけなかったりして……そんなときは、代わりにもらえる眠気覚ましのレッドブルがキク〜!
|
対照的な、プジョー(写真上)とアウディ(下)のホスピ外観。
プジョーはずいぶんシンプルな感じ。
|
アウディは食事のサービスもあったりで、すっかりサロン化しています。2階のテラスでシャンパンを飲んでる要人の姿もちらほら。
ちなみに、DTM(ドイツツーリングカー選手権)でもでっかいホスピを構えています。
|
たとえプライベーターでも、地元のチームはそれなりに立派なホスピを用意しています。そのすぐ隣にキャンピングカーを横付けし、家族らとのんびりムードのドライバーも。
日本のレースで活躍中のブノワ・トレルイエも、パパ&ママ、妹家族、甥っ子&姪っ子が勢ぞろい!
|
のんびりなのに忙しい
ルマンは、月曜から2日間行われる公開車検を経て、水曜、木曜で予選を開催。金曜日はサーキットでの走行セッションはナシ。グランドスタンドもガラガラ。で、報道陣もまた「クルマが走らないから、することないや」と、オフにしちゃったり。
でも、情報収集にもってこいのプレスカンファレンスは、この金曜日に集中する! のんびりなようで、忙しい。それが、ルマン。
|
ニュースのコーナーでお伝えしたように、今年はいつになく、ドタバタ続きのレースでした。ルマンに通い始めて4年になりますが、スプリント的な要素は確実に増えているような気がします。
レース後すべてのリザルトが出揃うので、何時何分どの車両がピットで何をしたのか、なんてことは、あとで全部わかります。でも、速報記事を書こうと思えば、自分で記したメモだけが頼り。
(そんなリポート、まだのかたはコチラから。もう見たかたは? もう一度、ぜひ。)
レースそのものは、日曜の午後3時に終了。こちらも原稿を書き上げて、午後10時にはプレスルームから撤退。まだ薄明るい空の下、バッテリー切れ寸前の帰路で、毎年思うんですね。「また来年も来れるといいなぁ」って。
|
一夜明ければ……
明けて月曜日。今年は初めて、レース後のサーキットに寄ることができました。日本チームのスタッフが、あとかたづけに残っていると聞いたから。
パドックは、まだモノで溢れてる! 日本なら、レース当日のうちにサーキットはガラガラなのに。6月アタマのテストデイから2週間近くレースモードだったことを考えれば、すぐに片付くはずもないか!?
|
……などと思いながら歩いた「アウディ」のパドック裏で、アウディらしい一面を発見!
|
ほら、すごくシステマチックに片付けてるでしょう? お国柄? それともチームの性格?ごらんのように、優勝マシンがポンと置いてあるのは、妙な感じでしたけど。
|
一方、対照的だったのが、こちら。
“童夢カーボンマジック”で作られたスペシャルパーツも、レースが終わればただの廃品。(ナンボするんやろ、もったいないわ〜!)
|
無理やりバンにカーボンパーツを積もうとしているチームの姿も……お兄さん、そんなザツに扱って大丈夫?
|
気がつくと、ピットロード前にはトラックが搬入され、荷物の積み込みも(徐々にだが)始まる。静かに、そして淡々と進む作業。昨日までレースをやってたのかなぁ、っていうくらいの別世界でした。
夏草や兵どもが夢の跡
まさに。
来年も、多くのドライバーがその夢を追って、ここルマンにやって来るのでしょう!
(文と写真=島村元子/text=Motoko Shimamura)

島村 元子
-
第875回:キモは氷上性能! ダンロップの新しいスタッドレスタイヤ「ウインターマックス アイスプロ」を試す 2026.7.1 違いは氷の上で表れる! ダンロップの新しいスタッドレスタイヤ「WINTER MAXX ICE-Pro(ウインターマックス アイスプロ)」に、冬の北海道で試乗。氷上性能を徹底的に追求したという新製品の、パフォーマンスの一端に触れた。
-
第874回:自動運転からワイパーまで! 自動車を支えるメガサプライヤー ボッシュのあくなき挑戦 2026.6.27 世界屈指のメガサプライヤー、ボッシュが開発中の新技術を披露! 市街地での高度な運転支援技術に、日本の方言にも対応した対話型AI、サーキット走行のノウハウを教えてくれるコーチング機能等々……興味深いその中身をリポートする。
-
第873回:ウエット路面に強み ミシュランの新タイヤ「パイロットスポーツ5エナジー」と「プライマシー5エナジー」を試す 2026.6.19 2026年1月29日に導入が発表されたミシュランの新製品「パイロットスポーツ5エナジー」と「プライマシー5エナジー」。これまでの特徴に加え、低燃費性能や耐摩耗性、ウエットグリップ性能のアップをうたう両モデルの走りを、クローズドコースで確かめた。
-
第872回:「フォレスター」がJNCAPで最高評価を獲得! “安全”に対するスバルの不断の取り組みに迫る 2026.6.6 相対速度100km/hの衝突後でも、普通にドアが開く!? 人気のSUV「スバル・フォレスター」が、日本の自動車アセスメントで最高評価を獲得した。安全なクルマづくりを第一とするスバルの取り組みを、群馬製作所で行われた衝突試験デモの様子とともにリポートする。
-
第871回:今年もグリーンヘルは熱かった! ニュルブルクリンク24時間レース観戦記 2026.5.27 “世界一過酷な草レース”として知られ、今年も波乱が巻き起こったニュルブルクリンク24時間レース。F1王者のフェルスタッペンも参戦するとあって、大いに盛り上がったその様子を、世界を飛び回るモータースポーツカメラマンが臨場感満点でリポートする。
-
NEW
第340回:一にエンジン、二にカッコ
2026.7.20カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。マツダ渾身(こんしん)のラージ商品群を応援するカーマニアのひとりとして、「CX-60」と「CX-80」の動向は常に気になっている。3列シートSUV、CX-80の最新モデルにあらためて試乗して感じたこととは? -
NEW
日産は“再挑戦”でホンダは“終了” 新型「エルグランド」発売に見る、プレミアムミニバンの今
2026.7.20デイリーコラムトヨタが圧倒的なシェアを占める上級ミニバンの世界において、新型「エルグランド」で復権をねらう日産。しかし、なぜフルモデルチェンジは16年ぶりになったのか? ホンダはどうするのか? この市場の今を考察する。 -
NEW
ホンダ・インサイト(FWD)【試乗記】
2026.7.20試乗記3000台の限定で販売される新型「インサイト」は、クロスオーバー風のフォルムと、これまでのホンダ車にはなかった内外装のデザインテイストが新鮮だ。中国で生産され、日本独自の名前が与えられた新型電気自動車の走りと仕上がりを、ロングドライブで確かめた。 -
ポルシェ911カレラT(後編)
2026.7.19ミスター・スバル 辰己英治の目利きスバルとSTIでクルマの走りを鍛え、モータースポーツにも積極的に取り組んできた辰己英治さん。彼の目に、“スポーツカーの水準器”こと「ポルシェ911」はどのように映ったのだろう? 走りの楽しさを追求した「カレラT」グレードに乗っての印象を聞いた。 -
ホンダCB750ホーネット(6MT)【レビュー】
2026.7.18試乗記ホンダのスポーツネイキッド「CB750ホーネット」が、話題の「E-Clutch」を獲得。ライディングの幅を広げる自動クラッチシステムは、パンチの利いた2気筒のストリートファイターにどんな走りをもたらすのか? その仕上がりを確かめた。 -
人気沸騰「ランクル“FJ”」を手にするもうひとつの方法
2026.7.17サブスク「KINTO」で「ランドクルーザー“FJ”」に乗る<AD>2026年5月に発売されるやオーダーが集中し、受注停止となってしまった「ランドクルーザー“FJ”」。しかし、あきらめるのはまだ早い。“FJ”とのカーライフを実現できる、トヨタの新車サブスクリプションサービス「KINTO」という手段があるのだ。