ヒュンダイ i30(FF/4AT)【ブリーフテスト】
ヒュンダイ i30(FF/4AT) 2008.04.07 試乗記 ……1905万ウォン(本国価格)総合評価……★★★
既に欧州で好評が伝えられる、ヒュンダイの新型コンパクト「i30」。日本市場への導入が予定される2リッターモデルの実力を試した。
脅威になる
走行性能に急速な進歩がみられ、もはやNG領域の分野はナシ。これで価格が安いとなれば、日本車にとっても脅威だろう。
デザインは、マツダ車的ながら、ランプ類やディテールの処理で韓国風味を醸し出し、実際にはかなり大きなサイズにもかかわらず、適度にコンパクトに見せることに成功している。このサイズで車両重量1310kgならば、技術水準も十分に高いということが言える。
ボディ剛性も確保され、しっかりした造りは国際水準にあるから、日本市場よりむしろ欧米で、国際商品としての地位を確保できるだろう。「日本車の亜流」といわれた時代を経て、今や韓国車は独自のマーケットシェアを確保しつつある。
ひとついいものをヒットさせれば、派生車種を広げることも可能。そんな可能性を秘めた基本性能の高いクルマだ。
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
「i30」(アイ・サーティ)は、いわゆるCセグメントに属するヒュンダイのコンパクトハッチバック。セダン「エラントラ」をベースに開発され、2007年にデビューした。
inspiration(ひらめき)、intelligence(知性)、integrity(誠実)を表す「i」に数字を組み合わせた車名は、欧州市場を意識したもの。「フォルクスワーゲン・ゴルフ」「プジョー307」「トヨタ・オーリス」「マツダ3(アクセラ)」らと、直接市場を競い合う。
ラインナップは、ガソリンが1.4リッター(109ps、14.0kgm)、1.6リッター(122ps、15.7kgm)、2リッター(143ps、19.0kgm)の3種類。ディーゼルは出力が異なる1.6リッター2種類と、2リッターが用意される。派生モデルとして、ワゴンバージョンの「i30CW」もある。
(グレード概要)
試乗車は、2リッターガソリンの4ATモデル。2008年内の日本導入が予定されている(2008年3月末現在、詳細は未定)。
なお、同グレードの韓国本国価格は1905万ウォン=約190万円となっている。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
スピード/タコの大きな2つのメーターを長円で囲み、丸みのついたダッシュに独立させる処理は、GTカーっぽい。ただし数字は暗くて読みにくく、常時メーターナセル内のライトをオンにしてちょうどいい。センター部のオーディオ、空調類の処理もすっきりして、全体を丸く膨らませたあたりにデザイナーの力量を感じる。スイッチの作動感や空調ルーバーの動きなどもよくなり、樹脂パーツの合わせ目の隙間も狭く仕上げは上々。判りやすく使いやすい。
(前席)……★★★
サイズ、サポート共に良好。ザックリした表皮の布の感触も通気性がよさそう。ハイトコントロールの前後角度変化などで座面の後傾角を加えられるようにすれば、実用車のシートとしてほぼ完成形だ。柄は多少地味。シフトレバーやサイドブレーキ、ペダル類やステアリングの角度など、概ね自然な配置で違和感なし。ステアリングホイールのサイズも小径で回しやすい。
(後席)……★★★
背面の角度は寝過ぎていて腰が次第に前にズレてくる。こうなると座面の後傾角が少ないことと、前後長が短いことがあらわになる。しかし比較的高めに座ることでリカバーできる。
足先は前席の下に納まる。ルーフは高くヘッドクリアランスは十分。ドアは目線として低めで外は良く見えるが守られている安心感は希薄。座面は適度にサイドの盛り上がりがあり、横方向のサポートを助ける。折り畳めるタイプのシートのなかでは、よくできている。
(荷室)……★★★
広さは十分。フロアは低く、縦方向に深い。リアシートを折り畳まなくとも通常の用途には不足ないだろう。ネットは小物の固定に役立つ。アンカーの備えもある。内張りは材質的なクォリティーはそれ程高くはないが、しっかりキッチリ造られている。フロアは平らで下にはテンパータイヤとジャッキ工具類が要領よく納まる。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
特記するほどパワフルでもスム−ズでもないが、排気量なりの力強さは感じられるようになった。高速道路での100km/hは2550rpm に相当し、現代のレベルでは回して使う方だが、十分に静か。4段ATはジグザグパタ−ンの「P R N D 3 2 1」ポジションで、流行の「+/−」タイプではないけど、何ら不足はないしポジションの確認はしやすい。レバ−の操作もスム−ズ。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★
大きく向上したのがこの項目。サスペンションの動きはスムーズで、ダンピングもまずまず。姿勢のフラットさも保たれ、ピッチングなど前後のアンバランスによる不整はほぼ解消されている。骨太さも少しでてきて、ある種の日本車より足元の華奢な感じは少ない。残る課題は精度感の追求か。韓国製タイヤ(クムホSOLUS)もしっとりした乗り味で剛性感もあり、ユニフォミティ(真円性)も問題なさそう。
(写真=高橋信宏)
【テストデータ】
報告者:笹目二朗
テスト日:2008年3月19日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2008年型
テスト車の走行距離:1844km
タイヤ:(前)185/65R15(後)同じ(いずれも、クムホSOLUS)
オプション装備:--
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(3):高速道路(5):山岳路(2)
テスト距離:310.3km
使用燃料:33リッター
参考燃費:9.4km/リッター

笹目 二朗
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