第53回:夏を制するものはCAR検を制す!? 夏期特別プログラムは大にぎわい
2007.08.14 エディターから一言第53回:夏を制するものはCAR検を制す!? 夏期特別プログラムは大にぎわい
2007年10月14日に第1回試験が行われる「自動車文化検定(CAR検)」に向けた特別プログラムが開催されています。名古屋はトヨタ博物館で行われた7月21日の回に参加してきました。
やっぱり名古屋は“自動車の聖地”
名古屋駅から地下鉄とリニモ(リニアモーターカー)を乗り継いで約1時間。決して便利な場所だとはいえないのに、トヨタ博物館は親子連れでいっぱいでした。
クルマに興味のない人にはアピールしそうにない施設なので、夏休みが始まったばかりの休日とはいえ、混雑しているとは思っていませんでした。さすがトヨタのお膝元、“自動車の聖地”だけあって、クルマへの愛が日本一濃い地域なのだと改めて感じ入りました。
トヨタ博物館は、ベンツ・パテントモトールヴァーゲンに始まる歴史的な自動車を体系的に展示したミュージアムで、その所蔵車のレベルは相当なもの。子供が楽しめる体験コーナーなども充実していて、親子連れにうれしい施設となっています。
拡大
|
充実の講座は、ヒストリー、エンジン、モータースポーツ
今回「CAR検夏期特別プログラム」が行われたのは、そのトヨタ博物館に設けられた大ホール。午前中はゆっくりと展示を見て回り、午後はみっちりと講座を受けてもらおうという趣向です。
この日のメニューは、まずCAR検突破に向けての実戦的な講座、頭をほぐす意味で『CGTV』の名作上映があり、そしてクルマに関する講演を2回、というもの。
講座でトップバッターに立ったのは、『SUPER CG』編集長の伊東和彦。担当はヒストリーで、「カー・オブ・ザ・センチュリー」の写真を見せながら、「T型フォード」「フォルクスワーゲン・ビートル」などの大衆車が自動車の歴史の中で持つ大きな意義について説明しました。
2番手は、『webCG』の「クルマ生活Q&A」でもおなじみの松本英雄氏。担当はメカニズムで、エンジンをテーマに語ってくれました。「吸入・圧縮・燃焼・排出」という4ストロークエンジンの基本から最新のTSIエンジンの構造まで、内容の濃いレクチャーでした。
最後は二玄社編集局長の阪和明。モータースポーツについての講座で、1976年に行われた「F1選手権in JAPAN」を駆け出し編集者として取材した思い出など、現場を見ていなければわからない情報を交えて臨場感のある話を聞くことができました。
エンスー&マニアックな講演会
CGTV上映会のあとは、いよいよ講演会。まず演台に上がった高島鎮雄氏が語ったのは、「自動車が生まれるまで」。今から6000年前にコロで物を移動させることを人間が覚えた、という大昔の話から始まったのには、さすがに聴衆もびっくり。
でも、現在のガソリン自動車が誕生するまでにはさまざまな実験的な試みがあり、その蓄積の結果として技術の進歩があるのだ、ということが聞いているうちにわかってきて、最後には納得です。話の端々にちりばめられている自動車のトリビアにも、感心するばかりでした。
次は、『NAVI』の人気連載「クルマが先か? 飛行機が先か?」がエンスーに評判の軍事評論家、岡部いさく氏の登場です。世界のどこかで戦争が始まったりしていれば岡部さんはテレビ出演で後援会に来られない恐れもあっただけに、なんとか平和であったことに一同感謝です。
先に講座を担当した伊東和彦が聞き手となり、飛行機メーカーと自動車との深いつながりについて話していただきました。連載でも取りあげていないようなマニアックな話も飛び出し、レベルとしては今回行われる3級・2級どころか超1級という感じ。岡部さんの英国車、英国軍機への奇妙な偏愛ぶりが際立つトークショーとなりました。
一日中クルマ漬け
最後は博物館入口のホールでの懇親会。豊田AA型を眺めながら飲食を楽しむという、ちょっと普通ではあり得ないシチュエーションです。先ほどまで演題にいた講師のみなさんに直接質問したり話を聞いたりできるチャンスでしたが、CAR検受験のためというより、ついつい趣味的な話に傾いてしまったようです。
一日中クルマ漬けという密度の濃い時間でした。CAR検へ向けての講座であることはもちろんですが、クルマ好きにとってはそれ以上に意義深い催しだったのだと思います。
名古屋の開催はもうありませんが、このあと大阪と東京でこの夏期プログラムが行われることになっています。詳しいことは、下記アドレスからご覧ください。
(文・写真=別冊単行本編集室 鈴木真人)
『CAR検』夏の特別プログラム
http://www.webcg.net/WEBCG/webcg_news/info/carken.html

鈴木 真人
名古屋出身。女性誌編集者、自動車雑誌『NAVI』の編集長を経て、現在はフリーライターとして活躍中。初めて買ったクルマが「アルファ・ロメオ1600ジュニア」で、以後「ホンダS600」、「ダフ44」などを乗り継ぎ、新車購入経験はなし。好きな小説家は、ドストエフスキー、埴谷雄高。好きな映画監督は、タルコフスキー、小津安二郎。
-
第875回:キモは氷上性能! ダンロップの新しいスタッドレスタイヤ「ウインターマックス アイスプロ」を試す 2026.7.1 違いは氷の上で表れる! ダンロップの新しいスタッドレスタイヤ「WINTER MAXX ICE-Pro(ウインターマックス アイスプロ)」に、冬の北海道で試乗。氷上性能を徹底的に追求したという新製品の、パフォーマンスの一端に触れた。
-
第874回:自動運転からワイパーまで! 自動車を支えるメガサプライヤー ボッシュのあくなき挑戦 2026.6.27 世界屈指のメガサプライヤー、ボッシュが開発中の新技術を披露! 市街地での高度な運転支援技術に、日本の方言にも対応した対話型AI、サーキット走行のノウハウを教えてくれるコーチング機能等々……興味深いその中身をリポートする。
-
第873回:ウエット路面に強み ミシュランの新タイヤ「パイロットスポーツ5エナジー」と「プライマシー5エナジー」を試す 2026.6.19 2026年1月29日に導入が発表されたミシュランの新製品「パイロットスポーツ5エナジー」と「プライマシー5エナジー」。これまでの特徴に加え、低燃費性能や耐摩耗性、ウエットグリップ性能のアップをうたう両モデルの走りを、クローズドコースで確かめた。
-
第872回:「フォレスター」がJNCAPで最高評価を獲得! “安全”に対するスバルの不断の取り組みに迫る 2026.6.6 相対速度100km/hの衝突後でも、普通にドアが開く!? 人気のSUV「スバル・フォレスター」が、日本の自動車アセスメントで最高評価を獲得した。安全なクルマづくりを第一とするスバルの取り組みを、群馬製作所で行われた衝突試験デモの様子とともにリポートする。
-
第871回:今年もグリーンヘルは熱かった! ニュルブルクリンク24時間レース観戦記 2026.5.27 “世界一過酷な草レース”として知られ、今年も波乱が巻き起こったニュルブルクリンク24時間レース。F1王者のフェルスタッペンも参戦するとあって、大いに盛り上がったその様子を、世界を飛び回るモータースポーツカメラマンが臨場感満点でリポートする。
-
NEW
電気自動車の人工的な走行音はどうあるべきか?
2026.7.21あの多田哲哉のクルマQ&AEVの走行時に車内で聞こえてくる人工的な“音”は、本来、どうあるべきなのか? やはり、疑似エンジン音が最適なのか? トヨタでさまざまなクルマを開発してきた多田哲哉さんの考えを聞いてみた。 -
NEW
アストンマーティン・ヴァンテージS(FR/8AT)【試乗記】
2026.7.21試乗記アストンマーティンの擁するFRスポーツ「ヴァンテージ」が、より高性能な「ヴァンテージS」に進化。よりたくましいエンジンを獲得し、卓越したコーナリング性能に磨きをかけつつ、“優しさ”も身につけた最新モデルの走りを報告する。 -
第340回:一にエンジン、二にカッコ
2026.7.20カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。マツダ渾身(こんしん)のラージ商品群を応援するカーマニアのひとりとして、「CX-60」と「CX-80」の動向は常に気になっている。3列シートSUV、CX-80の最新モデルにあらためて試乗して感じたこととは? -
日産は“再挑戦”でホンダは“終了” 新型「エルグランド」発売に見る、プレミアムミニバンの今
2026.7.20デイリーコラムトヨタが圧倒的なシェアを占める上級ミニバンの世界において、新型「エルグランド」で復権をねらう日産。しかし、なぜフルモデルチェンジは16年ぶりになったのか? ホンダはどうするのか? この市場の今を考察する。 -
ホンダ・インサイト(FWD)【試乗記】
2026.7.20試乗記3000台の限定で販売される新型「インサイト」は、クロスオーバー風のフォルムと、これまでのホンダ車にはなかった内外装のデザインテイストが新鮮だ。中国で生産され、日本独自の名前が与えられた新型電気自動車の走りと仕上がりを、ロングドライブで確かめた。 -
ポルシェ911カレラT(後編)
2026.7.19ミスター・スバル 辰己英治の目利きスバルとSTIでクルマの走りを鍛え、モータースポーツにも積極的に取り組んできた辰己英治さん。彼の目に、“スポーツカーの水準器”こと「ポルシェ911」はどのように映ったのだろう? 走りの楽しさを追求した「カレラT」グレードに乗っての印象を聞いた。