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【スペック】全長×全幅×全高=4655×1895×1370mm/ホイールベース=2780mm/車重=1740kg/駆動方式=4WD/3.8リッターV6DOHC24バルブターボインタークーラー付き(480ps/6400rpm、60.0kgm/3200-5200rpm)/価格=834万7500円(テスト車=同じ)

日産GT-R Premium edition(4WD/2ペダル6MT)【短評(後編)】

アイドルに留まるな(後編) 2008.01.26 試乗記 笹目 二朗 日産GT-R Premium edition(4WD/2ペダル6MT)
……834万7500円

日産が放つスーパーカー、「GT-R」に公道試乗。新型の特徴たる電子装備やトランスミッションの仕上がりを検証する。
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特筆すべきトランスミッション

(前編からのつづき)
マルチファンクションディスプレイはGT-Rらしい面白い装置だ。これが初期の額面通りに使えれば、もっと有効活用できる。
たとえば各ギア毎の燃費計、現状では単に上位ギアポジションの方が燃費がいい、という固定表示だけに過ぎないが、登り坂で6速に入れて1000rpm で走るよりも(トルクがあるので走れてしまう)、4速や5速に入れてもっと回転を上げて使う方が、却って燃費がいいことは良く知られる。そんなギアと負荷の関係が動体表示されれば更にいい。現状ではそこまで想定されていない。

GT-Rは数字から予測するより大きなクルマだ。太いタイヤを履くことから、実際の切れ角も限られ、Uターンする時などの回転半径の大きさは相当なものだ。このフル転舵で微速で切り返すようなとき、メカ式のLSDは結構強烈に回転差補正を拒むから、ちょっと勾配があるときなどは特に、ツインクラッチのミートに過酷で、時にプーンと焼ける臭いを発することがある。それでもクラッチの耐久性は十分に高いから、磨耗に対する心配などはないそうだ。

このツインクラッチ(フォルクスワーゲンのDSGタイプ)のセミATは、オートで使う通常の変速はまったくスムーズで、トルコン式ATに慣れた人でも違和感は感じないだろう。マニュアルにした場合、クラッチの繋がりのレスポンスを上げることもできる。6000、7000rpmといったサーキット走行などでの高回転域では、その差を確実に享受できるが、3000rpm 以下で使う実用域ではそれほどの差はない。
この手のものは常時どこかと繋がっていて、変速時のクラッチミートでどちらかを選ぶような記述もあるが、アップする方向で待つかダウンする方向で待つかで異なる。通常はアップする方向で待つのでレスポンスは早いが、ダウンする場合には一旦抜いてから下げるので少し遅れるし、回転合わせでもロスタイムは発生する。だからどちらかといえば、ダウン時のレスポンスの方が待ち時間は長い。

クルマのさまざまなアクションを数値で確認できるセンターコンソールのディスプレイ。写真は燃費の推移を表示したところ。
(写真=日産自動車)
クルマのさまざまなアクションを数値で確認できるセンターコンソールのディスプレイ。写真は燃費の推移を表示したところ。
(写真=日産自動車) 拡大
日産とボルグワーナーが共同開発したGT-Rのツインクラッチ式ギアボックスは、エンジンから完全に分離され、リアシートの真下に。両者はカーボン製プロペラシャフトで連結される。(写真=日産自動車)
日産とボルグワーナーが共同開発したGT-Rのツインクラッチ式ギアボックスは、エンジンから完全に分離され、リアシートの真下に。両者はカーボン製プロペラシャフトで連結される。(写真=日産自動車)
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まだ成長する余地がある

ともあれGT-Rは、すべてのレスポンスが素早く、それは先のマルチファンクションディスプレイの横G/縦Gの表示であれ、タコメーターの指示レスポンスであれ、実際のメカ動作よりもモニター表示のほうが遅れるほどだ。

実際に乗る前から、期待値がこれほど大きかったクルマも珍しい。それは先代までのGT-Rの実力から推して当然とも思われる。正直な感想としては、よくも悪くも人気先行の超アイドル車であり、開発期間の短さゆえか、前述のように期待に足りない部分も少し散見される。今後の成長に期待したい。

この新しい開発スタッフによる「日産GT-R」とは別に、これまでのGT-Rを開発してきた人達が、さらに伝統を磨いて「スカイラインGT-R」を作ったとしたら、スカイライン・クーペのできがいいだけに、スタイリングも含めもっと洗練されたクルマに仕上がったに違いない。
新人の育成も企業にとっては大事かもしれないが、クルマを判りかけてきたベテランの仕事による技術の積み重ねの方が、ユーザーにとっての福音は大きいように思う。そんな「スカイラインGT-R」にも乗ってみたかったナー、というのが個人的な本音である。

(文=笹目二朗/写真=峰昌宏)

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