ホンダ軽自動車取材会(後編)【試乗記】
ホンダ軽自動車取材会(後編) 2007.04.16 試乗記 バモスLターボ・トラベルドッグバージョン(MR/4AT)……160万6500円
ホンダの主要な軽自動車を集めたプレス試乗会。最後は、個性的な“わんこ用”ワンボックスに乗ってみた。
もはや、家
(中編からのつづき)
せ:最後は、ワンボックスの「バモス」です。
コ:デザインはええと思うけど……乗り心地、トラックやん。ステアフィールないし、ロックトゥロックで4回転って、どんだけ回んねん。先の2台と比べてしまうと、ホンマ古いなぁ。
せ:実際、古いです。1999年6月の発売ですから。開発陣もそろそろ「次」を考えているようですが、ファンは根強くいるようで、毎月2500〜3000台が売れています。
コ:あっ、後ろから聞こえてくるエンジン音が、新鮮!
せ:キャブオーバーという名のミドシップですから。もっとも、目的はハンドリングじゃなくて、スペース的なものでしょうが。
コ:しかし、リアシートをたたむとゼストも真っ青の広さやね。気持ちええくらいフルフラットになる。フロントシート一番下げても、1860×1220×1180mmの室内空間……“宿泊施設”決定やな。
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軽ワールドから得られるもの
せ:いまは、ペットも連れて行けますしね。このクルマは、今年2月に追加された「トラベルドッグ バージョン」です。
コ:2005年の東京モーターショーでも“わんこ用コンセプトカー”「W.O.W(ワウ)コンセプト」なんて出してたし。ペット時代を見越してるんかな。
せ:商売にする気はないみたいですね。単純にユーザーニーズに応えたいというあたり、ホンダらしいというか。
コ:ボランティアでやるにも限界あるやろ。
せ:ペット対策で得られたものも多いようです。たとえば、繊維メーカー「川島織物セルコン」と共同開発したという専用のシート地は、ペットに対する消臭能力が従来品の約10倍。その初期性能は10年以上も維持できるとか。
コ:撥水&抗菌が流行のご時勢やから、他のクルマにもフィードバックしたら市場は大きいかもな。
せ:一番古いモデルなのに、内装は最先端ですね。
コ:まぁ、一部はな。
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コ:「ライフ」「ゼスト」「バモス」、ホンダの主流3台を見ただけでも、全部ちごた。
せ:結局、ここ数年「軽」が売れてるというのも、生活のダウンサイジングだけが理由じゃないでしょう。それなりに新しい提案を出しているから、ユーザーもワクワクできるわけで。
コ:実際、値段は上がってるしな。いまや100万円以上は当たり前。チョッとええヤツは、150万円超えてるもんな。
せ:開発サイドも、軽が立派になりすぎたことを気にしているようですね。消費者ニーズとはいえ、ハイトワゴンもサイズ的に限界です。
コ:規格があるんやから、行きづまるのは間違いない。せやけど、いまの活況を見てたら、その先に出てくるものが、また楽しみやね。新型ビート出してくれたら買うのに……
せ:結局、ビートですか!
(文=webCG近藤俊&関顕也/写真=webCG/2007年4月)

近藤 俊

関 顕也
webCG編集。1973年生まれ。2005年の東京モーターショー開催のときにwebCG編集部入り。車歴は「ホンダ・ビート」「ランチア・デルタHFインテグラーレ」「トライアンフ・ボンネビル」などで、子どもができてからは理想のファミリーカーを求めて迷走中。
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