ボルボC30 T-5/S40 2.4i/V50 T-5 R-DESIGN(FF/5AT)【試乗記】
限定なんて、もったいない! 2008.03.08 試乗記 ボルボC30 T-5/S40 2.4i/V50 T-5 R-DESIGN(FF/5AT)……420.0万円/401.0万円/488.0万円
「ボルボC30/S40/V50」に、共通の特別仕様車「R-DESIGN」が設定された。質実剛健な北欧メーカーは、新たなコンセプトでどんなテイストを表現したのか? 『webCG』のコンドーと関が試乗した。
好感度、ぐ〜んとアップ
コンドー(以下「コ」):なにやら黒塗りの「ボルボ」がズラっと! おなじみのワゴン「V50」に、セダンの「S40」。クーペの「C30」も並んでる。壮観や。
関(以下「せ」):おなじみ、エントリーグレードの3兄弟です。でも、いつもと何かが違うでしょ?
コ:男前に見える! 垢抜けてるっ!……ちょっと「アバンギャルドな感じ」ぃ?
せ:そりゃ、メルセデスじゃないですか。これは、「R-DESIGN」(アール・デザイン)というボルボの特別仕様車なんですよ。しかも、2008年2月から3月まで、わずか2か月の発注期間限定モデル。
コ:日本人はゲンテイに弱いからなぁ……いずれにせよ、ドイツ車の「Sライン」や「Mスポーツ」なんかのボルボ版やろ?
せ:まぁ。内外装に専用ドレスアップを施し、特別感を演出しています。
コ:「R」ていうのは、堅実なボルボのイメージに合わんような気がするけど?
せ:レーシングではなく、リファインメント(洗練)の意味なんだそうです。古くは1994年の「850T-5R」、最近では「S60R/V70R」など、歴代の上級グレードに設定されました。
コ:そのエッセンスを、今回はエントリーグレードに注いだわけや。はは〜ん、ミドルクラスワゴンの「V70」がやたら立派になったから、コンパクトカー人気の続く日本は小さめのラインナップで勝負いう魂胆やろ?
せ:いえいえ。この特別仕様車は、元からスウェーデン本国にもあるんです。
コ:エクステリア、どんなところが特別なん?
せ:車体を取り囲むスカート状のエアロパーツと、リアスポイラー。さらに、専用デザインの17インチアルミホイールが備わります。あとはエンブレムとか、こまごま。
コ:エアロいうても、やりすぎ感ものうて好印象やね。
せ:ボンネットが短い小さめの顔が、嫌味のないメイクでますます凛々しくなった感じです。
コ:三菱の「ギャランフォルティス」に似てる。ような……気もする。まぁ、ボルボのほうが女性的やね。このマスカラは塗り過ぎやろ。
せ:……さっき、オトコマエって……。
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パンダ柄にはワケがある
せ:デザインの味付けは、セダン、ワゴン、クーペのどれも共通です。
コ:つまり、3車の大きな違いは「お尻」だけかぁ。R-DESIGNのなかやと、どれが一番人気あるんやろな?
せ:ワゴン「V50」が一番で、受注全体の半分を占める予想です。
コ:このカスタマイズが一番似合うのは、もともと外装が特徴的なクーペやと思うけど。シュッとしてみえるなぁ。欲しい。
せ:その「C30」が4割で、セダンの「S40」はわずか1割……ノーマルとの違いが一番際立つし、ボクは魅力的に仕上がってると思いますけど。
コ:やっぱ、「輸入車」「ボルボ」「スウェーデン」ゆうイメージで、キャラクターとかユーティリティが重視されるんかな? インテリアは何か特徴あるん? あっ……!
せ:……と驚く、白黒のツートーン。ボルボにしては適度なシャレっ気でイイでしょう?
コ:光沢がないから、うるさない。100点満点や。
せ:中もあくまで「リファインメント」。スポーツシートや赤ステッチなどは使いません。
コ:ゼブラとかキャメルとかのインテリアもあったけど、これはパンダや。
せ:クロとシロにはそれぞれ意味があるんです。肩や膝の黒い部分は、滑り止め。ウェットスーツの裏地にヒントを得たという「V-flex」材で、強力に体をホールドします。
コ:紙やすりみたいにピターッとくるね! シロい部分は普通のレザー?
せ:背もたれや座面には、対照的に柔らかめの本革を採用したそうです。
コ:掛け心地、文句なし。さすがボルボ。ランバーサポートやシートヒーターも標準か。座ったとたんウットリ。
せ:サイズもぴったり。むしろ、大柄な本国のヒトが窮屈じゃないのか心配になるくらいです。
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コ:あっ、靴ベラみたいな例のセンターコンソールには、“渦巻き模様”が入ってんで。
せ:これも、アルミ製で「R-DESIGN」オリジナル。よく見ると、チューナーのダイヤルが渦の中心なんですよ。拡がる電波がモチーフだそうで。
コ:青いメーターパネルもオリジナルや。「S60R/V70R」の青メーターふうやけど、メタル調だったあちらに較べると、ただのペイントやから物足りへんな。
せ:むしろ、白黒のインテリアに合わせた色でよかった気がします。アストン・マーティンみたいな、ステンレスっぽいグレーの盤面が理想的。
コ:キーのかたちは超高級車のアストンとソックリやのにな。アストンがボルボに似てるんやったっけ?
せ:ちなみに、キーレスエントリーシステムは、日本市場専用だそうです。
コ:じゃ、そろそろ行こか! デザインコンシャスなお気に入りの「C30」で。
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美脚は健脚
コ:太いグリップのレザーステアリングが、いい感じ。手先や目先が専用デザインなだけで、ずいぶん気分が変わるもんや。
せ:これも専用パーツ。頂点部分だけアルミのコンビになってるんです。持ち替えたときにヒヤリと冷たいのが、ちょっと……
コ:それもまた、気分が変わってええねんて。テレスコの調節幅はめっちゃ大きいから、ステアリング近づけて、スーッと一回で切りいや。
せ:8ウェイシートといい、ポジションの自由度はとても大きいですね。低めに座っちゃうと、フロントガラス下端の歪みが目につきますが。こういうの、輸入車に多いような……
コ:低めに座っちゃわんと、高めに座れば済むことや。
せ:(ブツブツ……)
コ:エンジンは、2.4リッターNAと2.5リッターターボの2タイプ。ベースモデルと同じスペックやね。
せ:エンジンルームは、違います。ストラットタワーバーのオマケ付き。
コ:……ふーん! 乗った感じはノーマルより断然快適やで、コレ!
せ:「R-DESIGN」のもうひとつのキモが、足まわりのリファインなんです。「強化スプリング」「強化ショックアブソーバー」「スポーツスプリングキット」……ダメ押しは「強化アンチロールバー」。ボルボはロールしやすいという、ユーザー評価を意識してのことだそうです。
コ:強化しまくりやん。そのわりには、ウソのようにしなやかな足や。よく動いてる。コーナリングも、ええ感じ。
せ:初期の突き上げ感がノーマルよりも弱められていますね。リファインされたのはホイールデザインだけじゃない、と。
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コ:後ろに座っても快適な印象は変わらへん、と。もともと「C30」は、スマートなルックスの割に、リアの居住性が素晴らしい。C30買うなら迷わずR-DESIGNやね。ノーマルより断然オススメ!
せ:Bピラー、太過ぎませんか? 後席へのアクセスが大変なんですけど。
コ:ボルボ最大の美点が安全性ってこと、忘れたらアカンで。一度乗ってしもたら、太い梁と広い窓を持つ快適な部屋になる。
せ:そういえば、北欧の家や家具もファンは多いですよね。
コ:さて、この足は決まりとして、2.4リッターのNAと2.5リッターターボのどっちにするかが、悩みどころや。
せ:軽めの過給とはいえ、ターボラグが見られるターボより、出足のいいNAのほうがいいと思う。パワー感も、ターボを知らなきゃ十分です。実際の需要も、7:3でNAのほうが多いそうです。
コ:軽いクルマやないから、俺はやっぱりターボが欲しいな。足もええし、「フォード・フォーカスST」(よかったなぁアレ)を思い出す。あ、これは最高のホメ言葉。こうなったら、「R」シリーズの「R-DESIGN」なんて、見てみたいな!
せ:それは意味がないような……でも、ウケがよければ、上級ラインナップにも広げるつもりがあるそうだから、楽しみです。
(文=webCG近藤俊&関顕也/写真=荒川正幸)

近藤 俊

関 顕也
webCG編集。1973年生まれ。2005年の東京モーターショー開催のときにwebCG編集部入り。車歴は「ホンダ・ビート」「ランチア・デルタHFインテグラーレ」「トライアンフ・ボンネビル」などで、子どもができてからは理想のファミリーカーを求めて迷走中。
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