「ガソリンエンジンなのに硫黄臭いクルマがあるのはなぜ?」
2008.05.03 クルマ生活Q&A ガソリン・オイル「ガソリンエンジンなのに硫黄臭いクルマがあるのはなぜ?」
ディーゼル車でもないのに、硫黄臭い排ガスを出しているクルマに時々出会います。どうしてそんなニオイがするのでしょうか?
お答えします。そうですね。硫黄臭い排ガスといえば、ディーゼル車というのが昔は常識でした。
原油の中には硫黄分が含まれています。昔は精製の技術が進んでいなかったので、軽油に限らずガソリンでも、硫黄分を取り除くことができずにいたのです。今では劇的な技術進化で、軽油もガソリンもほとんどサルファフリー(硫黄分を含まない)になっています。
だから、ディーゼル車でもほとんど硫黄のニオイはしませんね。それなのにガソリン車から硫黄のニオイがするのは変です。
おそらく、そのクルマはちょっと古いクルマだったのではないでしょうか。ガソリンエンジンには、三元触媒がついていて、これで排ガスを浄化します。ここに、硫黄分が蓄積していくのです。
何年ものあいだ硫黄分の多いガソリンを使っていて、排ガスの成分が触媒の中に溜まってしまっていることが考えられます。フィルターに硫黄分が蓄積していて、それが加速などで排圧が強まった時にはがれて出てしまうのです。
そういうクルマは触媒が傷んでいる可能性が高いので、もし自分のクルマで硫黄のニオイがするようなことがあったら、触媒を交換することをオススメします。

松本 英雄
自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。